トヨタ:2025年WEC 第1戦 カタール1812km 決勝 レポート
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トヨタは、マニュファクチャラーズタイトル防衛とドライバーズタイトルの奪還、そして、ル・マン24時間での勝利を目指し、チームの経験と知識を全て投入し、ドライバー、エンジニアとメカニック全員の素晴らしいチームワークの下、全8戦で争われる2025年シーズン開幕戦のカタールで2台揃って貴重なポイント獲得を果たした。
セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車は、苦戦した予選により最後列の17番手スタートながら、見事な追い上げを見せて5位フィニッシュ。小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ニック・デ・フリースのGR010 HYBRID 7号車が6位で続いた。
現地時間午後2時に10時間で争われる長いレースのスタートが切られ、コンウェイの7号車が7番手、ブエミの8号車が17番手からスタート。着実な追い上げで3時間を迎える頃には2台はトップ6まで浮上し、8号車はハートレーへ、7号車はコンウェイがスティント終盤に高速でのスピンを喫しながらもすぐにコースへ復帰し、小林へと交代した。
その後レースは立て続けに2回のセーフティカー導入となり、順位が変動したが、2台のGR010 HYBRIDはトラブルなく走行を続けた。レースが再開されると、7号車の小林はポルシェ5号車をかわし、6位を走るハートレーの8号車に続く7位へ順位を上げた。
プッシュしながらも安定したドライバーの走りと、考えられた戦略が功を奏し、日が沈む頃にはハートレーの8号車は3位までポジションアップ。ライバル勢がトラブルに見舞われる中、7号車の小林も4位で続いた。レース経過5時間を迎える頃には、7号車の小林がドライバー交代直前に8号車をパスして3位と順位を入れ替えた。
7号車はデ・フリース、8号車は平川へとステアリングを引き継ぎ、レースは後半戦に突入。力強い走りで3位と4位を走行していたが、5時間過ぎのセーフティカー導入により上位勢の差は詰まり、トラブルから復帰してきたライバル勢の追い上げを受け、7号車は4位で、8号車は6位でコンウェイとハートレーが再び走行に向かった。
トヨタの2台を含むトップ6は、各チームが異なるタイヤ戦略を採ったこともあり、ピットのたびに順位を入れ替える、気の抜けないバトルを繰り広げた。レースが残り2時間を切ったところで、7号車は小林、8号車はブエミへと交代。2台共に最後まで激しいトップ6での争いを続けた。
最後のピットストップで8号車が7号車をかわし、5位へと浮上。その後の50分間を無事に走り抜き、8号車が5位、7号車が6位でチェッカーを受け、2台で合計33ポイントを獲得した。この結果、フェラーリが1-2-3フィニッシュとなった中、トヨタは開幕戦を終えた時点で、マニュファクチャラーズランキングで3位につけ、次戦、4月20日(日)に決勝が行われる第2戦イモラ6時間では今大会よりも上位を目指す。
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小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
1-2-3フィニッシュを達成したフェラーリを祝福します。我々は全力を尽くしましたが、これが最良の結果でした。チームは素晴らしい仕事をしてくれました。もちろん、我々のクルマがパフォーマンス面でやや及ばなかったというのはありますが、それでも決勝ではペナルティを受けることも、また、大きなミスもなく最後まで走り抜きました。我々はベストを尽くし、今できる最大限の成果を引き出すことができました。残念ながら、優勝争いはできなかったので、今日のこの経験から学び、次戦ではもっと良いレースが戦えるよう努力していく必要があります。
マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)
正直なところ、この大会で5位と6位でフィニッシュできたというのは予想以上かも知れません。もちろん、レースではいつもさらに上位を目指してはいますが、トップを争える状況ではなかったことを考えれば、シーズン開幕戦でまずまずのポイントを獲得できたと思います。私自身としては、あまりうまく行かなかった一日で、少し残念ですし、次戦イモラへ向けて改善すべき点もいくつかありました。
ニック・デ・フリース(7号車 ドライバー)
全てを考慮し、総合的に見ればチームに取って悪くない結果だったと思います。今週は苦戦が続いていたので、決勝前から難しい闘いになることはわかっていましたが、レースを通して我々のクルマは少しずつ良くなっていました。我々はトラブルを回避し、良いポジションで戦うことができました。もっと上位でフィニッシュしたかったですが、レース前の想定を思えば、今日はまずまずの結果です。
セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
実際のところ、今日の結果はチームの素晴らしい努力の賜物です。ミスなく、ペナルティを受けることもなく、とても良い戦略で戦えました。5位と6位以上の結果は望めなかったと思いますし、チーム全員が本当に頑張ってくれた結果で、とても満足しています。我々は全てのレースで上位を争うことが目標です。今回はそれを果たすことができませんでしたが、今のクルマから最大限の結果を引き出せましたし、次戦はもっと強くなれるよう頑張ります。
ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
本当に上手くレースを戦うことができ、とても楽しめました。私の2度目のスティントでは、毎周予選ラップのように走ることができました。2台揃ってトップ6フィニッシュを果たせたというのは、公式練習初日でのペースから考えると、大きな達成感があります。たとえ表彰台に上ることができなくとも、チームの尽力を誇りに思います。もちろん、ライバル勢と争うペースがなかったのは残念ですが、イモラでは上位争いができることを期待しています。
平川亮(8号車 ドライバー)
我々にとっては難しいレースウィークでしたが、今日の結果には満足しています。とても厳しいレースになることが分かっていた中で、最善は尽くせたと思います。チームを本当に誇りに思います。我々はミスなく、ペナルティも受けず、ピットストップもうまく行き完璧にレースを戦いました。全てがスムーズで、そういう意味ではこれ以上ないレースだったと思います。次のレースへ向けて、さらに上を目指して努力を続けます。
カテゴリー: F1 / トヨタ / WEC (FIA世界耐久選手権)