SUPER GT | 最終戦 予選:au TOM'S LC500が今季2度目のポール獲得
2019のSUPER GT第8戦(最終戦)『MOTEGI GT 250km RACE』の予選が11月2日(土)に栃木県のツインリンクもてぎで行われた。GT500クラスはNo.36 au TOM'S LC500(中嶋一貴/関口雄飛)が、今季2度目のポールポジションを獲得。ランキングトップのNo.6 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也/山下健太)は予選2位と明日の決勝を最前列の好位置からスタートする。GT300クラスはNo.720 McLaren 720S(荒聖治/アレックス・パロウ)が初のクラスポールポジションとなった。
2019年のシリーズ締めくくりとなる第8戦「MOTEGI GT 250km RACE」は公式予選を迎えた。この最終戦でドライバータイトルの権利を残しているのは、No.6 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也/山下健太:70ポイント)、No.37 KeePer TOM'S LC500(平川 亮/ニック・キャシディ:63ポイント)、そしてNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ:49.5ポイント)の3台のみ。この日午前中に行われた公式練習でも、この3台がトップ3のタイムを記録。1年の最終目標であるタイトルを目指し、まずはこの公式予選でポールを獲るという意気込みから、各チームとも大いに士気が上がっている。
天候は午前の公式練習と同じく快晴。GT300クラスの予選Q1に続いて、GT500クラスの予選Q1(15分間)が午後2時20分にスタートした。本来Q1は全15台が走るが、No.12 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/ジェームス・ロシター)は、公式練習でエンジントラブルが発生。エンジンを乗せ換える大がかりな修理を行ったため、結局予選には間に合わず出走できなかった。
GT500クラスのQ1は、いつものように路面状況の良い終盤に1周のタイムアタックを決めるため、前半は誰もコースには出ない。残り8分30秒を切り、真っ先にピットを出たのは現在ランキングトップのNo.6 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也/山下健太)の大嶋。これに続いて各車が続々とコースイン。まずは3周目にアタック・ラップに入ったNo.1 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン)のバトンが、1分37秒546のタイムでトップに立つ。
この1号車のタイムを打ち破ったのが、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)の松田で1分36秒353。それに続く2番手にはNo.64 Modulo Epson NSX-GT(ナレイン・カーティケヤン/牧野任祐)の牧野が1分37秒064)が入るものの、6号車が1分36秒977のタイムで2番手を奪った。さらに各車が1分36秒台にタイムアップをしていき、2番手以降は大きくシャッフルするも、23号車はそのポジションを不動のものとして、まずはQ1をトップで通過した。
2番手にはNo.37 KeePer TOM'S LC500(平川亮/ニック・キャシディ)の平川。3番手にはNo.38 ZENT CERUMO LC500(立川祐路/石浦宏明)の石浦、そしてNo.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也)の野尻が4番手で通過した。6号車はさらにタイムを削ったものの7番手。だがしっかりとQ1通過を果たした。
LC500が参戦最後のシリーズ戦でフロントロウを独占する
午後3時3分、NISSAN GT-R NISMO GT500が1台、LEXUS LC500が4台、Honda NSX-GTが3台によるGT500クラスのQ2(10分間)がスタートした。Q1同様に前半は誰も動かず、残り6分で最初にNo.6 WAKO'S 4CR LC500(山下健太)がコースイン。そこから各車がピットを離れる。そこでアクシデント発生。No.8 ARTA NSX-GT(伊沢拓也)が途中ペースダウン。アタックをすることなく、コース外にマシンを止めてしまった。
