ウィリアムズF1、アルボンとサインツの連携は「最初の瞬間から機能していた」

ボウルズによれば、アルボンとサインツの連携はウィリアムズの躍進において極めて重要だったという。ウィリアムズは2024年にコンストラクターズランキング9位、わずか17ポイントに終わっていたが、2025年は137ポイントを獲得し5位に浮上した。6位のレーシングブルズに対しては45ポイントの差をつけてシーズンを終えている。
サインツは2025年初頭、ルイス・ハミルトン加入の影響でフェラーリを離れ、グローブのチームに加わった。ウィリアムズでの初年度、サインツはアゼルバイジャンGPとカタールGPで2度の表彰台を獲得しており、これらはボウルズ体制下でのウィリアムズにとって初の表彰台でもあった。一方、アルボンは1年のブランクを経て2022年にF1グリッドへ復帰し、ウィリアムズの中心的存在として戦ってきた。
「バーレーンで最初に一緒に行ったテストから、メルボルンに至るまで、カルロスがクルマに乗っていないときでも、チームを助けられる存在だということが分かった」とボウルズは『The Vowles Verdict』でシーズンを振り返った。
「彼らはデブリーフィングやデータ、マシンのセットアップに関して、最初から非常にうまく協力していた。その関係性は、通常であればシーズン終盤に到達するレベルと同じくらい強いものが、最初の瞬間から出来上がっていた」

「真のトップアスリート」
シーズンを通じて、アルボンとサインツの関係に緊張が生じることはなかった。
「状況によっては、ドライバーやチームにかかるプレッシャー次第で関係が変わることもある。しかし今回はまったく変わらなかった。それ自体が、彼らが真のトップアスリートである証拠だ」とボウルズは語る。
「ただ、それ以上に大切なのは、我々がトップに戻るための道のりだ。誰がどのレースでどこにいるかという細かい部分に振り回されることはない。重要なのは、チームがどう前進するかだ」
具体例として、ボウルズは開幕戦オーストラリアGP(メルボルン)を挙げた。
「メルボルンでは、特にターン3において、アレックスがフェラーリとは少し異なるマシンの扱い方をしていた」とボウルズは説明する。
アルボンはその情報を、フェラーリから移籍してきたばかりのサインツと共有した。
「最初のフリー走行後、カルロスが『そのラインをうまく取れない』と言ったとき、アレックスはとてもオープンに自分のやり方を説明していた。あれは最初のレースであり、関係の始まりだったが、その姿勢はシーズンを通して続いた。アレックスがカルロスを助けられる場面もあれば、その逆もあった」
両者の差が非常に小さかったことも、チーム運営に好影響を与えた。
「シーズン中盤から、2台のマシンでかなり異なるセットアップを試すようになった。両ドライバーがミリ秒単位で拮抗していたからだ」とボウルズは明かす。
「それによって2つの異なる方向性を探ることができ、その後、走行後の率直なフィードバックを通じて、最終的にはひとつの共通したセットアップに収束させることができた。こうして関係は成長してきたし、来年以降もさらに成長し続けていくはずだ」
カテゴリー: F1 / ウィリアムズ・レーシング / カルロス・サインツJr. / アレクサンダー・アルボン
