トヨタ:2025年WEC 第1戦 カタール1812km 公式練習 レポート
TOYOTA GAZOO Racing(トヨタ)は、2025年シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦となるカタール1812kmが行われる、中東カタールのルサイル・インターナショナル・サーキットでレースウィーク最初の練習走行を開始した。

トヨタは今季、アルピーヌ、アストンマーティン、BMW、キャデラック、フェラーリ、プジョー、そしてポルシェという強豪ハイパーカー勢と共に、全8マニュファクチャラーの一社として、歴史深いル・マン24時間を含む全8戦に挑む。

今季のトヨタの目標は、マニュファクチャラーズチャンピオンタイトル防衛とドライバーズチャンピオンの奪還、そしてル・マン24時間レースで表彰台の中央に立つことで、そのシーズン開幕戦がカタールから始まる。

カタールでのレースウィークが幕を開けた26日(水)は、2度の公式練習走行が行われ、初日から18台のハイパーカーによる激戦シーズンを予想させる僅差のタイム争いが繰り広げられた。合計3時間の練習走行を終えた時点で、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車が6番手、小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ニック・デ・フリースのGR010 HYBRID 7号車が13番手のタイムにつけた。

先週2日間にわたって行われたプロローグテストの後、チームのエンジニアとドライバーは、GR010 HYBRIDとタイヤのデータを分析し、決勝レースへ向けたパフォーマンスの最適化を図るなどの作業を行い、このレースウィーク初日に備えてきた。また、6名のドライバーは地元のトヨタ従業員とGRヤリスカップ・カタールとしてレース用車両で走行し、周回タイムを争う形式でモータースポーツの興奮を分かち合った。ルサイル・インターナショナル・サーキットを訪れた観客は、ファンゾーンに設置されたトヨタブースの展示を通じて、このGRヤリスカップ・カタールを体験することができる

公式練習1回目は、強風に見舞われた26日(水)の午前11時半に開始されたが、プロローグテストの時と変化した風向きによりコース上にかかった砂の状況を把握するため、2台のGR010 HYBRIDは10分ほど待機。その後は、28日(金)の決勝レースへ向けた走行準備を開始し、タイヤとクルマのセットアップ作業に取り組んだ。

このセッションではデ・フリースとハートレーがそれぞれベストタイムをマーク。10分間の赤旗中断があったこのセッションでは、トップ11台が1秒以内に入るという接戦となる中、7号車は13番手、8号車は4番手となった。

公式練習2回目はまだ明るい中で開始され、日没後まで続けられた。夜間照明に照らされたルサイル・インターナショナル・サーキットで、チームはタイヤと決勝レースへ向けた準備を続けた。8号車はハートレーが燃料を少なめに積んだアタックでベストタイムをマークし6番手。7号車はデ・フリースがセッション後半で予選シミュレーションとなる走行を行い、7号車のベストラップをマーク。このタイムが13番手となった。

チームは現地27日(木)の正午、その後の予選とハイパーポールへ向けた新たなセットアップを試す最後の機会となる公式練習3回目でも更なる改善に取り組んでいく。決勝のスターティンググリッドを決定する予選とハイパーポールは、現地時間午後5時40分(日本時間午後11時40分)より開始。決勝レースは、28日(金)現地時間午後2時(日本時間午後8時)にスタートが切られる。

トヨタ WEC(FIA 世界耐久選手権)

小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
今日は風向きとコースコンディションに変化があったので、その状況に合わせたクルマの最適化に取り組みました。クルマの感触を向上させるためにハードワークを続け、より安定性を増すことができました。ライバルと比べるとスピードという点ではやや苦戦しているので、その差を縮める必要があります。予選までになんとかしたいところです。

マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)
今日はプロローグの時とは少し異なるコンディションとなったため、可能な限りその変化に適応したクルマになるよう一日努力しました。風向きが変わるとコース上の砂も動き、大きく変化します。そのため、状況に合わせてクルマのバランスを再調整しました。クルマの感触は良くなりましたが、まだ微調整を施す必要がありますし、最善を尽くしていきます。

ニック・デ・フリース(7号車 ドライバー)
トラブル無く順調な一日で、多くの周回をこなしましたが、コースコンディションがプロローグの時とは大きく変わっており、誰にとってもリセットされたような状況でした。このコンディションに適応すべく努力を続け、決勝へ向けてクルマを最適化しようとしています。難しいですが、力を合わせて最大限の努力を続けていきます。

セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
レースウィーク初日でしたが、トラブル無く順調に終えられました。プロローグの後、風が完全に変わってしまったので、それに合わせる必要がありました。とは言え、全体的な状況はプロローグ時とそれほど大きくは変わっておらず、我々はまだ少し遅れをとっています。多少改善は進んだと感じていますが、予選までにもっと強くなれるよう努力を続けます。

ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
多くの周回をこなしたプロローグの後、幾つか細かい変更を加えました。それらは全て上手く働き、幾つか改良点も見つかりましたが、上位勢とのギャップは変わらないので、ライバルも進化しているようです。それでも、我々はトラブル無く順調な初日を終えることができました。これからは今あるものを最大限に活用し、完璧にレースウィークを戦えるよう頑張ります。

平川 亮(8号車 ドライバー)
プロローグの後、レースウィークへ向けて多くの準備をしてきましたが、コンディションがかなり変わってしまったので、セットアップに細かな変更を加える必要がありました。クルマはプロローグの時よりも良くなっており、それは良い兆候ですが、残念ながらまだラップタイムで上位には届いていません。決して諦めませんし、チームメンバーも全力を尽くしてくれています。決勝はチャレンジングなものになるでしょうが、頑張ります。

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カテゴリー: F1 / トヨタ / WEC (FIA世界耐久選手権)