FIA 世界耐久選手権 WEC
9月2日(土)の午後6時15分、LMP1・LMP2クラスの予選が大勢の観客の見守る中で予定を5分繰り上げて始まった。雨が来る予報があったからだが、実際にはセッションの終盤に僅かにコースの一部が濡れた程度で、各カテゴリーで烈しいグリッド争いが展開された。

TOYOTA GAZOO Racingは#7号車、#8号車の2台のTS050 HYBRIDを走らせ、#7号車が#8号車を抑えて3番手グリッドを獲得し、#8号車は4番手に甘んじた。

最初にアタックに出たのは#8号車の中嶋一貴。セクター1で最速タイムを記録したが、その後のセクターで僅かに遅れ、タイムを伸ばすことが出来なかった。その後も諦めず2度目のアタックを試みるも、すでにタイヤのパフォーマンスが低下しており、満足するタイムは得られなかった。

中嶋からタイムアタックを引き継いだセバスチャン・ブエミは、中嶋とは異なるコンパウンドのタイヤでタイムアップの可能性に賭けるも、その戦略も実を結ばなかった。1分25秒の壁を破れず、結局4番手のグリッドに甘んじることになった。

一方、#7号車は今シーズンすでにポールポジションを3度獲得しているマイク・コンウェイが自信を持ってタイムアタック、2番手のタイムを記録したところでホセ・マリア・ロペスにステアリングを託した。ロペスも最初のアタックでポルシェ#1号車に継ぐタイムを記録、2度目のアタックに賭けたが、LMP2のマシンに行く手を阻まれてタイムを伸ばすことが出来なかった。その結果、グリッド最前列は2台のポルシェに独占され、2台のTS050 HYBRIDはグリッド2列目から明日の決勝レースをスタートすることとなった。

決勝レースは9月3日(日)の現地時間正午にスタートを切る。不安定な天候が続くこの週末、レース当日には雨の予報を出ており、チームの柔軟な対応と万全な準備が結果を左右する。現在マニュファクチャラーズ選手権ではポルシェに40.5点差を付けられており、タイトル獲得にはこのメキシコ6時間レースで勝利を挙げて次に繋げることが重要だ。その目標に向かってTOYOTA GAZOO Racingは全力で戦う。

TS050 HYBRID #7号車:(小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス)
公式練習第2回目: 3番手 (1分26秒681), 41周
公式練習第3回目: 3番手 (1分26秒069), 30周
公式予選: 3番手 (平均1分24秒802)

TS050 HYBRID #8号車:(中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、アンソニー・デビッドソン)
公式練習第2回目: 4番手 (1分27秒320), 45周
公式練習第3回目: 1番手 (1分25秒789), 29周
公式予選: 4番手 (平均1分25秒378)

マイク・コンウェイ (TS050 HYBRID #7号車)
私自身の予選アタックラップにはとても満足しています。各セクターで僅かに遅れはしましたが、最前列グリッド獲得には充分な速さでした。チームは素晴らしい仕事をしてくれました。公式練習3回目の後に施したいくつかのセッティング変更が効を奏しました。TS050 HYBRIDの感触は良かったです。レースでは何が起こるか分からないですし、特に天候の変化に気を配ってレースを戦う必要があります。

ホセ・マリア・ロペス (TS050 HYBRID #7号車)
我々は公式練習中にやや苦しみ、ポルシェが速かったこともあって、予選のラップタイムは我々が予想していたものよりも若干速いものでした。チームの素晴らしい努力の甲斐あって、ポールポジションには届かなかったものの僅差にまで迫ることが出来ました。残念だったのは私の最後のアタックラップの時にLMP2カーがミラーを見ずにペースダウンしたためタイムをロスしました。更なるタイムアップが可能だったはずで、それが無ければ恐らく最前列グリッドを獲得出来ていたでしょう。

中嶋一貴 (TS050 HYBRID #8号車)
最初のアタックでミスをしてしまい、また、タイヤもベストな状態でのアタックが出来ませんでした。残念な予選になってしまいました。明日の決勝レースについては、天候がどうなるのかを見極める必要がありますが、全力を尽くして、タイトル争いのために1点でも多くのポイントを獲得すべく戦います。

セバスチャン・ブエミ (TS050 HYBRID #8号車)
他のLMP1カー3台は同じ仕様のタイヤを装着していましたが、我々はちょっと違うものを試しました。ただ、予選アタックの時のコンディションには合いませんでした。今日は望んだ結果にはなりませんでしたが、決勝レースは長いので、戦い続けます。予選はレースウィークのほんの一部に過ぎません。我々の目的は日曜日の決勝レースです。

WEC 第5戦 メキシコ6時間 予選結果

順位No.ドライバーチーム/車種タイム
12ティモ・ベルンハルト
アール・バンバー
ブレンドン・ハートレー
ポルシェLMPチーム//
ポルシェ919ハイブリッド
1:24.562
21ニール・ジャニ
アンドレ・ロッテラー
ニック・タンディ
ポルシェLMPチーム/
ポルシェ919ハイブリッド
1:24.710
37小林可夢偉
マイク・コンウェイ
ホセ・マリア・ロペス
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ TS050 HYBRID
1:24.802
48中嶋一貴
セバスチャン・ブエミ
アンソニー・デビッドソン
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ TS050 HYBRID
1:25.378


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カテゴリー: F1 / トヨタ / WEC (FIA世界耐久選手権)