F1 トロロッソ・ホンダ マクラーレン
2018年のF1世界選手権は、ホンダに辛辣な批判を繰り返してパートナーシップを解消してルノーに乗り換えたマクラーレンと、友好的な雰囲気でホンダとのパートナーシップを構築しようとているトロロッソとの“ベビーフェイス vs ヒール”の構図での戦いがあった。

マクラーレンは、ホンダからルノーにエンジンを交換したことで逆にシャシー側の問題が浮き彫りとなり、グリッドで2番目に遅いマシンと評された。

一方、ホンダのF1パワーユニットはパフォーマンスと信頼性で大幅な進歩を果たし、シーズン中盤に導入した“スペック3”は馬力面でルノーを上回ったと評価されている。

最高成績を見れば、トロロッソ・ホンダはバーレーンGPでピエール・ガスリーが4位、フェルンド・アロンソがオーストラリアGPで5位とトロロッソ・ホンダに軍配が上がる。

さらに予選でもマクラーレンがQ3に進出したのは1回(スペインGP:アロンソ)だけなのに対し、トロロッソ・ホンダは6回(ガスリー4回、ハートレー2回)とトロロッソ・ホンダが上回っている。

全体的な流れとしては、マクラーレンは失敗のシーズン、トロロッソ・ホンダは成功のシーズンという風潮がある。マクラーレンは苦悩し、ホンダは進歩を果たした。マクラーレンの首脳陣はシャシーの欠陥を認め、トロロッソの首脳陣はホンダの進歩を称賛している。

しかし、結果だけを見ると、マクラーレンは62ポイント(前年は30ポイント)、トロロッソ・ホンダは33ポイント(前年は53ポイント)。ホンダが2019年の開発のためにグリッド降格覚悟でパワーユニットを交換し、フォースインディアが0ポイントから再スタートしたこともあるが、マクラーレンがコンストラクターズ選手権で6位だったのに対し、トロロッソ・ホンダはザウバーにも負けて9位でシーズンを終了。マクラーレンの勝利である。

来年、ホンダはレッドブル・レーシングにF1パワーユニットを供給することが決定。姉妹チームのトロロッソ・ホンダの存在は薄れ、対決は“レッドブル・ホンダ vs ルノー”という新たな構図に移行することになるだろう。レッドブルとルノーの因縁は、マクラーレンとホンダのそれと同じくらい根深い。

スポーツの世界では“試合に勝って勝負に負けた”言葉がある。結果はシャシー、エンジン、ドライバー、チームの総合力で決まるもの。マシンの速さという点ではトロロッソ・ホンダが勝っていたかもしれないが、それだけで満足してはいけないだろう。

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カテゴリー: F1 / トロロッソ / ホンダF1 / マクラーレンF1チーム