WRC:トヨタ 2022年 第1戦 ラリー・モンテカルロ 1日目 レポート
1月20日(木)、2022年FIA世界ラリー選手権(WRC)第1戦ラリー・モンテカルロがモナコで開幕。フランス南部の山岳地帯で2本のターマック(舗装路)ステージが行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラ組(GR YARIS Rally1 1号車)が総合1位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合3位に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)が総合12位につけた。
木曜日は、午前中にモナコの北側に広がるフランスの山岳ステージでシェイクダウンが行われ、新規定ハイブリッドラリーカーのRally1車両が初走行。ラリー・モンテカルロで通算8回の優勝経験を持つオジエが、ワールドチャンピオンの証であるカーナンバー1のGR YARIS Rally1でベストタイムを記録した。夕方にはモナコのカジノ前でセレモニアルスタートが行われ、開催90回目を迎えたラリー・モンテカルロが華々しく開幕。その後、選手たちは山岳地帯に向かい、2本のナイトステージに挑んだ。
戦いの舞台となるフランス南部の山岳地帯はここしばらく天気が良く、気温も10度前後とこの時期としてはとても暖かい日が続き、木曜日も好天に恵まれた。全長15.20kmのSS1は、全体的にはドライコンディションながら、昼間は少し湿っていた一部路面が気温の低下により凍結し、非常にトリッキーなコンディションとなった。そのSS1で、1番手スタートのオジエは2番手タイムのライバルに5.4秒差をつけるベストタイムを記録。有名なチュリニ峠を通過する23.25kmのSS2はドライコンディションが保たれ、オジエが2ステージ連続でベストタイムをマークし、新時代を迎えたWRCの初日を首位で走り切った。
エバンスは、2本のステージをいずれも3番手タイムで走行し、首位オジエと11.2秒差の総合3位に。ロバンペラは、SS1でのスピンによりタイムを失い、総合12位で初日を終えた。また、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next GenerationからGR YARIS Rally1で出場の勝田貴元は、総合9位につけている。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
首位に立ち、トップ3に2台が入ったことを喜びたいと思います。今晩、ステージをスタートするまで自分たちがどの位置にいるのかよくわかりませんでしたが、まずはパフォーマンスが高いレベルにあることが証明されたので良かったです。また、激しい競争と、素晴らしい戦いが続いていることは、ラリーにとって良いことだと思います。カッレにとっては難しいスタートになり、序盤にスピンを喫してしまいました。自信を持ち切れない状態で暗闇のステージに臨むのがどんなに難しいことなのか、私にはわかります。明日、明るい時に走ればきっと状況は良くなるはずです。
セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 1号車)
正直なところ、クルマのフィーリングはあまり良くなかったので、最初のステージで最速だったことに少し驚きましたが、タイムは良かったので文句はありません。続く2本目のステージでは、クルマのフィーリングが少し良くなりました。クルマは昨年までとかなり大きく違い、今は誰もが適応しようとしている段階ですし、改善可能な要素も多くあります。タイムはライバルとかなり接近していますし、このクルマでの初戦にも関わらず、すでに激しく、エキサイティングな戦いになっていると思います。
エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
今晩のステージ、とくにSS1の走りは自分ではあまり良いと思えなかったのですが、良い順位でモナコに戻ってくることができたので嬉しく思います。テストではあまり良い感触を得られていなかったのですが、ラリー本番では予想よりも少しフィーリングが良くなっていました。とはいえ、まだ完全ではないので簡単ではありません。全体的に、もう少し上手く走れたと思うので満足していません。新しいクルマで初めて走るステージが暗闇の中だったため、他のことに気を取られてしまい、なかなか運転に集中できませんでした。非常に多くのことが起きているので、明日に向けてやるべきことはたくさんあります。
カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 69号車)
今晩はかなり難しい戦いになるのではないかと予想していましたが、残念ながらその通りになってしまいました。朝のシェイクダウンからクルマのバランスはあまり良くなく、快適に感じられませんでした。そして、最初のステージでは小さなスピンを喫し、ギヤをリバースに入れなくてはなりませんでした。タイム差はかなりついてしまいましたが、常にクルマを良くしようとしているので、今晩のサービスでセットアップをどのように改善できるか試してみるつもりですし、ドライビング面でも改善を図りたいと思います。
ラリー・モンテカルロ デイ1の結果
1 セバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラ (トヨタ GR YARIS Rally1) 25m48.4s
2 セバスチャン・ローブ/イザベル・ガルミッシュ (フォード PUMA Rally1) +6.7s
3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +11.2s
4 アドリアン・フォルモ−/アレクサンドレ・コリア (フォード PUMA Rally1) +17.9s
5 ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソン (フォード PUMA Rally1) +21.9s
6 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20 N Rally1) +28.5s
7 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (フォード PUMA Rally1) +29.2s
8 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒュンダイ i20 N Rally1) +41.1s
9 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +48.2s
10 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (ヒュンダイ i20 N Rally1) +58.8s
12 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +1m08.8s
明日のステージ情報
競技2日目となる1月21日(金)のデイ2は、サービスパーク西北のフランス山岳地帯で3本のステージを各2回走行する。デイ2は日中のフルサービスが設定されず、朝モナコでサービスを受けた選手は、3本のステージが終了した後、ピュジェ-テニエのタイヤフィッティングゾーンでのタイヤ交換のみで、3本の再走ステージを走行する。3本のステージのうち、アントルヴォーへと向かう3本目のステージ(SS5/8)は近年よく使われているが、最初の2本のステージに関しては2006年以来の走行となる。6本のSSの合計距離は97.86kmと4日間で最長。リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は472.69kmとなる。
カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)
木曜日は、午前中にモナコの北側に広がるフランスの山岳ステージでシェイクダウンが行われ、新規定ハイブリッドラリーカーのRally1車両が初走行。ラリー・モンテカルロで通算8回の優勝経験を持つオジエが、ワールドチャンピオンの証であるカーナンバー1のGR YARIS Rally1でベストタイムを記録した。夕方にはモナコのカジノ前でセレモニアルスタートが行われ、開催90回目を迎えたラリー・モンテカルロが華々しく開幕。その後、選手たちは山岳地帯に向かい、2本のナイトステージに挑んだ。
戦いの舞台となるフランス南部の山岳地帯はここしばらく天気が良く、気温も10度前後とこの時期としてはとても暖かい日が続き、木曜日も好天に恵まれた。全長15.20kmのSS1は、全体的にはドライコンディションながら、昼間は少し湿っていた一部路面が気温の低下により凍結し、非常にトリッキーなコンディションとなった。そのSS1で、1番手スタートのオジエは2番手タイムのライバルに5.4秒差をつけるベストタイムを記録。有名なチュリニ峠を通過する23.25kmのSS2はドライコンディションが保たれ、オジエが2ステージ連続でベストタイムをマークし、新時代を迎えたWRCの初日を首位で走り切った。
エバンスは、2本のステージをいずれも3番手タイムで走行し、首位オジエと11.2秒差の総合3位に。ロバンペラは、SS1でのスピンによりタイムを失い、総合12位で初日を終えた。また、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next GenerationからGR YARIS Rally1で出場の勝田貴元は、総合9位につけている。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
首位に立ち、トップ3に2台が入ったことを喜びたいと思います。今晩、ステージをスタートするまで自分たちがどの位置にいるのかよくわかりませんでしたが、まずはパフォーマンスが高いレベルにあることが証明されたので良かったです。また、激しい競争と、素晴らしい戦いが続いていることは、ラリーにとって良いことだと思います。カッレにとっては難しいスタートになり、序盤にスピンを喫してしまいました。自信を持ち切れない状態で暗闇のステージに臨むのがどんなに難しいことなのか、私にはわかります。明日、明るい時に走ればきっと状況は良くなるはずです。
セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 1号車)
正直なところ、クルマのフィーリングはあまり良くなかったので、最初のステージで最速だったことに少し驚きましたが、タイムは良かったので文句はありません。続く2本目のステージでは、クルマのフィーリングが少し良くなりました。クルマは昨年までとかなり大きく違い、今は誰もが適応しようとしている段階ですし、改善可能な要素も多くあります。タイムはライバルとかなり接近していますし、このクルマでの初戦にも関わらず、すでに激しく、エキサイティングな戦いになっていると思います。
エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
今晩のステージ、とくにSS1の走りは自分ではあまり良いと思えなかったのですが、良い順位でモナコに戻ってくることができたので嬉しく思います。テストではあまり良い感触を得られていなかったのですが、ラリー本番では予想よりも少しフィーリングが良くなっていました。とはいえ、まだ完全ではないので簡単ではありません。全体的に、もう少し上手く走れたと思うので満足していません。新しいクルマで初めて走るステージが暗闇の中だったため、他のことに気を取られてしまい、なかなか運転に集中できませんでした。非常に多くのことが起きているので、明日に向けてやるべきことはたくさんあります。
カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 69号車)
今晩はかなり難しい戦いになるのではないかと予想していましたが、残念ながらその通りになってしまいました。朝のシェイクダウンからクルマのバランスはあまり良くなく、快適に感じられませんでした。そして、最初のステージでは小さなスピンを喫し、ギヤをリバースに入れなくてはなりませんでした。タイム差はかなりついてしまいましたが、常にクルマを良くしようとしているので、今晩のサービスでセットアップをどのように改善できるか試してみるつもりですし、ドライビング面でも改善を図りたいと思います。
ラリー・モンテカルロ デイ1の結果
1 セバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラ (トヨタ GR YARIS Rally1) 25m48.4s
2 セバスチャン・ローブ/イザベル・ガルミッシュ (フォード PUMA Rally1) +6.7s
3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +11.2s
4 アドリアン・フォルモ−/アレクサンドレ・コリア (フォード PUMA Rally1) +17.9s
5 ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソン (フォード PUMA Rally1) +21.9s
6 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20 N Rally1) +28.5s
7 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (フォード PUMA Rally1) +29.2s
8 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒュンダイ i20 N Rally1) +41.1s
9 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +48.2s
10 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (ヒュンダイ i20 N Rally1) +58.8s
12 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +1m08.8s
明日のステージ情報
競技2日目となる1月21日(金)のデイ2は、サービスパーク西北のフランス山岳地帯で3本のステージを各2回走行する。デイ2は日中のフルサービスが設定されず、朝モナコでサービスを受けた選手は、3本のステージが終了した後、ピュジェ-テニエのタイヤフィッティングゾーンでのタイヤ交換のみで、3本の再走ステージを走行する。3本のステージのうち、アントルヴォーへと向かう3本目のステージ(SS5/8)は近年よく使われているが、最初の2本のステージに関しては2006年以来の走行となる。6本のSSの合計距離は97.86kmと4日間で最長。リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は472.69kmとなる。
カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)