残り時間2分を切って、まずタイムを出したのが、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(ロニー・クインタレッリ)で1分36秒128。続いてNo.38 ZENT CERUMO LC500(立川祐路)が1分36秒993で1、2番手に。だが、2番手のポジションはNo.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/1分36秒430)、No.37 KeePer TOM'S LC500(ニック・キャシディ/1分36秒228)と入れ替わっていく。ここでチェッカーフラッグが出されて、23号車がタイトルに可能性を残すポールポジションかと思われた。
だがチェッカーラップでNo.36 au TOM'S LC500の関口雄飛が1分35秒964を記録して、最後でトップを奪い去った。すでにアタックを終えていた23号車にはなすすべはなかった。No.36 au TOM'S LC500(中嶋一貴/関口雄飛)は、今季第3戦鈴鹿以来のポールポジションだ。さらに6号車の山下が1分35秒999で2番グリッドを獲得。これがシリーズ戦最後の予選となるLEXUS LC500がフロントロウ(決勝レース最前列)を独占することになった。
現在、ドライバーランキングでトップのNo.6 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也/山下健太)は予選2位。決勝でこのままのポジションでゴールすれば、他に関係なくタイトルを決めることができる。ポールポジションが獲れず23号車がタイトルの権利を失ったため、唯一6号車のライバルになるNo.37 KeePer TOM'S LC500(平川 亮/ニック・キャシディ)は予選4位。決勝では6号車の前に出ることが必須になる。最終戦もてぎ、運命の決勝レースは明日11月3日の午後1時30分にスタートが切られる。
GT500
No.36 au TOM'S LC500
中嶋 一貴
朝の公式練習は気温の低い状況でしたが、走り始めからクルマの調子は悪くはなくて、タイヤ選択にも不安はありませんでした。予選ではQ1に向けてやったことがあまりうまくいかなかったので、話し合ってQ2に向けてセッティングを変更しました。でも、結果を見ればそれがうまくいったようです。(僕が走った)Q1の感触では「ポールポジションは遠いかな」という印象だったんですが、(関口雄飛が)そこをうまく走らせてくれたので、見ていて非常に盛り上がりましたね。僕らは残念ながらチャンピオン争いと関係ないところにいますが、LEXUS LC500同士の戦いになったので、僕らも周りを気にすることなくやりたいなと思います。勝てるところはしっかり勝とうと思っているので、それを達成して帰りたいです。僕らは勝つつもりできていますし、そのためにも良いポジションだと思うので、僕らは僕らのレースをするだけだと思います。
関口 雄飛
Q1で中嶋(一貴)選手が走ったときに、トップとの差が結構あったので「今日は厳しいかな」と思いました。でも“できることはやろう”と常に思っているので、中嶋選手とエンジニアと監督とで話し合ってQ2のセッティングを変更していったんですが、それがうまく行きました。Q1ではオーバーステアでしたが、(自分が走ったQ2では)それがうまく解消されていました。僕らはチャンピオン争い関係ないんで、できるだけチャンピオン争いしている人たちとレースしないように、早めに逃げて、ぶっちぎりで行けるようにしたいです。
GT300
No.720 McLaren 720S
荒 聖治
開幕戦は我々が全力で走ってビリでした。スーパーフォーミュラでポールポジションを争う、とんでもなく速いアレックス(パロウ)選手が全力で走ってもビリでした。ずっと悔しい思いをしてきましたが、最終戦にきてポール争いをできるところまできた。すごい進化ですね。ヨコハマタイヤに合わせた車体作りを進めてもらい、クルマが格段に乗りやすくなりました。その上で、BoP(性能調整)とセッティングがうまくバランスするようになったことで、結果がついてくるようになりました。今日の僕の仕事はQ2に進むことで、それができて良かった。すごく速いドライバー(パロウ)にパフォーマンスを発揮してもらえて、感謝しています。すごく速いんで、Q1のタイム差を見たときに「これは行っちゃうんじゃないかな?」と思いましたね。その速さを今週末は安定して出せているんですよ。Q2を見ている間は本当にワクワクさせていただきました。ありがとう、アレックス。
アレックス・パロウ
今日は完璧な1日でした。(開幕戦の)岡山では予選最後尾でしたし、僕らは(新チームでシード権がなく)今季は7戦にしか参加できませんでした。でも、その中でどれだけ成長していけるかを今日は証明できたので、それを嬉しく思います。一番の問題はBoP(性能調整)にセッティングをうまく合わせ込めなかったことだと思います。時間がかかりましたがようやく結果を出せるようになりました。ヨーロッパではミシュランやピレリのタイヤでレースをしてきたクルマなので、最初にヨコハマタイヤを履いた時は秒単位の差がありました。テストを進めていくことでクルマのポテンシャルを引き出すことができるようになりました。そして、最終戦でポールポジションを獲得できて、チームに本当に感謝しています。明日(決勝)もチームのために結果を残すことができれば嬉しいです。
