SUPER GT:日産/ニスモ 2021年 最終戦 富士スピードウェイ レポート
2021年SUPER GTシリーズ第8戦が11月27、28日に富士スピードウェイで開催された。秋晴れのもと、今シーズン2回目のレースとなった富士スピードウェイには、多くのファンが観戦に訪れた。今回はシリーズ最終戦で、規定によりサクセスウェイトは全車0kgとなる。
11月17日、日産/ニスモ陣営は来シーズンからSUPER GT GT500クラスの参戦車両変更を発表。
2008年から参戦を続けたR35型NISSAN GT-RはこのレースがGT500クラスでの最後の戦いとなり、#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田 次生 / ロニー・クインタレッリ)、#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手 晃平 / 千代 勝正)、#12 カルソニック IMPUL GT-R(平峰 一貴 / 松下 信治)、#24 リアライズコーポレーションADVAN GT-R(高星 明誠 / 佐々木 大樹)の4台が有終の美を飾るべく、シリーズ最終戦に挑んだ。
予選
11月27日午後3時3分から10分間のQ1が始まった。天候は晴れ、気温10度、路面温度13度と温度の低いコンディションで、タイヤ選択とウォームアップが難しい状況となった。GT-R勢は入念にタイヤのウォームアップを行い、セッション終盤にタイムアップを狙う。GT-R勢で最初にタイムを出したのは#3 GT-Rで、千代が4周目に1分26秒513をマークし、6位でQ2進出を果たした。#23 GT-Rは4周目に1分26秒770をマークし、5周目にもアタックを行ったがタイムアップは果たせず、コンマ1秒差で9位となりQ2進出を逃した。佐々木がアタックした#24 GT-Rが1分27秒096で13位、#12 GT-Rは平峰がアタックし1分27秒145で14位となっている。
午後3時41分から10分間のQ2が開始された。#3 GT-Rをドライブする平手は、5周目に1分26秒820のベストタイムをマークしたが、コンディションの変化によりQ1のタイムを更新できず、8位で予選を終えた。
決勝
翌日の決勝日も気温14度の秋晴れとなり、好コンディションの下、午後1時にフォーメーションラップが開始された。2周のフォーメーションラップの後にスタートが切られ、直後から激しいポジション争いが展開された。第1コーナーでの混乱の後、9番手スタートの#23 GT-Rは6番手に浮上、予選8位の#3 GT-Rは7番手、14番手スタートの#12 GT-Rは10番手にポジションを上げている。激しいポジション争いは続き、3周目には最終コーナーで3台が絡むアクシデントが発生。これによりGT-R勢のポジションも変動して、3周終了時点では#3 GT-Rが6番手、#23 GT-Rが8番手、#24 GT-Rが11番手、#12 GT-Rが12番手となった。
1周目の激しいポジション争いにより接触があり、#12 GT-Rにドライブスルーペナルティが科され14番手にダウン。レースは中盤に入り、ピットインのタイミングとなった。GT-R勢で最初にピットインしたのは#3 GT-Rで、23周目に入りドライバーが千代から平手にチェンジした。24周目には#23 GT-Rが、26周目には#12 GT-Rがピットイン。GT500クラスの最後までピットインを引き伸ばした#24 GT-Rは33周目にドライバー交代を行い、全車がピットインを終えた34周目の時点で、#3 GT-Rが6番手、#23 GT-Rが7番手、#24 GT-Rが12番手、#12 GT-Rが13番手となっている。
レース後半に入り、#3 GT-Rと#23 GT-Rは接近したポジション争いを展開する。40周目に#23 GT-Rの松田が#3 GT-Rをパスして6番手に浮上。この争いに他車も絡んで41周目には#3 GT-Rは9番手にポジションを落とす。46周目には#23 GT-Rが後続にパスされて7番手にダウン。レース終盤には再び#23 GT-Rと#3 GT-Rの激しい7番手争いとなった。55周目に#3 GT-Rが前に出て7番手を奪うと、56周目には再び#23 GT-Rが7番手を奪い返す白熱のバトルを展開。その差1秒以内の接近した戦いは66周のチェッカーフラッグまで続き、#23 GT-Rがポジションを守り切り7位、#3 GT-Rは8位となった。レース後半に追い上げた#12 GT-Rは9位まで挽回して入賞を果たし、#24 GT-Rは11位でフィニッシュした。
