アストンマーティンF1 “ニューウェイ体制”に早くも試練 ホンダとの緊張報道も
アストンマーティンは2026年F1プレシーズンテスト初回を終え、厳しい現実に直面している。エイドリアン・ニューウェイ主導で開発されたAMR26には大きな期待が寄せられていたが、バーレーンで明らかになったのは、開幕時点で最後尾に沈む可能性すらあるという厳しい立ち位置だった。

フェルナンド・アロンソとランス・ストロールは3日間を通じてラップタイムで下位に沈み、ストロールは「現時点でトップから4〜4.5秒遅れている」と明かした。

パドック内では内部緊張や深刻な対立の噂も広がり、オーナーのローレンス・ストロールが怒りを示したとの情報や、ホンダとの間で最初の重大な衝突があったとの報道も出ている。

誇張された期待と現実のギャップ
世間の過熱した期待が、実情を歪めていた側面は否めない。ニューウェイは短期間でマシン設計に大きな影響を与えたが、特殊なソリューションを多数採用したAMR26は依然として完成形からは遠い。

特に課題として指摘されているのがホンダ製パワーユニットだ。関係筋によれば、新型パワーユニット開発で遅れが生じており、文化的な違いもあって両者のシナジーはまだ最適とは言えないという。

さらに、今季から初めて自社開発ギアボックスを投入していること、コンパクト化を追求した冷却系設計による問題も重なり、状況は複雑化している。

再編の渦中で迎えた新時代
ニューウェイは昨年11月にチーム代表に就任。それ以前から技術統括パートナーとして大規模な組織再編を進め、多数の新専門家を招き入れた。ただし、新体制が完全に機能するには時間が必要だ。

チーム内部ではニューウェイへの信頼は揺らいでいないが、即効性を求めるオーナーや投資家の期待とのバランスは難しい。広報上は「重要なのはオーストラリアでの開幕戦ではなく、アブダビでどう終えるか」だと強調しているが、投資規模を考えれば短期的成果への圧力も避けられない。

関係者によれば、現行パッケージで意味のある成果が見込めるのは早くてもシーズン後半になる可能性が高いという。

アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

優先順位の再設定と“時間との戦い”
ニューウェイと技術陣は現在、パッケージの最適化と新開発を急ピッチで進めている。一部は来週の第2回バーレーンテストで投入予定であり、さらに開幕戦メルボルンに向けた改良も準備中だ。

マイク・クラックはテスト終了後、「優先順位を決める必要がある」と語った。

「まず何をすべきかを決めなければならない。来週まで時間はあまりないが、きちんと優先順位リストを作り、順に取り組めば来週はより良い状況になるはずだ」

一方、フェルナンド・アロンソにとっては“今しかない”シーズンだ。アロンソはシャシー面での巻き返しには自信を示しつつも、エンジン分野はより複雑だと認めた。

「シーズン後半は違う展開になることを願っている。たとえ出遅れても、改善はできる」

「2023年のバーレーンでマクラーレンも遅れていたが、その後レースに勝った。複雑なスポーツだ」

アストンマーティンにとって重要なのは、失望をどう吸収し、技術的優先順位をどれだけ迅速に整理できるかだ。だが、時間は決して潤沢ではない。2026年F1シーズンは、想像以上に厳しい船出となった。

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カテゴリー: F1 / アストンマーティンF1チーム / ホンダF1