WEC:トヨタ 2025年 第3戦 スパ・フランコルシャン6時間 公式練習

厳しい状況の中でも、チーム全体の努力によってシーズン最初の2戦で2台のGR010 HYBRIDがともにポイントを獲得し、TGRは高速レイアウトのスパ・フランコルシャンに挑む。ここは、クルマとドライバーの実力が試される場であり、同チームはこれまでに8回の勝利を収めてきた実績がある。
チームは、この伝統あるベルギーのサーキットで初日に行われた2度の練習走行をこなし、10日(土)の決勝レースに向けた車両のセットアップを開始した。小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ニック・デ・フリースのGR010 HYBRID 7号車は7番手、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車は12番手でこの日の走行を終えた。
穏やかな好天に恵まれたこの日、TGRは公式練習1回目でミディアムコンパウンドのタイヤを装着し、決勝に向けた準備を開始。ドライバーたちは今シーズンのWECで2番目に長い1周7.004kmのコースの感触を思い出しつつ、さまざまなメカニカル面の車両セットアップについてフィードバックを行った。
公式練習2回目ではロングランによるタイヤ評価が予定されていたが、3度の赤旗によっておよそ1時間中断された。それでも、セッションは予定の1時間半から30分間延長され、2台のGR010 HYBRIDはトラブルなく走行を完了。車両のフロントとリアのセッティング調整やピットストップの練習も行い、このセッションを締めくくった。
エンジニアとドライバーは、初日に実施された2度のセッションで収集したデータの詳細な分析を進め、9日(金)の予選を前に集中的な打ち合わせを実施することで、GR010 HYBRIDのセットアップ最適化に向けた指針を定めていく。金曜日午前に行われる公式練習3回目は、現地時間午後3時25分(日本時間午後10時25分)から開始され、予選前にセットアップを比較・確認する最後の機会となる。

小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
「スパに戻ってこられて嬉しいです。スパはドイツ・ケルンのチーム本拠地から1時間ほどの距離にあり、チームにとって二つ目のホームコースでもあります。今日は様々な混乱もあり、完璧な公式練習セッションをこなせたチームはなかったと思いますが、仕方ありません。我々のクルマには問題がなく、赤旗による中断を考慮すれば、全体的にスムーズに進んでいると言えるでしょう」
マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)
「テストしたいことをしっかりこなせたという意味では、順調な一日だったと思います。パフォーマンス的にはやや厳しい状況に見えるため、この週末がどうなるかは予想できませんが、今のところはうまくやれていると思います。このレースでは、何よりもタイヤのマネジメントが重要なので、それを適切にコントロールする必要があります」
ニック・デ・フリース(7号車 ドライバー)
「この素晴らしいコースであるスパで再びドライブできて嬉しいです。公式練習2回目は何度も中断やアクシデントがあったために、全体の状況を把握するのは難しかったですが、我々はパフォーマンスの限界を探りながら改善点を見つけています。現時点ではトップ10圏内に入っており、大きな問題はなさそうですが、これからどうなるか見てみましょう」
セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
「全体的に見れば、いろいろなことがあった一日でしたが、我々のクルマには問題はありませんでした。多くの赤旗やフルコースイエローが出たため、状況を明確に把握するのは難しかったです。しかし、数週間前にテストでここに来た際に多くを学び、今日はさらにそれを発展させることができました。これからすべてを見直し、分析して明日へ向けてセットアップを最適化します。クルマのポテンシャルを最大限に引き出すために、いくつかの変更を行う予定です」
ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
「ピットガレージの中でも外でも、トラブルなくクリーンな一日でした。セッションでの中断はすべてのチームにとって同じですが、走行の機会が少なかったということでもあります。我々は数週間前にここでテストを行っているので、できる限りの準備は整っていると感じていますし、今日の2度のセッションを通じてクルマのバランスにも改善が見られました。与えられた時間を最大限に活用できたと思います」
平川亮(8号車 ドライバー)
「予定していた走行プログラムが多くのアクシデントで妨げられてしまいました。昨年の大会後に再舗装されたセクションでのタイヤの挙動を学ぶため、ロングランに取り組みました。いくつかのコーナーではグリップが向上している一方で、下がっているコーナーもありました。最終的には良い作業ができ、中断もあった中でこれらプログラムを最大限にこなせたと思います。私自身はここでのテストには参加していなかったので、もう少し多く周回を重ねたかったですが、状況を考えれば仕方ありません。決勝へ向けて全力で準備を進めます」
カテゴリー: F1 / トヨタ / WEC (FIA世界耐久選手権)