2021年シーズン全8戦が終了し、GT-R勢は2勝を挙げた。また第3戦鈴鹿では表彰台を独占する活躍を見せ、R35型NISSAN GT-RによるGT500クラス参戦は幕を閉じた。2008年から参戦したGT-Rは14シーズンを戦い、ポールポジションを36回獲得、優勝41回の輝かしい実績を挙げ、日産/ニスモ陣営はこのR35 GT-Rによってドライバーチャンピオンを5回、チームチャンピオンを4回獲得した。
松田 次生
「第2戦の富士では苦しい状況でしたが、今回はなんとかいいレースができ、23号車はGT-R勢トップでレースを終えることができたので、それが自分としては良かった点ですね。2008年からGT-Rでレースをやってきましたが、僕としてはGT-RとともにSUPER GTをしっかりと戦うことができたと思います。GT-Rでチャンピオンを2回獲り、計17勝を挙げさせてもらったので、本当に感謝しかありません。GT-Rの新たな伝説に貢献できたと思います。僕自身もこれからもっともっと良いレースができるように頑張ります」
ロニー・クインタレッリ
「予選から決勝まで、最後までみんな頑張ってベストを尽くして走ることができました。もちろんGT-Rでのレースが最後なので表彰台に乗りたかった思いはありますが、最終的に7位でのフィニッシュになりました。2レースぶりのポイントゲットでシーズンを終えることができて、自分としては本当に悔いのない最終戦でした。ファンの皆さんが最後まで応援してくれましたし、たくさんのファンがサーキットに来てくれて、とても感謝しています」
松村 基宏 日産SUPER GTチーム総監督
「今シーズン序盤は悔しいレースもありましたが、シーズンが進むにつれてマシンを進化させて戦闘力を上げたことで、拮抗した良いレースをすることができました。その成果としてシーズン2勝を挙げ、3勝目にも手が届くところまで到達できましたが、満足のいく結果とは言えませんでした。この開発の進化と成果をもとに、さらに速いマシンづくりを目指しますので、ご期待いただきたいと思います。R35型NISSAN GT-RによるGT500での戦いはこれで幕を下ろします。多くのご声援をいただいたファンの皆さまには、心より感謝申し上げます。また、今後も日産/ニスモのSUPER GT活動への応援をよろしくお願いいたします」
カテゴリー: F1 / SUPER GT
11月17日、日産/ニスモ陣営は来シーズンからSUPER GT GT500クラスの参戦車両変更を発表。
2008年から参戦を続けたR35型NISSAN GT-RはこのレースがGT500クラスでの最後の戦いとなり、#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田 次生 / ロニー・クインタレッリ)、#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手 晃平 / 千代 勝正)、#12 カルソニック IMPUL GT-R(平峰 一貴 / 松下 信治)、#24 リアライズコーポレーションADVAN GT-R(高星 明誠 / 佐々木 大樹)の4台が有終の美を飾るべく、シリーズ最終戦に挑んだ。
予選
11月27日午後3時3分から10分間のQ1が始まった。天候は晴れ、気温10度、路面温度13度と温度の低いコンディションで、タイヤ選択とウォームアップが難しい状況となった。GT-R勢は入念にタイヤのウォームアップを行い、セッション終盤にタイムアップを狙う。GT-R勢で最初にタイムを出したのは#3 GT-Rで、千代が4周目に1分26秒513をマークし、6位でQ2進出を果たした。#23 GT-Rは4周目に1分26秒770をマークし、5周目にもアタックを行ったがタイムアップは果たせず、コンマ1秒差で9位となりQ2進出を逃した。佐々木がアタックした#24 GT-Rが1分27秒096で13位、#12 GT-Rは平峰がアタックし1分27秒145で14位となっている。
午後3時41分から10分間のQ2が開始された。#3 GT-Rをドライブする平手は、5周目に1分26秒820のベストタイムをマークしたが、コンディションの変化によりQ1のタイムを更新できず、8位で予選を終えた。
決勝
