WEC:トヨタ 2023年 第2戦 ポルティマオ6時間 公式練習レポート
トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing/TGR)は4月14日(金)、ポルトガルで2023年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)第2戦ポルティマオ6時間レースの公式練習走行を開始し、着実なスタートを切った。

先月、米国フロリダ州セブリングで行われた開幕戦で、ハイパーカーのライバルを相手に1-2フィニッシュを飾ったトヨタは、ポルティマオの公式練習走行でも順調に準備を進めています。

セブリングで勝利を挙げた小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名がドライブするGR010 HYBRID 7号車が午後のセッションでマークした1分32秒155が、この日の最速タイムとなったが、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車は午前中のセッションでは最速だった。8号車はこの午前中のタイムにより、この日の総合順位ではチームメイトから0.637秒遅れの2番手となった。

初日からタイムシートの上位を占めたトヨタだが、ラップタイムは現時点の優先事項ではない。必要な準備をしっかり行い、競争力の高い決勝でのレースペースを見据えた車両セットアップ、そして、タイヤ特性を深く理解したことによって開幕戦の勝利を成し遂げることができたため、連勝を目指すトヨタは、ここポルトガルでも練習走行から同じ内容に焦点を当てている。

トヨタがポルティマオ近郊に位置する1周4.653kmのアルガルヴェ・サーキットで走行するのは2022年4月のテスト以来。この日は、風は強いものの好天に恵まれ、気温14度というコンディションの中、現地時間午前10時半の公式練習より、改良されたGR010 HYBRIDの走行が開始された。

2台のGR010 HYBRIDは90分間の練習走行セッションを最大限に活用し、様々な空力やメカニカルセットアップを比較しながら、車両のセッティングなどを調整。このセッション中には2度の赤旗中断があったものの、2台のGR010 HYBRIDはどちらも今大会出場車両37台で最多となる43周を走破した。

このセッションの序盤に、8号車のブエミがマークした1分32秒792がトップタイムとなった。7号車はコンウェイがマークしたタイムで0.384秒遅れの2番手。ハイパーカークラスのトップ6台は1秒以内の僅差となった。

公式練習2回目は午後3時半から開始され、午前中のセッションに比べて路面温度が高いコンディションとなった。このコンディション変化は、2種類のタイヤコンパウンドを比較するのに理想的な状況で、チームは日曜日の決勝レースへ向けて集中的にデータ収集を行った。このセッションでは赤旗などの中断はなく、7号車は小林によりタイムシートトップへ。8号車は平川のタイムがベストとなった。

初日のデータを基に、さらに改良した車両セットアップを明日15日(土)午前中に行われる公式練習3回目で試し、現地時間午後4時20分(日本時間16日午前0時20分)から15分間で行われる予選に臨む。ポルティマオ6時間レースの決勝は、現地時間16日(日)正午(日本時間午後8時)にスタートが切られる。

小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
今日の結果には満足しています。我々TGRの2台は、それぞれ異なるプログラムをこなし、順調でした。チームの大きなターゲットのひとつが、路面温度に大きく左右されるタイヤのパフォーマンスを理解することですが、7号車は、練習走行1回目の最初こそ、タイヤを上手く扱うのに少し苦戦しましたが、午後には改善されました。ここポルティマオではライバルとの差はさらに接近しているので、チームはハードワークを続けており、レースウィークが進むにつれてクルマはさらに良くなるでしょう。

マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)
スタートから快調です。我々は、決勝レースで予想されるコンディションでクルマから最大のパフォーマンスを引き出せるようにする作業に一日を費やしました。このコースでのタイヤの挙動を学びながら、少しずつ方向性の異なるセットアップを試しています。これまでのところは順調ですが、ここはコース上のトラフィック(車両の混雑)が課題で、その混んだ中、非常に短く連続した幾つかのコーナーがあり、そこではたちまち大きくタイムを失ってしまいます。それが決勝レースでの重要な要素になるので、ドライバーとして適応していかなければなりません。

ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)
多くの内容のテストを予定通り行うことができた、良い一日でした。GR010 HYBRIDは好調で、今日の両セッションともトラブル無く走れたというのは、レースウィークの初日としては文句なしです。ライバル達が何をしているのかはわからないので、競争力で我々がどのレベルにいるのかを明確にするのはまだ早いです。我々は前戦セブリングで、予選前まではトップでしたが、その後フェラーリが、その持ち合わせたパフォーマンスを発揮するのを目の当たりにしました。今日は、チームに競争力があると確認出来たので、ポジティブなスタートが切れたと思います。

セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
順調な一日でした。アクシデントなどない一日だったというのは、ここのような短いコースで、非常に多くの車両が一斉に走ることを考えれば良いニュースです。我々はとても多く周回し、良いラップタイムも刻めました。今日は風が強かったので、そのコンディションでのクルマの挙動や、タイヤについても、多くを学ぶことができましたが、今日得られたデータを解析し、サーキットコンディションに対応した最適な調整を行っていく必要があります。

ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
2台共にトラブル無く、スムーズな一日で、チームにとって良いスタートが切れました。セッションを通して2台は異なるプランに沿った走行をこなし、異なるタイヤコンパウンドのテストや車両セットアップ比較、そして、決勝レースへ向けた微調整に役立つ多くのことを学びました。全体として、とてもポジティブな一日でした。これから、明日の予選で我々8号車にとって2023年初めてのポールポジション獲得を目指すべく、集中していきます。

平川亮(8号車 ドライバー)
チームは非常に良い仕事をしてくれて、両セッション共にGR010 HYBRIDが1-2となり、多くの有益なデータを得られたので満足しています。まだ改善できることは多くあり、それらは決勝レースへ向け、さらにクルマを強くできるということで、良いことだと思っています。個人的には、午前中のセッションでは赤旗中断のため、あまり多くの周回をこなせず、満足感を得ることができなかったですが、午後は良いセッションとなり、多くの周回をこなし、良いタイムも刻めました。クルマには満足しており、この週末もプッシュを続けて行きます。

トヨタ WEC 世界耐久選手権

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カテゴリー: F1 / トヨタ / WEC (FIA世界耐久選手権)