WRC | トヨタ 第11戦 ラリー・グレートブリテン プレビュー
TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、10月4日(木)から7日(日)にかけてイギリス南西部のウェールズで開催されるFIA世界ラリー選手権(WRC)第11戦ラリー・グレートブリテン(GB)に、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC 7号車)、オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(8号車)、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(9号車)の、3台のヤリスWRCで参戦する。
第8戦ラリー・フィンランド、第9戦ラリー・ドイチェランド、第10戦ラリー・トルコと3戦連続優勝を飾り、タナックはドライバー選手権2位に順位を上げた。また、ラトバラやラッピもこれらのラリーで表彰台フィニッシュを果たした結果、チームはマニュファクチャラー選手権首位に浮上した。今シーズン残る大会は3戦であり、タイトル獲得を目指すタナックとチームにとって、ラリー・GBはとても重要な1戦となる。
ラリー・GBは、かつてRACラリーという名でも開催されていた、非常に長い歴史を持つラリー。近年はイギリス南西部のウェールズを中心に開催され、サービスパークはウェールズ北東部のディーサイドに置かれる。SS(スペシャルステージ)は大部分がグラベル(未舗装路)となり、森林地帯や丘陵地帯の道は、ドライコンディションであればかなりのハイスピードステージとなる。しかし秋季のウェールズは雨が降ることが多く、そうなると路面は水分を含んで泥状となり、非常に滑りやすくなる。また、乾いた路面と泥状の路面が入り混じるステージではタイヤのグリップレベルが大きく変化し、格段に難易度が上がる。今年のラリー・GBは昨年よりも開催時期が3週間早いため、暑くそして雨が少なかった今夏の天候が続く可能性もある。しかし、チームが先週ウェールズで事前テストを行なった際は、激しい降雨に見舞われた。
ラリーは4日(木)夜、海に近いティル・プリンス競馬場でのSS1で競技がスタートする。5日(金)よりデイ2として本格的なSSが始まり、サービスパークを中心にウェールズ北部で4本のステージを各2回走行。そのうち、日中のSS4/5「スレートマウンテン」は、全長1.63kmのショートステージ。6日(土)のデイ3は、ウェールズ中部で「メイヘリン」「ダイフィ」「ディフナント」「スウィートラム ハフレン」といった、ラリー・GB伝統の人気ステージを走行する。 SSは9本、計150.24kmと走行距離は4日間でもっとも長く、なおかつ日中のサービスの設定がなく、タイヤ交換および補助灯の装着作業しか行なえないため、ドライビングとセッティングの両面においてミスの許されない1日となる。競技最終日となる7日(日)のデイ4はふたたびウェールズ北部に舞台を移し、5本のSSを行なう。そのうちSS21/23「グレート・オーム スランディドノ」は、景勝地として人気の海岸線グレート・オームと、スランディドノ市街地を走行するターマック(舗装路)ステージ。また、デイ4の2本目のSS「グワイダー1」は、SSタイム上位5人にボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。通常パワーステージはラリー最後のSSに設定されるが、今年のラリー・GBではパワーステージ後に3本のSSを走行するため、通常よりも慎重なアプローチが求められる。ラリーは4日間で23本のSSを走行し、その合計距離は318.34km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1401.35kmとなる。
トミ・マキネン(チーム代表)
ラリー・GBをとても楽しみにしています。ウェールズで実施した事前テストでは、十分にウェットコンディションを経験できました。我々がこのプロジェクトを始めて以来、そのような悪天候下で初めてテストを実施することができたので、いかなる天候やコンディションに対しても自信を持って臨むことができます。このラリーは、特に森の中に多くのトリッキーな難しい部分があります。そして、天候の変化により路面コンディションはウェット、ドライと変わり、タイヤのグリップレベルが劇的に変化します。チーム全員がマニュファクチャラーズタイトル獲得に向けて全力で努力しており、ここ数戦での連勝によりオットはドライバーズタイトル獲得のチャンスが以前よりも大きくなりました。きっと、ラリー・GBは素晴らしい戦いになるでしょう。
ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 7号車)
私にとってラリー・GBは、お気に入りのイベントのひとつです。2002年に初めて出たWRCが、ラリー・GBだったこともその理由のひとつで、今回で17回目の出場となります。先週の事前テストはとても良い内容でした。このラリーは降雨により路面が泥状になることが多いにもかかわらず、過去2年、テストではドライコンディションだったため、誤ったセットアップをしてしまいましたが、今回は雨の中、泥状の路面でテストをできたので嬉しく思います。クルマはそのような路面でよく走り、昨年苦労したトラクション(駆動力)不足を、かなり改善できました。ドライビングもクルマも全体的に良いフィーリングだったので、ラリー本番がとても楽しみです。
オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)
基本的に、ラリー・GBは好きなイベントです。ドライコンディションで速度域の高い道を走ることができればそれが理想ですが、ウェールズではどのような天気になるのかまったく予想できません。先週の事前テスト期間中は、雨により路面が大量の泥に覆われたので、ラリーに向けて完璧なテストができました。非常に多くのことを試し、将来に向けての開発も行ない、クルマのパフォーマンスを高めることができました。とても良いテストになりましたので、実戦でライバルとどれくらい戦えるのか楽しみです。タイトル争いにおいては多くの可能性が残されていると思いますので、自信を持ってラリー・GBに臨みます。
エサペッカ・ラッピ (ヤリスWRC 9号車)
昨年のこのラリーでの結果は芳しくなく、クルマも期待していたようには走りませんでした。しかし、今回の事前テストではいくつか発見があったので、今年は競争力がより高まることを期待しています。チームメイトの二人とは違い、私が事前テストを行なった時の路面はドライでしたので、ラリー本番もドライコンディションを望んでいます。いつもよい少し早い時期の開催なのでその可能性はあると思いますが、このラリーで天気の予想はできないので、様子を見るつもりです。ラリー・GB自体はとても好きなラリーなので本当に楽しみですし、自分自身と、そしてチームの選手権にとってプラスとなるような良い結果を残したいと思っています。
カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)
第8戦ラリー・フィンランド、第9戦ラリー・ドイチェランド、第10戦ラリー・トルコと3戦連続優勝を飾り、タナックはドライバー選手権2位に順位を上げた。また、ラトバラやラッピもこれらのラリーで表彰台フィニッシュを果たした結果、チームはマニュファクチャラー選手権首位に浮上した。今シーズン残る大会は3戦であり、タイトル獲得を目指すタナックとチームにとって、ラリー・GBはとても重要な1戦となる。
ラリー・GBは、かつてRACラリーという名でも開催されていた、非常に長い歴史を持つラリー。近年はイギリス南西部のウェールズを中心に開催され、サービスパークはウェールズ北東部のディーサイドに置かれる。SS(スペシャルステージ)は大部分がグラベル(未舗装路)となり、森林地帯や丘陵地帯の道は、ドライコンディションであればかなりのハイスピードステージとなる。しかし秋季のウェールズは雨が降ることが多く、そうなると路面は水分を含んで泥状となり、非常に滑りやすくなる。また、乾いた路面と泥状の路面が入り混じるステージではタイヤのグリップレベルが大きく変化し、格段に難易度が上がる。今年のラリー・GBは昨年よりも開催時期が3週間早いため、暑くそして雨が少なかった今夏の天候が続く可能性もある。しかし、チームが先週ウェールズで事前テストを行なった際は、激しい降雨に見舞われた。