カテゴリー: F1 / SUPER GT
2019年のシリーズ締めくくりとなる第8戦「MOTEGI GT 250km RACE」は公式予選を迎えた。この最終戦でドライバータイトルの権利を残しているのは、No.6 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也/山下健太:70ポイント)、No.37 KeePer TOM'S LC500(平川 亮/ニック・キャシディ:63ポイント)、そしてNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ:49.5ポイント)の3台のみ。この日午前中に行われた公式練習でも、この3台がトップ3のタイムを記録。1年の最終目標であるタイトルを目指し、まずはこの公式予選でポールを獲るという意気込みから、各チームとも大いに士気が上がっている。
天候は午前の公式練習と同じく快晴。GT300クラスの予選Q1に続いて、GT500クラスの予選Q1(15分間)が午後2時20分にスタートした。本来Q1は全15台が走るが、No.12 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/ジェームス・ロシター)は、公式練習でエンジントラブルが発生。エンジンを乗せ換える大がかりな修理を行ったため、結局予選には間に合わず出走できなかった。
GT500クラスのQ1は、いつものように路面状況の良い終盤に1周のタイムアタックを決めるため、前半は誰もコースには出ない。残り8分30秒を切り、真っ先にピットを出たのは現在ランキングトップのNo.6 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也/山下健太)の大嶋。これに続いて各車が続々とコースイン。まずは3周目にアタック・ラップに入ったNo.1 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン)のバトンが、1分37秒546のタイムでトップに立つ。
この1号車のタイムを打ち破ったのが、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)の松田で1分36秒353。それに続く2番手にはNo.64 Modulo Epson NSX-GT(ナレイン・カーティケヤン/牧野任祐)の牧野が1分37秒064)が入るものの、6号車が1分36秒977のタイムで2番手を奪った。さらに各車が1分36秒台にタイムアップをしていき、2番手以降は大きくシャッフルするも、23号車はそのポジションを不動のものとして、まずはQ1をトップで通過した。
2番手にはNo.37 KeePer TOM'S LC500(平川亮/ニック・キャシディ)の平川。3番手にはNo.38 ZENT CERUMO LC500(立川祐路/石浦宏明)の石浦、そしてNo.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也)の野尻が4番手で通過した。6号車はさらにタイムを削ったものの7番手。だがしっかりとQ1通過を果たした。
LC500が参戦最後のシリーズ戦でフロントロウを独占する
午後3時3分、NISSAN GT-R NISMO GT500が1台、LEXUS LC500が4台、Honda NSX-GTが3台によるGT500クラスのQ2(10分間)がスタートした。Q1同様に前半は誰も動かず、残り6分で最初にNo.6 WAKO'S 4CR LC500(山下健太)がコースイン。そこから各車がピットを離れる。そこでアクシデント発生。No.8 ARTA NSX-GT(伊沢拓也)が途中ペースダウン。アタックをすることなく、コース外にマシンを止めてしまった。
残り時間2分を切って、まずタイムを出したのが、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(ロニー・クインタレッリ)で1分36秒128。続いてNo.38 ZENT CERUMO LC500(立川祐路)が1分36秒993で1、2番手に。だが、2番手のポジションはNo.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/1分36秒430)、No.37 KeePer TOM'S LC500(ニック・キャシディ/1分36秒228)と入れ替わっていく。ここでチェッカーフラッグが出されて、23号車がタイトルに可能性を残すポールポジションかと思われた。
