F1 トロロッソ 2018年のF1世界選手権 オーストラリアグランプリ
トロロッソ・ホンダ vs マクラーレンの第1ラウンドとなった開幕戦オーストラリアGPではその“実力差”が浮き彫りとなった。

ホンダに辛辣な批判を繰り返してパートナーシップを解消してルノーに乗り換えたマクラーレンと、友好的な雰囲気でホンダとのパートナーシップを構築しようとているトロロッソ。シーズンに先駆けてまさに“ベビーフェイス vs ヒール”の構図が出来上がった。

冬季テストではトロロッソ・ホンダがトラブルフリーで全体の3番手の周回数を重ねる一方で、マクラーレン・ルノーはトラブル多発で全チームで最下位。だが、ラップタイムではフェルナンド・アロンソが総合3番手タイムを記録していた。

“トロロッソ・ホンダがマクラーレンをさらっと打ち負かす”ことを期待しつつ、“ルノーのエンジンを搭載したマクラーレンはやっぱり速いのではないか”との思いで迎えた2018年の開幕戦。結果は後者だった。

開幕前、マクラーレンはホンダからルノーにF1パワーユニットを変更しただけで“1秒速くなる”とのシミュレーション結果を出していた。逆に言えば、ルノーからホンダに変更したトロロッソは1秒遅くなることになる。

それは予選から現れた。昨年の予選ベストタイムはトロロッソが1分24秒487、マクラーレン・ホンダは1分25秒425。今年はマクラーレンが1分23秒692、トロロッソ・ホンダは1分24秒556だった。予選を終えたフェルナンド・アロンソは2秒近いタイムアップに「今年は楽しくなりそうだ」と発言している。

今年はタイヤが1段階柔らかくなり、オーストラリアGPではDRSゾーンが追加されたこともあり、予選で各チームは自然と1~2秒のタイムアップを成し遂げている。ザウバーのマーカス・エリクソンを例に挙げれば、昨年は1分26秒465で今年は1分24秒556だ。

そのなかでトロロッソだけが昨年からタイムを下げている。すなわち昨年より1~2秒遅くなっていることになる。もちろん、コンディションも違えば、トロロッソはドライバーを変更してQ1で敗退しているため、単純な比較はできないが。

決勝でもマクラーレンとトロロッソ・ホンダは正反対の結果となる。昨年はトロロッソがダブル入賞、マクラーレン・ホンダは最下位とリタイア。今年はマクラーレンがダブル入賞し、トロロッソ・ホンダが最下位とリタイアという結果になった。

レース中のファステストラップを比較するとその差はさらに浮き彫りとなる。昨年はトロロッソが1分26秒711、マクラーレン・ホンダは1分29秒440。今年はマクラーレンが1分26秒958、トロロッソ・ホンダは1分28秒176。マクラーレンは約2.5秒アップ、トロロッソは約1.5秒のダウンだ。

フェルナンド・アロンソは開幕戦でのマクラーレンは“最低レベル”であり、今後は改善していくのみだと語っている。「僕たちはまだポテンシャルをフルに発揮できてないし、今日もパッケージにすべてを引き出していたわけではなかった。まだルノーと初めてのレースにすぎないし、今後数戦ではアップデートも予定されている」

ドライバーの実力差も大きい。今年のトロロッソ・ホンダはピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレーという事実上のルーキーを起用。アルバート・パークでは初のレース週末となり、フリー走行3回目で雨が降ったことでセットアップの機会を奪われたことも響いた。対するマクラーレンは2度のワールドチャンピオンのフェルナンド・アロンソと昨年トラブル多発のなかで経験を積んだストフェル・バンドーン。だが、そんな言い訳は通用せず、その差は今後も様々なシーンで顕著に表れてくることになるだろう。

結果はシャシー、エンジン、ドライバー、チーム力で決まるもの。トロロッソが今季型シャシーで失敗をした可能性もあるが、残りの要素も大きな割合を占めることになる。

ホンダのF1パワーユニットは、マクラーレンのシャシーに対する厳しい要求から逃れ、トロロッソから自由な開発を許されていることで10馬力アップを果たしたとの情報があるが、現時点ではまだルノーには及ばないようだ。しかも、レギュレーションによってパワーユニットの使用数がさらに厳しくなる今年、全マシンのなかでホンダのF1パワーユニットだけが壊れるという最悪のシナリオでシーズンはスタートした。

2018年のF1世界選手権はメルセデス、フェラーリ、レッドブルの上位グループ、ハース、マクラーレン、ルノー、フォース・インディアの中位グループ、そして、トロロッソ・ホンダ、ウィリムズ、ザウバーの下位グループという勢力図がより明確になったと感じられた開幕戦。

“今年、ホンダはプレッシャーの少ない中堅チームのトロロッソとノビノビと開発を進めていけばいい”という結果が出ないことを前提にシーズンを見ていくことほど悲しいことはない。まだ1戦が終わったのみ。残りは20戦もある。シーズン後半にこのような昨年との比較がまったくの的外れだったと言えることを期待したい。

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カテゴリー: F1 / トロロッソ