ラリーは4日(木)夜、海に近いティル・プリンス競馬場でのSS1で競技がスタートする。5日(金)よりデイ2として本格的なSSが始まり、サービスパークを中心にウェールズ北部で4本のステージを各2回走行。そのうち、日中のSS4/5「スレートマウンテン」は、全長1.63kmのショートステージ。6日(土)のデイ3は、ウェールズ中部で「メイヘリン」「ダイフィ」「ディフナント」「スウィートラム ハフレン」といった、ラリー・GB伝統の人気ステージを走行する。 SSは9本、計150.24kmと走行距離は4日間でもっとも長く、なおかつ日中のサービスの設定がなく、タイヤ交換および補助灯の装着作業しか行なえないため、ドライビングとセッティングの両面においてミスの許されない1日となる。競技最終日となる7日(日)のデイ4はふたたびウェールズ北部に舞台を移し、5本のSSを行なう。そのうちSS21/23「グレート・オーム スランディドノ」は、景勝地として人気の海岸線グレート・オームと、スランディドノ市街地を走行するターマック(舗装路)ステージ。また、デイ4の2本目のSS「グワイダー1」は、SSタイム上位5人にボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。通常パワーステージはラリー最後のSSに設定されるが、今年のラリー・GBではパワーステージ後に3本のSSを走行するため、通常よりも慎重なアプローチが求められる。ラリーは4日間で23本のSSを走行し、その合計距離は318.34km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1401.35kmとなる。
トミ・マキネン(チーム代表)
ラリー・GBをとても楽しみにしています。ウェールズで実施した事前テストでは、十分にウェットコンディションを経験できました。我々がこのプロジェクトを始めて以来、そのような悪天候下で初めてテストを実施することができたので、いかなる天候やコンディションに対しても自信を持って臨むことができます。このラリーは、特に森の中に多くのトリッキーな難しい部分があります。そして、天候の変化により路面コンディションはウェット、ドライと変わり、タイヤのグリップレベルが劇的に変化します。チーム全員がマニュファクチャラーズタイトル獲得に向けて全力で努力しており、ここ数戦での連勝によりオットはドライバーズタイトル獲得のチャンスが以前よりも大きくなりました。きっと、ラリー・GBは素晴らしい戦いになるでしょう。
ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 7号車)
私にとってラリー・GBは、お気に入りのイベントのひとつです。2002年に初めて出たWRCが、ラリー・GBだったこともその理由のひとつで、今回で17回目の出場となります。先週の事前テストはとても良い内容でした。このラリーは降雨により路面が泥状になることが多いにもかかわらず、過去2年、テストではドライコンディションだったため、誤ったセットアップをしてしまいましたが、今回は雨の中、泥状の路面でテストをできたので嬉しく思います。クルマはそのような路面でよく走り、昨年苦労したトラクション(駆動力)不足を、かなり改善できました。ドライビングもクルマも全体的に良いフィーリングだったので、ラリー本番がとても楽しみです。
オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)
基本的に、ラリー・GBは好きなイベントです。ドライコンディションで速度域の高い道を走ることができればそれが理想ですが、ウェールズではどのような天気になるのかまったく予想できません。先週の事前テスト期間中は、雨により路面が大量の泥に覆われたので、ラリーに向けて完璧なテストができました。非常に多くのことを試し、将来に向けての開発も行ない、クルマのパフォーマンスを高めることができました。とても良いテストになりましたので、実戦でライバルとどれくらい戦えるのか楽しみです。タイトル争いにおいては多くの可能性が残されていると思いますので、自信を持ってラリー・GBに臨みます。
エサペッカ・ラッピ (ヤリスWRC 9号車)
昨年のこのラリーでの結果は芳しくなく、クルマも期待していたようには走りませんでした。しかし、今回の事前テストではいくつか発見があったので、今年は競争力がより高まることを期待しています。チームメイトの二人とは違い、私が事前テストを行なった時の路面はドライでしたので、ラリー本番もドライコンディションを望んでいます。いつもよい少し早い時期の開催なのでその可能性はあると思いますが、このラリーで天気の予想はできないので、様子を見るつもりです。ラリー・GB自体はとても好きなラリーなので本当に楽しみですし、自分自身と、そしてチームの選手権にとってプラスとなるような良い結果を残したいと思っています。
カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)