WEC トヨタ
TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、4月25日(木)から28日(日)にかけて開催されるFIA世界ラリー選手権(WRC)第5戦ラリー・アルゼンティーナと、5月9日(木)から12日(日)にかけて開催される第6戦ラリー・チリの南米2連戦に、オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC #8号車)、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(#10号車)、クリス・ミーク/セブ・マーシャル組(#5号車)の、3台のヤリスWRCで参戦する。

ラリー・アルゼンティーナは、南米初のWRCイベントとして1980年に始まった、とても人気のあるグラベル(未舗装路)ラリー。サービスパークは、大都市コルドバ近郊のビジャ・カルロス・パスに置かれ、その周辺に広がる様々なコンディションのグラベルステージで競技が行われる。谷間に延びる軟らかな路面の高速ステージや、石や岩が多く転がる山岳地帯の荒れた中低速ステージなど、バリエーション豊かなグラベルステージがラリー・アルゼンティーナの特徴。また、ジャンプや川渡り(ウォータースプラッシュ)も多く設定され、高地ではステージが深い霧に包まれる事も珍しくない。

今年のラリー・アルゼンティーナは、昨年とほぼ同じエリアで競技が行われる。ラリーは25日(木)の夜、ビジャ・カルロス・パス市街地のスーパーSSでスタート。26日(金)からグラベルステージでの戦いが始まり、サービスパークの南側、サンタ・ロサ・デ・カラムチタ渓谷を中心に7本のSSが行なわれる。27日(土)はサービスパークの西北エリアを中心に7本のSSを走行。最終日の28日(日)はサービスパーク西南のトラスラシエラ山脈で3本のSSが行なわれる。そのうち、SS16の再走ステージとなるSS18「コピナ-エル・コンドル」は、トップ5タイムを記録した選手に対し、ボーナスの選手権ポイントが加算される「パワーステージ」に指定されている。SSの数は全部で18本、計347.50km。リエゾン(移動区間)を含む総走行距離は1,297.56kmとなる。

ラリー・アルゼンティーナの終了後、1週間のインターバルを置いてラリー・チリのラリーウィークが始まる。ラリー・チリは今シーズン初めてWRCの1戦に加わったグラベルラリー。大会本部やサービスパークは、チリ中南部ビオビオ州の大都市コンセプシオンの飛行場近くに置かれる。ラリー・チリは森林地帯の中速ステージが中心だが、太平洋を見渡せる開けた道もコースに含まれる。路面は全体的に平坦かつスムーズで、ラリー・アルゼンティーナとは特徴が大きく異なる。

競技初日となる5月10日(金)は、サービスパークの南側で3本のステージを各2回走行。SS2およびその再走ステージのSS4「エル・プマ」は、大会最長となる全長30.72kmのロングステージ。そして、1日の最後にはコンセプシオンで短距離の市街地SSが行なわれる。競技2日目の11日(土)は、サービスパークの南側で3本のステージを各2回走行。最終日の12日(日)は、サービスパークの東側と南側で4本のステージを走行する。そのうち、ビオビオ河畔から太平洋沿岸に向けて走るSS13の再走ステージ、SS16「ビオビオ 2」はパワーステージに指定されている。SSの数は全部で16本、計304.81km。リエゾン(移動区間)を含む総走行距離は1,245.68kmとなる。

なお、アルゼンチンとチリは「リンクドラリー」と定義され、ワークスチームの選手は、アルゼンチンの最終SSを走り終えたクルマでチリを戦う必要がある。シャシー、エンジン、トランスミッション(スペアも含む)はアルゼンチンと同じものを、ショックアブソーバー等のパーツは、スペアを含めてアルゼンチン用に用意したものを一部再使用する。そのためチームは、アルゼンチンとチリの2戦分を考えてパーツの準備とセットアップを行わなくてはならない。また、規則によりヨーロッパの国以外での走行テストは禁じられているため、各チームは予測に基づきクルマのセッティングを決めなくてはならず、9日(木)のシェイクダウンがチリでの最初の走行となる。選手もまた、新たにゼロの状態からペースノートを作成することになるため、他のイベント以上にイコールな条件での戦いとなる。

トミ・マキネン(チーム代表)
前戦のツール・ド・コルスでは、期待していたような結果を残せませんでした。しかし、次の南米2連戦に向けては十分な自信があります。アルゼンチンは、我々のドライバーを含む皆が良く知っているラリーです。オィットはアルゼンチンでとても強く、昨年は我々に優勝をもたらしてくれました。きっと、今年も十分にチャンスがあると思っているはずです。また、ヤリ-マティとクリスもアルゼンチンを得意としています。続くチリは、すべてのチームにとって未知なるラリーですが、路面は非常にスムーズなようなので、我々のクルマに合っていると思います。今後のグラベルラリーに向けて我々はポルトガルでテストを行ない、グリップとトラクション(駆動力)をさらに高めるため、サスペンションの改善に努めました。2戦連続でラリーを戦う事は、チームにとって新たなチャレンジです。2戦の間に現地でクルマを組み直すのは初めてですが、メカニックの作業があまり多くならない事を願っています。

オット・タナック(ヤリスWRC #8号車)
ラリー・アルゼンティーナは自分にとって良いフィーリングのイベントです。昨年、チーム加入後最初の勝利を収めたのはこのラリーですし、今年も同じ結果を狙っています。きっと、うまく行くだろうと期待しています。アルゼンチンのハイスピードなステージと路面コンディションは、我々のクルマに本当に合っていると思います。しかし、一部の路面は非常に荒れており、とても過酷なラリーなので、細心の注意を払って走らなければなりません。次のチリに関しては、今まで行った事すらありませんし、どうなるのか予想できません。事前に分かる事は限られていますし、現地に入ってレッキで走った時に初めて、どのようなステージなのか、その全体像が見えるでしょう。

ヤリ-マティ・ラトバラ(ヤリスWRC #10号車)
ラリー・アルゼンティーナはWRCの中でも素晴らしいイベントのひとつです。多くの情熱に包まれ、大勢の観客が集まり、その一部は山の中でキャンプをしながらラリーカーが走って来るのを待っています。また、とても素晴らしい、美しいステージも多くあります。アルゼンチンで1番難しいのは、1本のステージを2回目に走る際、道がかなり荒れてしまう事です。一方、チリに関しては私が見たところ、それほど荒れた路面にはならなさそうです。道に石はなく、路肩もとてもクリーンだと思います。いくつかの場所は、ドライなコンディションの時のイギリスの森林ステージに似ているような気がします。今、私のモチベーションは非常に高く、これから2つのラリーを戦う事が楽しみで仕方ありません。

クリス・ミーク(ヤリスWRC #5号車)
アルゼンチンは自分にとって常に楽めるラリーですし、良い思い出もあります。特に2015年は初めてWRCで優勝した特別な大会でした。今季、メキシコとツール・ド・コルスではより良い結果が得られたはずなので、アルゼンチンではクリーンな走りで最高の結果を目指します。先週ポルトガルのグラベルコースで3日間テストを行ない、ラリー・アルゼンティーナに向けて良い準備ができました。これから5戦連続でグラベルイベントが続きますが、誰もが初挑戦となるラリー・チリ以外は、どれも良く知っているラリーです。チリは、現地に行ってレッキをするまでは、どのようなラリーなのか正確には知る事ができません。しかし、南米のイベントではいつも熱い応援を受けていますし、雰囲気も素晴らしいので、必ず良いラリーになるでしょう。

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カテゴリー: トヨタ | WRC (世界ラリー選手権)