WEC:トヨタ 第5戦 バーレーン6時間 予選レポート フロントロー独占
FIA世界耐久選手権(WEC) 第5戦 バーレーン6時間レースの予選が10月29日(金)にバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われ、トヨタのハイパーカー GR010 HYBRIDが1番手、2番手タイムで最前列グリッドを確保。今季のWECタイトル獲得に一歩近づいた。

中東の暑さの中でも冷静さを保ってアタックしたブレンドン・ハートレーが、1分47秒049のファステストタイムをマークし、中嶋一貴、セバスチャン・ブエミと共に決勝を戦うGR010 HYBRID 8号車にハイパーカーで初のポールポジションをもたらした。

2台のGR010 HYBRIDは、予選前の2度の練習走行セッションでも僅差でトップタイムを争い続け、予選ではマイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスと共に戦う7号車を駆った小林可夢偉が8号車と0.398秒差の2番手につけ、チームにとっては最前列独占という文句なしの予選結果となった。

2019年の富士6時間レース以来となるポールポジションを獲得した8号車だったが、この日は厳しい幕開けとなった。この日最初のセッションである公式練習2回目で、8号車は他車と接触を喫したためにサスペンションの修復と車体前部の交換を余儀なくされ、早めにセッションを終えざるを得まなかった。しかし、メカニックの目覚ましい働きで、予選の準備に重要な公式練習3回目までに修復を終えた。

タイトル争いにおいても重要なポイントになるかもしれない、今回のポールポジション獲得。わずか1ポイントではあるが、このポイントにより、トヨタは明日の決勝レースで、4位以上でフィニッシュすればチームタイトルが確定する。

そして、ドライバーズタイトル争いにおいてもこの1ポイントは大きな意味を持つ。中嶋、ブエミとハートレーの3人は、ランキング首位の小林、コンウェイ、ロペスとの差を詰め、その差は8ポイントとなった。また、今回の2週連続バーレーン・ダブルヘッダー戦でまだ最大64ポイント獲得できる。

TGRにとってバーレーン通算9戦目で今回6勝目を目指す、6時間にわたる熱い挑戦は、10月30日(土)の現地時間午前11時(日本時間午後5時)にスタートが切られる。

小林可夢偉(GR010 HYBRID 7号車):
ポールポジションを逃したことは残念ですが、素晴らしいアタックラップでポールポジションを獲得したブレンドンへ祝福を送ります。今日のコンディションは非常に難しいものでした。私自身のアタックラップではミスは無かったのですが、8号車に対して0.4秒の差がついたことで、タイヤを温存するために、逆転ポールへのアタックは諦めました。決勝レースは長く、タイヤにとって厳しいものになると思われるので、明日へ向けて準備を進め、集中して逆転のチャンスを狙います。

ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID 8号車):
ポールポジションが獲得できて最高の気分です。午前中のアクシデントの後、練習走行3回目までにメカニックが素晴らしい働きで車両を修復してくれました。猛烈な暑さの中のガレージで本当に大変な作業をこなしてくれた彼らにこのポールポジションを捧げます。予選アタックには慎重に入り、最終的には少しのギャップを作ることが出来ました。このポールポジションによる1ポイント獲得はタイトル争いにおいて、とても重要です。我々はお互いに最大の敬意を払って戦っていて、常に全力を尽くしています。予選はその第一歩です。

WEC 第5戦バーレーン6時間 公式予選結果(総合順位)
順位No.ドライバー名チーム/車種ベストタイム
18セバスチャン・ブエミ
中嶋一貴
ブレンドン・ハートレー
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
1:47.049
27マイク・コンウェイ
小林可夢偉
ホセ・マリア・ロペス
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
1:47.447
336アンドレ・ネグラオ
ニコラス・ラピエール
マシュー・バキシビエール
アルピーヌ・エルフ・マトムート/
アルピーヌ A480-Gibson
1:48.003
428ショーン・ゲラエル
ストフェル・バンドーン
トム・ブロンクヴィスト
イオタ/
Oreca 07-Gibson
1:49.932
522フィリップ・ハンソン
ファビオ・シェーラー
フィリペ・アルバカーキ
ユナイテッド・オートスポーツ/
Oreca 07-Gibson
1:49.994


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カテゴリー: F1 / トヨタ / WEC (FIA世界耐久選手権)