F1王者マックス・フェルスタッペンにホンダ&アストンマーティン熱視線
2025年、マックス・フェルスタッペンはレッドブルでホンダ製パワーユニットを搭載する最後のシーズンを迎えている。しかし、これは単なる「さよなら」ではないかもしれない。

ホンダ・レーシングの渡辺康治社長は、将来的にフェルスタッペンと再びタッグを組みたい意向を明らかにしており、ホンダが2026年から新たにアストンマーティンとパワーユニット供給契約を結ぶ準備を進めている中で、この可能性が現実味を帯びている。

フェルスタッペンは、サウジアラビアGPにてレッドブルへの忠誠を改めて表明したものの、彼の将来を巡る憶測は依然として絶えない。彼の契約には「成績条項」に基づく離脱オプションが存在しており、契約期間は2028年末までとされている。この中で、イタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』は、アストンマーティンがフェルスタッペン獲得のために3億ドル(約460億円)もの超大型オファーを準備していると報じた。

アストンマーティンは、現在のフェルナンド・アロンソとランス・ストロールのラインアップに「コミットしている」と強調するも、この噂を完全には否定しなかった。チーム広報は「ドライバーマーケットについてメディアの憶測があるのは自然なこと」としつつ、「我々は素晴らしいドライバーたちに競争力のあるマシンを提供することに集中している」とコメントしている。

フェルスタッペンは、これまでに獲得した4度のワールドチャンピオン全てをホンダパワーで達成。しかし、2026年にF1のシャシーおよびパワーユニット規則が刷新されるのを機に、ホンダはアストンマーティンへ供給先を移し、レッドブルは自社開発のパワーユニットに切り替える。

また、アストンマーティンに加入することになれば、フェルスタッペンはレッドブル時代に数々の成功を共に築いたエイドリアン・ニューウェイと再びタッグを組む機会も得られる。ニューウェイ氏は2024年にレッドブルを退団後、アストンマーティンのテクニカルパートナー兼株主として合流しており、現在は2026年マシン開発に専念している。

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渡辺社長は、オランダ『デ・テレグラフ』紙の取材に応じ、次のように語った。

「まず、今年彼が5度目のワールドチャンピオンを獲得できるよう、全力を尽くします。そしてその後は、アストンマーティンとの新たなパートナーシップに集中します。しかし正直に言うと、将来的に再びマックス・フェルスタッペンと仕事ができる機会が訪れることを心から願っています。」

渡辺社長は、フェルスタッペンのホンダエンジニアに対する高いコミュニケーション能力にも賛辞を送り、「スポーツマンとしてだけでなく、人間としても深く尊敬している」と述べた。

ホンダは、マクラーレン復帰後の3年間の苦難を経て、2018年からトロロッソ(現ビザ・キャッシュアップRB)へのエンジン供給を開始。翌2019年にはレッドブルにも供給を拡大し、2021年にはフェルスタッペンが初のワールドチャンピオンを獲得した。

渡辺社長は、フェルスタッペンとホンダの思い出の中で最も印象に残っている瞬間について、こう振り返った。

「やはり2019年のオーストリアGPでの初勝利です。表彰台で彼が胸のホンダロゴを指さしてくれたこと、それが我々スタッフ全員にとって大きな誇りと喜びを与えてくれました。復帰後の3年間、苦しみ続けてきた我々にとって、忘れられない瞬間です。」

現在、フェルスタッペンはホンダの技術と共に4度のタイトルを手にしている。ホンダとフェルスタッペン、そして未来への再タッグが実現する日は来るのだろうか。

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カテゴリー: F1 / マックス・フェルスタッペン / ホンダF1 / アストンマーティンF1チーム