SUPER GT:赤旗終了のレースでMOTUL AUTECH Zが優勝でZがワンツー
2023年 SUPER GT 開幕戦の決勝レースが4月16日(日)に岡山国際サーキット(1周3,703m×82周)で行われ、GT500クラスはNo.23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が、GT300クラスはNo.18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻)が優勝を飾った

2023年の開幕戦、決勝は終始天候に左右される大荒れの展開となった。晴れもとでウォームアップ走行を行い、全車が乾いた路面用のスリックタイヤで決勝スタートに臨んだが、走り始めて間もなくして雨が降り、ウエットタイヤへの交換を余儀なくされる。

この混乱の中でコース上ではアクシデントが相次ぎ、2度のフルコースイエローとセーフティーカー導入、そして落雷による赤旗中断があり、最後は上位陣が62周を終了したところで3度目の赤旗が提示され、レースはそのまま終了となった。

その中、ポールポジションからスタートしたNo.23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は的確なタイミングで3度のピット作業を行い、終盤トップに返り咲いてフィニッシュ。これで松田は自己の待つGT500クラス最多勝を24勝に伸ばした。予選2番手のNo.3 Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)も最初のウエットタイヤへの交換と合わせて給油を行うなど、巧みなピット戦略を展開し、最後は2位でゴール。Nissan Z GT500勢がシーズン初戦を1-2フィニッシュで飾った。

3位にはシャシー交換によるペナルティストップから見事な追い上げを見せたNo.8 ARTA MUGEN NSX-GT(野尻智紀/大湯都史樹)が入った。TOYOTA GR Supra GT500勢はNo.36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)が一時トップに立つ活躍を見せたが、終盤に取り付けミスでタイヤが脱落してリタイヤ。それでもNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)が終始激しいバトルを繰り広げて4位を獲得した。

スーパーGT

GT300クラスの序盤はポールポジションのNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)の篠原が逃げるが天候の変化で後続は変わっていき、タイヤ交換のタイミングで65号車もトップを譲ることに。この天候にベストのピットイン、タイヤ選択を行ったのが予選18位のNo.18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻)。各車がルーティンのドライバー交代を終えるとトップに躍り出て、そのままゴール。チームとして5年ぶりの勝利で、難しい前半を凌ぎきった小出はなんとSUPER GTデビューウインとなった。2、3位は65号車、No.244 HACHI-ICHI GR Supra GT(佐藤公哉/三宅淳詞)が入った。

GT500クラス
No.23 MOTUL AUTECH Z
松田次生
「雨の中、たくさんの方に見に来ていただき、ありがとうございます。ただ、この雨だと難しい状況でしたので(途中終了はしょうがない)。(レース後半で)僕が乗った時も、とても微妙なコンディションでした。でも、ピットがすごく良い判断をしてくれました。23号車のクルーのみんなに感謝したいと思います。」

ロニー・クインタレッリ
「ドライ路面でレースをスタートして、途中から雨。スリックタイヤでは滑り易いので落ち着いて走り、レインタイヤに替えて最初は大変でしたが、(タイヤが)温まってからはどんどん行けて。本当に今回は作戦が完璧でした。この週末はクルマもスタッフもすべてが完璧でした」


GT300クラス
No.18 UPGARAGE NSX GT3
小林崇志
「このチームに移籍した(2018年)開幕戦の岡山で勝てたのですが、そこから惜しいレースは何度もあったのに勝てず、そろそろ監督の堪忍袋が切れるかと思っていました(苦笑)。(今大会は)天候にも翻弄されて予選も18番手でしたが、決勝に関しては天候を味方にして、その状況を的確に判断してトップに出られました。その判断をしてくれた石田監督やチームのみんなに感謝しています」

小出 峻
「本当に嬉しいです。今まででいっちばん嬉しいです! 天候に左右されるレースウィークでしたし、予選も18番と順調ではなかったです。でも、チームみんなで諦めずに戦いました。ドライバーもがんばったし、作戦も完璧で、ウチのチームは最強でした。本当に皆さんに感謝です」

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カテゴリー: F1 / SUPER GT