SUPER GT
アウディ ジャパンは新型Audi R8 LMSでSUPER GTのGT300クラスに挑戦するカスタマー(プライベート)チームを支援している。7月22日(土)、7月23日(日)、スポーツランド菅生(宮城県 1周3,704m)で2017 AUTOBACS SUPER GT第4戦となる「SUGO GT 300km Race」が開催された。

今大会にも新型Audi R8 LMSを擁する#21 Audi Team Hitotsuyama(アウディ チーム ヒトツヤマ)と、#26 Team TAISAN SARD(チーム タイサン サード)の2チームが参戦。

雨の予報もある一方で、公式練習は気温30℃を超える猛暑、公式予選は雨がわずかに降り出すもドライコンディションのまま進んだ。

そして決勝は雨と、チームもタイヤの選択に頭を悩ませる難しい状況の中、東北でのSUPER GTの開催を待ちわびた多くのファンが訪れた。

予選ではAudi Team Hitotsuyamaのリチャード・ライアンがさすがの走りで見事にQ1を突破。しかし、Q2ではマシントラブルが発生し、柳田真孝はタイム計測できず予選13位となった。

決勝レースはドライかレインか、タイヤの選択が非常に難しいスタートとなった。レインタイヤを選択したAudi Team Hitotsuyamaは第1スティントを柳田真孝に託しました。レーススタート後、すぐにセーフティカーが入るなど荒れた展開となったが、ベテランらしく落ち着いたペースで周回を重ねていたところ、不運にも接触アクシデントが発生。その後のリチャード・ライアンのスティントでは右の後輪が外れるというトラブルが発生。3輪走行でピットまで戻ったものの、運悪くセーフティカー走行中のピットインでペナルティの対象となり、大きく順位を下げてしまう。しかしリチャード・ライアンは、最後まで諦めることなく上位を上回るタイムを連発し20位でレースを終えた。

Audi R8 LMS で2年目の参戦となるTeam TAISAN SARDは、今シーズンより昨年のGT500クラスのチャンピオンチームであるSARDの野田英樹監督をチームへ招聘。さらにドライバーラインナップも山田真之亮とジェイク・パーソンという共に20代の若手コンビでの挑戦となる。決勝は第1スティントを山田真之亮が担当。他のチームがレインタイヤを選択する中、あえてスリックタイヤで勝負に出た。しかし、路面が乾くまでに思いの外時間がかかり、チームは苦戦を強いられた。他のチームはコースアウトするなど、厳しいコンディションの中を無事に走りきった山田真之亮から第2スティントは、ジェイク・パーソンへとバトンタッチします。後半は路面コンディションも改善し、順調にラップを重ねていく。時に上位チームに匹敵するタイムを刻み18位で完走を果たした。

Audi Team Hitotsuyama
一ツ山亮次 (チーム代表)
「今日は決勝スタート前から路面が濡れており、判断に迷いましたがリスクをおかさずレインタイヤを選択し、順調にラップを重ねていました。ところが接触でこのレースは流れが大きくかわってしまいました。リチャード・ライアンのリアタイヤが外れてしまった件も、接触の影響によるものなのか、現在原因を究明しています。テストも順調でしたし、菅生でいいところを見せたかったのですがとても残念です。しかし、競合に打ち勝つだけのマシンのパフォーマンスがあることはわかりましたので、まずは次戦の富士でポイントをとりにいきたいと思います」

リチャード・ライアン
「この結果は本当に残念です。チャンスにホイールが外れてしまい、勝機を失ってしまいました。ただし、Audi R8 LMSには、ドライでもウェットでも速く走れるパフォーマンスがあります。私自身にできることは、すべてのラップ、すべてのコーナーを全力でアタックするだけです。チームもわれわれもモチベーションは落ちていないので、プッシュしつづけていきます。数日後にはWRTとスパ24時間レースに参加するので、そこでいい結果を出して、その勢いのまま富士に臨みたいと思っています」

柳田真孝
「ウェットタイヤでのスタートで、直後は自分が思っているほどはペースがあがりませんでしたが、しかし忍耐強く、いいリズムで走ることができました。路面が乾きだしタイムも良くなってきたところで追突されて、その上ペナルティを課せられてしまいました。4戦連続でポイントを取れていないのはとてもつらいです。ただし、Audi R8 LMSのポテンシャルの高さはウェットでもドライでも確認できましたし、あきらめることなく、チーム全体でさまざまな点を見直して後半戦も頑張っていきます」

Team TAISAN SARD
野田英樹 (チーム監督)
「車両のバランスが良くなってきており、練習走行では5番手のタイムを記録しました。予選はさらに上位を目指して攻めたのですが、タイヤの良い所を活かしきれず非常に悔しい結果となりました。決勝当日はとても不安定な天候で、スタート直前で雨が降り出しましたが、30分ほどで止むと想定し、我々はドライタイヤをチョイスしました。スタート後、暫くは我慢の走行でしたが次第に路面が乾き始め、これから挽回という時に更に雨が落ち始めました。今回は積極的に攻める作戦を取りましたが、結果としては裏目に出てしまいました。ただし、このレースでマシンの良いセットアップが見つかった事により、チームのモチベーションも上がっております。次戦に向けて、自信を持って挑みたいと思います」

山田真之亮
「練習走行ではすごくいいタイムで走行できていたのですが、そのフィーリングで挑んだ予選はうまく噛み合わず残念な結果となりました。決勝はスリックタイヤでスタートとして我慢のレースでしたが、他のスリックを履いたマシンを追抜き、さらにいいペースで走ることができたのは、自分にとっても自信につながりました。今日の難しい状況は、これからの富士や鈴鹿1000kmレースを見越したときのいいテストにもなったと思います。流れは決して悪くないので次もしっかり走り切りたいと思います」

ジェイク・パーソン
「タイヤの選択がとても重要なレースでした。とても難しいコンディションでしたが、ポシティブにとらえれば、ドライもそしてこうしたウェットコンディションを経験できることは、チームとしてはデータを取得できますし、自分自身のドライビングスキルの向上にも役に立つと感じています。富士はこれまでにも何度か走行した経験があるので、いいポジションからスタートできるようがんばります」

SUPER GT第5戦は8月5日(土)~6日(日)、静岡県の富士スピードウェイにて開催予定。

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カテゴリー: F1 / SUPER GT