翌日の決勝日も気温14度の秋晴れとなり、好コンディションの下、午後1時にフォーメーションラップが開始された。2周のフォーメーションラップの後にスタートが切られ、直後から激しいポジション争いが展開された。第1コーナーでの混乱の後、9番手スタートの#23 GT-Rは6番手に浮上、予選8位の#3 GT-Rは7番手、14番手スタートの#12 GT-Rは10番手にポジションを上げている。激しいポジション争いは続き、3周目には最終コーナーで3台が絡むアクシデントが発生。これによりGT-R勢のポジションも変動して、3周終了時点では#3 GT-Rが6番手、#23 GT-Rが8番手、#24 GT-Rが11番手、#12 GT-Rが12番手となった。
1周目の激しいポジション争いにより接触があり、#12 GT-Rにドライブスルーペナルティが科され14番手にダウン。レースは中盤に入り、ピットインのタイミングとなった。GT-R勢で最初にピットインしたのは#3 GT-Rで、23周目に入りドライバーが千代から平手にチェンジした。24周目には#23 GT-Rが、26周目には#12 GT-Rがピットイン。GT500クラスの最後までピットインを引き伸ばした#24 GT-Rは33周目にドライバー交代を行い、全車がピットインを終えた34周目の時点で、#3 GT-Rが6番手、#23 GT-Rが7番手、#24 GT-Rが12番手、#12 GT-Rが13番手となっている。
レース後半に入り、#3 GT-Rと#23 GT-Rは接近したポジション争いを展開する。40周目に#23 GT-Rの松田が#3 GT-Rをパスして6番手に浮上。この争いに他車も絡んで41周目には#3 GT-Rは9番手にポジションを落とす。46周目には#23 GT-Rが後続にパスされて7番手にダウン。レース終盤には再び#23 GT-Rと#3 GT-Rの激しい7番手争いとなった。55周目に#3 GT-Rが前に出て7番手を奪うと、56周目には再び#23 GT-Rが7番手を奪い返す白熱のバトルを展開。その差1秒以内の接近した戦いは66周のチェッカーフラッグまで続き、#23 GT-Rがポジションを守り切り7位、#3 GT-Rは8位となった。レース後半に追い上げた#12 GT-Rは9位まで挽回して入賞を果たし、#24 GT-Rは11位でフィニッシュした。
2021年シーズン全8戦が終了し、GT-R勢は2勝を挙げた。また第3戦鈴鹿では表彰台を独占する活躍を見せ、R35型NISSAN GT-RによるGT500クラス参戦は幕を閉じた。2008年から参戦したGT-Rは14シーズンを戦い、ポールポジションを36回獲得、優勝41回の輝かしい実績を挙げ、日産/ニスモ陣営はこのR35 GT-Rによってドライバーチャンピオンを5回、チームチャンピオンを4回獲得した。
松田 次生
「第2戦の富士では苦しい状況でしたが、今回はなんとかいいレースができ、23号車はGT-R勢トップでレースを終えることができたので、それが自分としては良かった点ですね。2008年からGT-Rでレースをやってきましたが、僕としてはGT-RとともにSUPER GTをしっかりと戦うことができたと思います。GT-Rでチャンピオンを2回獲り、計17勝を挙げさせてもらったので、本当に感謝しかありません。GT-Rの新たな伝説に貢献できたと思います。僕自身もこれからもっともっと良いレースができるように頑張ります」
ロニー・クインタレッリ
「予選から決勝まで、最後までみんな頑張ってベストを尽くして走ることができました。もちろんGT-Rでのレースが最後なので表彰台に乗りたかった思いはありますが、最終的に7位でのフィニッシュになりました。2レースぶりのポイントゲットでシーズンを終えることができて、自分としては本当に悔いのない最終戦でした。ファンの皆さんが最後まで応援してくれましたし、たくさんのファンがサーキットに来てくれて、とても感謝しています」
松村 基宏 日産SUPER GTチーム総監督
「今シーズン序盤は悔しいレースもありましたが、シーズンが進むにつれてマシンを進化させて戦闘力を上げたことで、拮抗した良いレースをすることができました。その成果としてシーズン2勝を挙げ、3勝目にも手が届くところまで到達できましたが、満足のいく結果とは言えませんでした。この開発の進化と成果をもとに、さらに速いマシンづくりを目指しますので、ご期待いただきたいと思います。R35型NISSAN GT-RによるGT500での戦いはこれで幕を下ろします。多くのご声援をいただいたファンの皆さまには、心より感謝申し上げます。また、今後も日産/ニスモのSUPER GT活動への応援をよろしくお願いいたします」
カテゴリー: F1 / SUPER GT