WEC 第6戦バーレーン8時間 予選 :トヨタ8号車がポールポジション獲得でタイトルへ一歩前進
中東バーレーン・インターナショナル・サーキットでFIA世界耐久選手権(WEC)第6戦 バーレーン8時間レースの予選が11月11日(金)に行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のGR010 HYBRID 8号車を駆るブレンドン・ハートレーがポールポジションを獲得した。

前日33歳の誕生日を迎えたばかりのハートレーが8号車のアタックを担当し、1分46秒800という驚異的なタイムで、2番手に0.810秒もの大差をつけてポールポジションを獲得。

ハートレーと共に8号車を駆るセバスチャン・ブエミと平川亮は、チャンピオンを争うアルピーヌと同ポイントで今季最終戦バーレーンへとやってきたが、このポールポジション獲得による貴重な1点追加で、小さいながらもアドバンテージを得て決勝に臨む。

小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスのGR010 HYBRID 7号車は、コンウェイがアタックを担当し、トップから0.938秒遅れの3番手。2台のGR010 HYBRIDの間にはプジョー93号車が割って入る形となった。

ハイパーカーとLMP2クラスの車両が走行する10分間の予選セッションは、バーレーンの暖かな気候の下、日没を迎え、コースを照明が照らし始めた現地時間午後5時10分より開始された。7号車のコンウェイはスタート前からピットレーンに並んで待機し、セッション開始と同時に他の車両と共にコースイン。一方で8号車のハートレーはセッションがスタートしてもガレージ内で待機し、最初にコースインした車両の混雑を避けるタイミングで新品タイヤを装着し、アタックに向かいた。

この結果、7号車のコンウェイは計測2周目のアタックでベストタイムをマーク。ほぼ1周遅れてのアタックに入った8号車のハートレーは、暖められていた新品タイヤのグリップを最大限に引き出し、他車を大きく上回るペースでトップへ浮上。このタイムは最後まで更新されることはなく、チームにとって今季3度目となるポールポジションを獲得することとなった。

この週末は、ハイパーカークラスの争いが非常に接近したものとなっているが、予選でのハートレーのアタックラップは他車と一線を画す好タイムだった。2番手のプジョー93号車に対する0.810秒差は、2番手から5番手までの他のハイパーカー4台が入っている0.733秒よりも大きなものとなっている。

両タイトルの行方が決定する8時間の決勝レースは、本日12日(土)現地時間午後2時(日本時間午後8時)にスタートが切られる。TGRは今季4勝目と、4年連続となるWECでのダブルタイトルを目指し、この決勝レースに挑む。

小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):
ブレンドンが素晴らしい走りで、本当に良いアタックをしてくれました。チームは懸命な努力で、苦戦した練習走行時の状況から立ち直り、予選へ向けてとても強い2台のGR010 HYBRIDを仕上げてくれました。あとは決勝レースでドライバーが最後まで走り抜くだけです。チームを信頼し、力を合わせてクリーンなレースを戦います。目標は1-2フィニッシュですが、最も重要なのは両タイトル獲得です。耐久レースでは何が起こるかわかりませんし、トラフィックの処理などを含め常にリスクと隣り合わせですが、我々はいつもその中で最大限のパフォーマンスを発揮すべく挑戦を続けていて、この最後の仕事を完遂し、世界チャンピオンとしてシーズンを締めくくるべく一致団結しています。この週末は、WECでの今季最終戦と同時に、WRC(世界ラリー選手権)の最終戦も行われています。我々WECチームは、TOYOTA GAZOO Racing WRT(ワールドラリーチーム)が地元ファンの皆様の前で戦っているラリージャパンの成功も祈っています。

マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):
我々は予選でコースインするまでに、ピットレーンでの待機時間がやや長くなりすぎてタイヤが冷えてしまい、最初のアタックラップでは十分な温度まで上げきれませんでした。2周目でタイムを更新することはできましたが、時既に遅く、タイヤが最もパフォーマンスを発生できる1周目を逃してしまいました。結果として判断ミスでした。ブレンドンと8号車へ祝福を送ります。彼らがポールポジションによる1ポイントを獲得したことで、決勝レースへ向けて少しですが有利になりました。昨日は難しい一日でしたが、今日は良い進歩を遂げて、決勝でのレースペースに関しては、臨んでいたレベルにかなり近づいたと思います。決勝レースで勝つためにも、今夜も幾つか調整をする必要があります。レースは8時間と長いですが、8号車のチャンピオン獲得も念頭に置いて全力で戦います。

ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):
ポールポジションが獲得でき、加えてポイントも得られたので最高の気分です。私にとってベストアタックのひとつになりました。グリップは練習走行の時よりもとても向上しており、タイヤも完璧に機能して、全てが上手く行きました。フィニッシュラインを越えたときに、なかなか良いタイムになるだろうということはわかっていましたが、2番手とのタイム差を聞いたときはとても嬉しく思いました。この週末、我々の側から見ると決して順調ではなく、今朝の練習走行でも苦戦しました。7号車は異なる方向性でセットアップを進めており、彼らの方が順調だったので、彼らのセットアップを参考にしました。正しい方向性を見出してくれた彼らと、チームにとても感謝しています。予選での結果は我々が圧倒する形になりましたが、これが今の実力を正確に反映しているとは思っていませんし、明日の決勝レースは我々TGRとプジョー、アルピーヌの間での接戦になると予想しています。

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カテゴリー: F1 / トヨタ / WEC (FIA世界耐久選手権)