トヨタ
トヨタは、4月20日(日)に行われたFIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦シルバーストン6時間レースで初めての1-2フィニッシュを果たすというシーズンの好スタートを切った。

チャンピオンシップをリードすることとなったトヨタは、その勢いを保ち、第2戦スパ・フランコルシャン6時間レースを戦うべくベルギー・アルデンヌの森へ向かう。

最高のデビューを飾ったTS040 HYBRIDは、ハイブリッドシステムと空力などの改良により、前年型を大きく上回る1000馬力を誇りながらも、燃費は25%の削減を果たしている。

スパ・フランコルシャン・サーキットは、チームの本拠地であるドイツ・ケルンのトヨタ・モータースポーツ有限会社(TMG)からわずか120km程の場所に位置しており、第5戦の富士6時間レースと共に、スパ6時間レースもトヨタ・レーシングにとってのホームレースと言える。

このため、スパでは多くのTMG従業員が、2台のTS040 HYBRIDに初めて声援を送ることになる。

前戦同様、TS040 HYBRID #7はアレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、中嶋一貴の3名が、また、開幕戦で勝利を飾った#8はアンソニー・デビッドソン、ニコラス・ラピエール、セバスチャン・ブエミの3名がステアリングを握る。

2日間のコンパクトな日程で開催される今大会、5月2日(金)は2時間の公式練習セッションが午前9時(日本時間午後4時)と午後2時15分(同午後9時15分)の2回に渡って実施された後、午後8時(同3日午前3時)よりLMPクラスの予選が行われる。6時間の決勝レースは3日(土)午後2時30分(同午後9時30分)にスタートが切られる。

木下美明 チーム代表:
富士スピードウエイと同じく、スパはTMGにとってホームレースであり、全従業員と応援してくださるファンの皆さんのためにも、良い結果を出そうと、とても気合いが入っている。シルバーストンの週末のような、非常に拮抗した、予断を許さぬエキサイティングな戦いになるだろう。チャンピオンシップにとっても、ファンにとっても見どころの多いものになるに違いない。シルバーストンでは勝つことが出来たが、スパは全く異なるタイプのサーキットであり、ここでも最高のパフォーマンスが引き出せるよう、持てる力の全てを尽くす。

アレックス・ブルツ (TS040 HYBRID #7):
シルバーストンは、チームにとっては、良い結果を出せたということよりも、TS040 HYBRIDについてもっと知り、どうすればベストに持って行けるかを学べた点で、非常に大切なワンステップだった。この新世代LMP1カーはとても複雑で、レースの週末にやるべきことが多い。スパでは、全てのコース上での活動が2日間に集約されるので、チームにとってはさらに厳しいものになる。我々は最前列で戦うべく、全てを正しい方向に持っていけるように時間を使わなければならない。スパではたくさんのファンとTMGの仲間が来てくれるはずなので、彼らが喜んでくれるような戦績をあげられるよう、全力で戦う。

ステファン・サラザン (TS040 HYBRID #7):
スパでのレースは本当に楽しく、私にとっては、いつもシーズンのハイライトだ。今年は特に四輪駆動となるTS040 HYBRIDを走らせることになり、待ち切れない。3つのLMP1ワークスチームは、性能面で非常に拮抗しているので、この週末も素晴らしい戦いになると思う。我々はシルバーストンで最高のスタートを切ることが出来、#8のチームメイトと共に表彰台に上れたのは最高だった。スパでの目標が、同様の成果を達成することであるのは明らかだ。できる限りプッシュし、それが出来ると信じている。

中嶋一貴 (TS040 HYBRID #7):
チームとして最高の結果を得られたシルバーストンから、すぐにレースに戻れるのは良いことだ。我々はTS040 HYBRIDについて多くを学んだし、シルバーストンでレースを戦ったことは、今週末のスパへ向けた準備として有用なものとなるだろう。スパは天候が変わりやすく、それがレースに大きな影響を及ぼすことは過去のレースでも経験している。それだけに、車両のセットアップとタイヤについてだけでなく、天候にも注意を払い続けなくてはならない。しかし、雨が降っても降らなくても、この週末もエキサイティングなものになると思うし、多くの観衆がレースを楽しんでくれることを望んでいる。

アンソニー・デビッドソン (TS040 HYBRID #8):
スパはクラシックなサーキットで、本当に大好きだ。改修は重ねられているが、ドライブするのに素晴らしいコースであることは変わりなく、特にプロトタイプカーで走るのは最高だ。シルバーストンでの勝利の興奮はまだ冷めておらず、再びレースを戦うのが待ち切れない。2週間というのはそういう意味でもちょうどいい休息期間だ。望みうる最高のシーズンスタートを切ることが出来、我々は大きな自信を得たが、厳しい戦いの中にいることは分かっており、再び完璧な週末にすることを目標に準備を整える必要がある。

ニコラス・ラピエール (TS040 HYBRID #8):
私はスパの大ファンであり、昨年は純粋に楽しむために、スパ24時間レースに参戦したくらいだ。それだけに再びスパに行くのが待ち切れない。特に、TS040 HYBRIDでスパのレースを戦うというのは、素晴らしい経験になると期待している。このレースはル・マン24時間レースを前にした最後のレースであり、とても重要な週末となる。好結果だけでなく、6月へ向けての準備もしなくてはならない。#8での初レースで勝利を挙げられたことは私にとっても素晴らしい経験で、それを再現したいと思っている。またハードなバトルになると思うが、準備は出来ている。

セバスチャン・ブエミ (TS040 HYBRID #8):
シルバーストンの前は、どのレースカーに競争力があるのか判断するのは難しかったが、第1戦を終えた今、我々のTS040 HYBRIDは勝てるパフォーマンスを持っているが、その差は非常に小さいということが分かった。このことはファンにとってはとてもエキサイティングだが、チームにとっては非常にチャレンジングだということを意味している。しかし我々にとってはこのようなレベルでの競争こそが好ましいものであり、全力を尽くして今週末も勝利を狙う。スパを走るのはいつでも特別な経験だ。我々がシルバーストンで見せたような追い抜きを見せられたら、最高のレースになるだろう。

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カテゴリー: F1 / トヨタ / WEC (FIA世界耐久選手権)