F1 トロロッソ・ホンダ
トロロッソ・ホンダのドライバーを務めるピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレー、そして、ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治が、2018年のF1世界選手権 第9戦 オーストリアGPへの意気込み、舞台となるレッドブル・リンクについて語った。

壮大なアルプス山脈を背にしたレッドブル・リンクは、F1のカレンダーの中でも特にフォトジェニックだ。しかし、容赦のないカーブがドライバーを苦しめるので、その景色を楽しむ余裕はないだろう。“マシンの壊し屋”とも呼ばれ、ドライバーとパワーユニットは厳しい試練に直面する。

ピエール・ガスリー
「僕にとってのホームグランプリだった先週のフランスGPに続いて、今週末はチームにとってのホームグランプリとなります。トロロッソは、オーストリアを本拠地とするレッドブルファミリーの一員でもありますからね。レッドブル・リンクでは、ジュニアカテゴリー時代に何度か表彰台に上がったことがあります。このトラックはロングストレートが多い非常に高速なレイアウトが特徴です。GP2ではレッドブルのジュニアドライバーとして同地でのレースに参戦しましたが、まさにレッドブルのホームグランプリですので、多くの声援をもらいました。今週末は、F1ドライバーとして同じような応援をしてもらえると思うと楽しみです。フランスGPでも多くの方が応援してくれましたが、ここオーストリアでも、すばらしい雰囲気の中でレースができると思います。本当にいいリザルトを獲得したいので、ここで僕たちのマシンが競争力を発揮できることを祈っています。ここは1周が非常に短く、ラップタイムが1分10秒を切るぐらいですが、その分、周回数は多くなっています。個人的にはコーナーが多いレイアウトの方が好みですが、ここでは僕が好きな高速セクションもトラックの中盤にいくつか設定されていますし、ロングストレートでは、オーバーテイクのチャンスがあるでしょう。今シーズンのマシンはダウンフォースを多く作り出すデザインになっており、これまで全てのトラックでラップレコードが更新されてきています。そうした背景からも、今週末はドライバーにとって非常に刺激的なレースが楽しめそうです。レッドブル・リンクは自然が美しい地域にありますが、やっぱり僕は都会の方が好きみたいです(笑)」

ブレンドン・ハートレー
「今週末はレッドブルにとってのホームレースとなるので、僕たちトロロッソ・ホンダにとっても特別な大会です。舞台となるレッドブル・リンクはLMP2で走ったことがあり、走っていてとても楽しいトラックです。まだ子供だったときに、よくゲームのGrand Prix 3とGrand Prix 4をプレイしていたのですが、いつもこのサーキットを選んで走っていました。ここは1周が短いので、集中力がない子供が気に入るサーキットだったのかもしれませんね。なので、以前はA1リンクと呼ばれていたレッドブル・リンクについては、10歳のときからずっと知っています。何度もプレイしていましたよ(笑)。オーストリアGPはレッドブルファミリーの一員にとって、とてもエキサイティングな週末です。今週末は多くの応援が受けられると思います。また、今大会から新しいフロントウイングを導入する予定なので、それに関しても期待しています。レッドブル・リンクは長い歴史とユニークな個性を持ったサーキットで、ロケーションもすばらしいです。1周は短いですが、非常にチャレンジングなトラックでもあります。トラックの中盤は高速セクションになっており、終盤にも気を許せないコーナーが待ち受けています。ロングストレートもそこまで長くはないので、ドライバーにとってはあまり息をつく暇がなく、非常に忙しいサーキットでもあります。ここでは、正しいブレーキングも非常に重要です。ドライバーとしての仕事の大部分はブレーキングと言ってもいいですからね。ブレーキングがコーナー全体をどれだけ効率よく抜けられるか、そしてストレートへの立ち上がりを決めます。ブレーキペダルの踏み込み方や離し方で、マシンの姿勢も決まります。ドライブに関する全ての起点が、ブレーキペダルだと言っても過言ではないでしょう。このサーキットにはいくつかのトリッキーなセクションがあります。特にターン5は下りでのブレーキングになるので、ブレーキにロックがかかってしまいがちなんです。それまでの上りでのブレーキングと違って、重力が自分の方にかかってくるので、ロックがかかってしまう危険が大きくなります。F1マシンから最大限の性能を発揮するには、こうした複雑な作業をすべてこなさなくてはなりません」

田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)
「3連戦の第2戦目となるオーストリアGPは、レッドブルグループにとってのホームレースになります。ここでレッドブル トロロッソ・ホンダとしていい戦いをしたいと思っています。レースの舞台となるレッドブル・リンクは緑豊かな美しい丘陵地帯に位置し、起伏に富むコースレイアウトと、前回のフランスGPを越える60%前後の高いエンジン全開率が特徴として挙げられます。標高が約700mと高く平地に比べて空気が薄いことで、冷却効率の低下やターボチャージャーの仕事量上昇が起こりますので、高い全開率と合わせてパワーユニットにとってはタフなサーキットです。このサーキットでの基本的なエネルギーマネージメントについては大きな懸念はありませんが、予選ラップタイム、レース中の戦闘力など、トータルでパワーユニットパフォーマンスが発揮できるように最適な設定を煮詰めていきます」

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カテゴリー: F1 / トロロッソ / ホンダF1 / F1オーストリアGP