トヨタ:スーパーフォーミュラ 2017年 第1回公式テスト 1日目レポート
3月6日、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットにおいて、2017年のスーパーフォーミュラ第1回公式テストがスタート。2日間に渡り、合計8時間の走行が行われる。薄曇りの天気となった初日、走行1回目ではNo.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がトップタイムをマーク。走行2回目では、No.36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)が終盤に1分35秒657の最速タイムをマークし、総合結果でもトップに立っている。
4月22〜23日に2017年シーズンの開幕を迎える今年の全日本スーパーフォーミュラ選手権。その舞台となる鈴鹿での公式テスト初日は、体調不良のため、走行を見送ったルーキーのNo.4 山下健太(KONDO RACING)を除く18台のクルマが出走した。
走行1回目。開始から約20分。S字コーナー出口でルーキーのNo.20 ヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がコースアウト、この日最初の赤旗中断の原因に。セッション再開後、ロッテラーが1分38秒630でトップへ立つが、その直後にルーキーのNo.3 ニック・キャシディ(KONDO RACING)や関口が次々とトップタイムを塗り替え、各車ともタイムアップする様子が見られた。
午前11時19分には、5年ぶりにフル参戦を果たすNo.8 大嶋和也(SUNOCO TEAM LEMANS)がデグナーカーブ出口でオーバーラン。この日2度目の赤旗中断となる。さらに直後にも3度目の赤旗中断が発生。またしても、マーデンボローが逆バンクとダンロップコーナーの間でコースアウトし、スポンジバリアに埋もれる形で車両がストップ。幸いドライバーや車両に大事はなかったが、セッション再開までおよそ15分を要することになった。
セッション再開後、終了まで残り20分を切った辺りから多くのドライバーがアタックを開始。その中で、関口が1分36秒549のタイムをマークし、午前中のトップタイムを奪った。以下、No.1 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)、No.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)、No.2 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)、キャシディと続き、トヨタ勢が、午前のセッションはトップ5を独占となった。
3時間のインターバルをはさみ、午後3時30分から走行2回目がスタート。午前中と変わらぬ薄曇りの中で、2時間の走行セッションが行われた。各車、開始直後からコースインを始めたが、10分もしないうちにデグナーカーブ出口で関口を含む2台の車両がコースアウト。午後のセッション初の赤旗が出される。
開始から30分を過ぎ、キャシディが1分37秒692のタイムでトップに立ち、走行1回目の自己ベストタイムに肉薄する。その後、走行1時間を過ぎてトップタイムは1分36秒946まで縮まるも、午前の最速タイムに迫るほどの大きなタイムアップは見られず、しばし膠着状態となる。2度目の赤旗中断を挟んでからは、コース上は冷たい風が吹き、さらには少量ながら雨が降るなど、一時的に不安定な路面コンディションの中での走行となった。
その中でトップを奪ったのは、ロッテラー。ニュータイヤでのアタックで、ただ一人36秒台を切る1分35秒657のタイムを叩き出した。
アンドレ・ロッテラーは「トップタイムをマークできて、とってもいい気分。クルマのフィーリングも極めていい感じ。楽しみながらクルマに乗ることができた上に、このタイムが出たんだから! 気温や路面などのコンディションも、僕のアタックもパーフェクト。ユーズドタイヤでの確認もしっかり行ったし、何がいいのか悪いのか、セッティングの見極めもやった。今日のファステストラップは、僕が持つ鈴鹿のコースレコードを上回るものだったけれど、この調子で明日もさらに上を目指して行きたいね」と満足気だった。
2番手にはチームメイトの一貴が1分36秒071で、3番手に石浦が1分36秒184で続き、テスト初日は、トヨタ勢が総合トップ3を独占する結果となっている。
明日のテスト2日目は初日同様、午前と午後に各2時間のセッションが行われる予定。なお、ディフェンディングチャンピオンの国本とNo.18 小林可夢偉(KCMG)は初日のみの参加で第1回公式テストを終えている。小林可夢偉の代役として、昨年までKCMGからスーパーフォーミュラに参戦していた中山雄一がドライブする予定となっている。
永井洋治 (プロジェクトリーダー)
今年のエンジンは、シリーズ前半戦は昨年からの正常進化を、さらに後半に向けてネタを仕込んで行く・・・という感じです。昨年よりパワーは出ているし、ストレートスピードもさらに伸びていくと思います。またこれはHondaさんも同様ですが、ターボの変更と(クルマの)サイドポンツーンの形状も変わりました。昨年よりオーバーテイクシーンが増えるんじゃないでしょうか。(スーパーフォーミュラやSUPER GTで使用している)ダウンサイジングターボエンジンは、燃焼を良くしていくとパワーアップや燃費向上につながりますが、それはエンジンへの負荷が増えるということにもつながります。エンジンの性能を向上させつつ、いかに信頼性を保てるか。エンジンのノッキングも含め、これら市販車でも起こりうる問題カイゼンをレースの現場で先行して取り組むことで、市販車用の高性能なダウンサイジングターボエンジンに必要とされる技術開発へとつながっていくと言えると思います。最後にエンジンの話ではないですが、今年のスーパーフォーミュラは、個人的にもドライバーのラインナップに大変注目しています。若いドライバーたちもガンガン攻めているので、見どころも多いシーズンになると思います。ぜひスーパーフォーミュラにも注目してください。