だがチェッカーラップでNo.36 au TOM'S LC500の関口雄飛が1分35秒964を記録して、最後でトップを奪い去った。すでにアタックを終えていた23号車にはなすすべはなかった。No.36 au TOM'S LC500(中嶋一貴/関口雄飛)は、今季第3戦鈴鹿以来のポールポジションだ。さらに6号車の山下が1分35秒999で2番グリッドを獲得。これがシリーズ戦最後の予選となるLEXUS LC500がフロントロウ(決勝レース最前列)を独占することになった。
現在、ドライバーランキングでトップのNo.6 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也/山下健太)は予選2位。決勝でこのままのポジションでゴールすれば、他に関係なくタイトルを決めることができる。ポールポジションが獲れず23号車がタイトルの権利を失ったため、唯一6号車のライバルになるNo.37 KeePer TOM'S LC500(平川 亮/ニック・キャシディ)は予選4位。決勝では6号車の前に出ることが必須になる。最終戦もてぎ、運命の決勝レースは明日11月3日の午後1時30分にスタートが切られる。
GT500
No.36 au TOM'S LC500
中嶋 一貴
朝の公式練習は気温の低い状況でしたが、走り始めからクルマの調子は悪くはなくて、タイヤ選択にも不安はありませんでした。予選ではQ1に向けてやったことがあまりうまくいかなかったので、話し合ってQ2に向けてセッティングを変更しました。でも、結果を見ればそれがうまくいったようです。(僕が走った)Q1の感触では「ポールポジションは遠いかな」という印象だったんですが、(関口雄飛が)そこをうまく走らせてくれたので、見ていて非常に盛り上がりましたね。僕らは残念ながらチャンピオン争いと関係ないところにいますが、LEXUS LC500同士の戦いになったので、僕らも周りを気にすることなくやりたいなと思います。勝てるところはしっかり勝とうと思っているので、それを達成して帰りたいです。僕らは勝つつもりできていますし、そのためにも良いポジションだと思うので、僕らは僕らのレースをするだけだと思います。
関口 雄飛
Q1で中嶋(一貴)選手が走ったときに、トップとの差が結構あったので「今日は厳しいかな」と思いました。でも“できることはやろう”と常に思っているので、中嶋選手とエンジニアと監督とで話し合ってQ2のセッティングを変更していったんですが、それがうまく行きました。Q1ではオーバーステアでしたが、(自分が走ったQ2では)それがうまく解消されていました。僕らはチャンピオン争い関係ないんで、できるだけチャンピオン争いしている人たちとレースしないように、早めに逃げて、ぶっちぎりで行けるようにしたいです。
GT300
No.720 McLaren 720S
荒 聖治
開幕戦は我々が全力で走ってビリでした。スーパーフォーミュラでポールポジションを争う、とんでもなく速いアレックス(パロウ)選手が全力で走ってもビリでした。ずっと悔しい思いをしてきましたが、最終戦にきてポール争いをできるところまできた。すごい進化ですね。ヨコハマタイヤに合わせた車体作りを進めてもらい、クルマが格段に乗りやすくなりました。その上で、BoP(性能調整)とセッティングがうまくバランスするようになったことで、結果がついてくるようになりました。今日の僕の仕事はQ2に進むことで、それができて良かった。すごく速いドライバー(パロウ)にパフォーマンスを発揮してもらえて、感謝しています。すごく速いんで、Q1のタイム差を見たときに「これは行っちゃうんじゃないかな?」と思いましたね。その速さを今週末は安定して出せているんですよ。Q2を見ている間は本当にワクワクさせていただきました。ありがとう、アレックス。
アレックス・パロウ
今日は完璧な1日でした。(開幕戦の)岡山では予選最後尾でしたし、僕らは(新チームでシード権がなく)今季は7戦にしか参加できませんでした。でも、その中でどれだけ成長していけるかを今日は証明できたので、それを嬉しく思います。一番の問題はBoP(性能調整)にセッティングをうまく合わせ込めなかったことだと思います。時間がかかりましたがようやく結果を出せるようになりました。ヨーロッパではミシュランやピレリのタイヤでレースをしてきたクルマなので、最初にヨコハマタイヤを履いた時は秒単位の差がありました。テストを進めていくことでクルマのポテンシャルを引き出すことができるようになりました。そして、最終戦でポールポジションを獲得できて、チームに本当に感謝しています。明日(決勝)もチームのために結果を残すことができれば嬉しいです。
カテゴリー: F1 / SUPER GT