2016 スーパーフォーミュラ 鈴鹿
4月22日(金)から24日(日)にかけて、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットでスーパーフォーミュラの開幕戦「鈴鹿2&4レース」が開催される。

2014年にエンジン・シャシー共に一新し、「クイック・アンド・ライト」なトップフォーミュラとして生まれ変わった全日本スーパーフォーミュラ選手権。日本独自の「NRE」規定に沿って開発された直列4気筒2リッター直噴ターボエンジンと新シャシーとの組み合わせによるシリーズは、世界レベルのトップドライバーにより、この2年間、迫力のバトルが繰り広げられてきた。

トヨタは、このスーパーフォーミュラにトヨタRI4Aエンジンを供給し、新世代になってからの2年連続でタイトルを獲得している。更なる激戦が予想される今年も、強力な6チーム11台にエンジンを供給。3年連続でのタイトル獲得を目指す。

チャレンジングでドライバーにも人気の高い国際サーキット
開幕戦が開催される鈴鹿サーキットは言わずと知れた日本を代表する国際サーキットの一つ。F1日本グランプリや二輪の8時間耐久レース開催など、長い伝統を持ち、世界的にも有名なサーキットだ。

シリーズでの鈴鹿戦は、開幕戦と最終戦の年2回開催されており、名勝負が数多く行われてきた。
 世界的に見ても珍しい立体交差を持ち、8の字状に周回するコースは、前半がS字コーナーなどのテクニカルセクション、後半はバックストレートから超高速コーナーの130Rへと続くハイスピードセクションとを併せ持つ、チャレンジングなレイアウトでドライバーの人気も高い。1周5.807kmは、日本のサーキットでは最長。

市街地に近く、アクセスは良好。遊園地も併設
国内のサーキットでは珍しく、比較的市街地の近くに位置し、自家用車でも、公共交通機関でもアクセスは容易。特に公共交通機関では、近鉄名古屋線の白子駅から路線バスが出ている他、伊勢鉄道ではその名も鈴鹿サーキット稲生駅があり、徒歩でもアクセス可能だ。

自家用車でのアクセスも東名阪自動車道鈴鹿IC、伊勢湾岸自動車道みえ川越IC、東名阪自動車道亀山ICなどが利用できる。サーキットのHPでは推奨ルートや駐車場マップ、渋滞マップが用意されている他、モバイル駐車場情報も配信されているので、上手く利用したい。

また、サーキット内に遊園地「モートピア」や温泉などのレジャーランドが併設されているのも特筆すべき点だ。ランドマークでもある観覧車からはサーキットが一望できる他、モータースポーツファンにはたまらない施設も。子供も一緒に楽しめる乗り物のアトラクションが数多く用意されている。

また、例年開幕戦鈴鹿は、二輪ロードレース国内選手権との併催イベントとなっており、二輪レースも楽しめる。

新チャンピオン石浦が世界レベルのドライバーを迎え撃つ
新タイヤ採用や新加入ドライバーにも注目

昨年のスーパーフォーミュラは、毎戦、予選から100分の1秒単位での僅差の争いが繰り広げられてきたが、トヨタ勢は速さを見せ、全7戦8レース中7レースを制した。中でも、第2戦でトップフォーミュラ初勝利を飾った石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)は、第4戦で2勝目を挙げると、最終戦までもつれ込んだタイトル争いを見事制し、悲願のシリーズチャンピオンを獲得した。

新チャンピオンとなった石浦が、過去のシリーズチャンピオンであり、世界でも活躍する中嶋 一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)やアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)らを迎え撃つ今シーズンは、更に興味深い戦いが期待される。

今季、トヨタ勢の体制ではほとんどドライバーに変更はないが、唯一、ITOCHU ENEX TEAM IMPULに、関口雄飛が加入。近年はGT500クラスでの活躍が目立つも、元々はフォーミュラ出身であり、石浦らとほぼ同世代。2011年には全日本F3選手権でチャンピオンを獲得、同年のマカオGPでも4位フィニッシュを果たすなど、フォーミュラでの速さにも定評がある。昨年も1勝を挙げ、やはりタイトル候補のひとりであるジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ (ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)のチームメイトとして、ついにトップフォーミュラのシートを射止めた関口がどこまで速さを見せるかにも注目だ。

また、今季より、シリーズで使用されるタイヤメーカーが変更となった。これまで長きにわたって使用されてきたブリヂストンに変わり、今季からはヨコハマタイヤが使用される。これまでとはセッティングや走り方も変わる可能性があり、勢力図に変化があるかも知れない。

加えて、今季からは、金曜日にも1時間の練習走行時間が設けられることとなった。これまで以上にセッティングを詰めることが可能になるほか、コースに不慣れなドライバーも習熟の時間を取ることが出来るようになる。

コース習熟という点では、昨年、ほとんど走ったことの無いコースでやや苦戦を強いられた小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS)も、2年目の今シーズンは全コースでその速さを発揮してくれるはずだ。

鈴鹿でのスーパーフォーミュラは開幕戦と最終戦(第7戦)の年間2戦行われているが、昨年は開幕戦と第7戦の第1レースをロッテラーが制し、得意としている。3月に行われた鈴鹿のテストでは、ウェットの初日にロッテラーがトップタイムをマークするも、ドライでのトヨタ勢最高位には小林がつけた。しかし、石浦、ロッテラーを含むトップ4のタイムは0.1秒以内と極めて小さく、開幕戦も僅差のバトルとなることが予想される。

ここ2年はトヨタ勢が強さを見せたスーパーフォーミュラだが、ライバルも性能向上と熟成を計ってくるのは間違いない。また、ライバル勢には、F1直下のシリーズであるGP2の昨年のチャンピオンドライバーが参戦するなど、ますます戦いは激化すると思われ、ファンにとっては間違いなく見逃せないシリーズとなるはずだ。

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カテゴリー: F1 / トヨタ / スーパーフォーミュラ