スーパーフォーミュラ 第1回公式合同テスト:ロッテラーがトップタイム
カテゴリー: F1 / トヨタ / スーパーフォーミュラ
4月22〜23日に2017年シーズンの開幕を迎える今年の全日本スーパーフォーミュラ選手権。その舞台となる鈴鹿での公式テスト初日は、体調不良のため、走行を見送ったルーキーのNo.4 山下健太(KONDO RACING)を除く18台のクルマが出走した。
走行1回目。開始から約20分。S字コーナー出口でルーキーのNo.20 ヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がコースアウト、この日最初の赤旗中断の原因に。セッション再開後、ロッテラーが1分38秒630でトップへ立つが、その直後にルーキーのNo.3 ニック・キャシディ(KONDO RACING)や関口が次々とトップタイムを塗り替え、各車ともタイムアップする様子が見られた。
午前11時19分には、5年ぶりにフル参戦を果たすNo.8 大嶋和也(SUNOCO TEAM LEMANS)がデグナーカーブ出口でオーバーラン。この日2度目の赤旗中断となる。さらに直後にも3度目の赤旗中断が発生。またしても、マーデンボローが逆バンクとダンロップコーナーの間でコースアウトし、スポンジバリアに埋もれる形で車両がストップ。幸いドライバーや車両に大事はなかったが、セッション再開までおよそ15分を要することになった。
セッション再開後、終了まで残り20分を切った辺りから多くのドライバーがアタックを開始。その中で、関口が1分36秒549のタイムをマークし、午前中のトップタイムを奪った。以下、No.1 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)、No.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)、No.2 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)、キャシディと続き、トヨタ勢が、午前のセッションはトップ5を独占となった。
3時間のインターバルをはさみ、午後3時30分から走行2回目がスタート。午前中と変わらぬ薄曇りの中で、2時間の走行セッションが行われた。各車、開始直後からコースインを始めたが、10分もしないうちにデグナーカーブ出口で関口を含む2台の車両がコースアウト。午後のセッション初の赤旗が出される。
開始から30分を過ぎ、キャシディが1分37秒692のタイムでトップに立ち、走行1回目の自己ベストタイムに肉薄する。その後、走行1時間を過ぎてトップタイムは1分36秒946まで縮まるも、午前の最速タイムに迫るほどの大きなタイムアップは見られず、しばし膠着状態となる。2度目の赤旗中断を挟んでからは、コース上は冷たい風が吹き、さらには少量ながら雨が降るなど、一時的に不安定な路面コンディションの中での走行となった。
その中でトップを奪ったのは、ロッテラー。ニュータイヤでのアタックで、ただ一人36秒台を切る1分35秒657のタイムを叩き出した。
アンドレ・ロッテラーは「トップタイムをマークできて、とってもいい気分。クルマのフィーリングも極めていい感じ。楽しみながらクルマに乗ることができた上に、このタイムが出たんだから! 気温や路面などのコンディションも、僕のアタックもパーフェクト。ユーズドタイヤでの確認もしっかり行ったし、何がいいのか悪いのか、セッティングの見極めもやった。今日のファステストラップは、僕が持つ鈴鹿のコースレコードを上回るものだったけれど、この調子で明日もさらに上を目指して行きたいね」と満足気だった。
2番手にはチームメイトの一貴が1分36秒071で、3番手に石浦が1分36秒184で続き、テスト初日は、トヨタ勢が総合トップ3を独占する結果となっている。
明日のテスト2日目は初日同様、午前と午後に各2時間のセッションが行われる予定。なお、ディフェンディングチャンピオンの国本とNo.18 小林可夢偉(KCMG)は初日のみの参加で第1回公式テストを終えている。小林可夢偉の代役として、昨年までKCMGからスーパーフォーミュラに参戦していた中山雄一がドライブする予定となっている。
永井洋治 (プロジェクトリーダー)
今年のエンジンは、シリーズ前半戦は昨年からの正常進化を、さらに後半に向けてネタを仕込んで行く・・・という感じです。昨年よりパワーは出ているし、ストレートスピードもさらに伸びていくと思います。またこれはHondaさんも同様ですが、ターボの変更と(クルマの)サイドポンツーンの形状も変わりました。昨年よりオーバーテイクシーンが増えるんじゃないでしょうか。(スーパーフォーミュラやSUPER GTで使用している)ダウンサイジングターボエンジンは、燃焼を良くしていくとパワーアップや燃費向上につながりますが、それはエンジンへの負荷が増えるということにもつながります。エンジンの性能を向上させつつ、いかに信頼性を保てるか。エンジンのノッキングも含め、これら市販車でも起こりうる問題カイゼンをレースの現場で先行して取り組むことで、市販車用の高性能なダウンサイジングターボエンジンに必要とされる技術開発へとつながっていくと言えると思います。最後にエンジンの話ではないですが、今年のスーパーフォーミュラは、個人的にもドライバーのラインナップに大変注目しています。若いドライバーたちもガンガン攻めているので、見どころも多いシーズンになると思います。ぜひスーパーフォーミュラにも注目してください。
スーパーフォーミュラ 第1回公式合同テスト:ロッテラーがトップタイム
カテゴリー: F1 / トヨタ / スーパーフォーミュラ