スーパーフォーミュラ 第5戦 岡山 レース2 結果:国本雄資が初優勝
スーパーフォーミュラ第5戦 レース2が11日(日)が、岡山国際サーキットで行われた。
気温33℃、路面温度41℃というコンディションの下、午後3時にフォーメーションラップがスタートする。前日のレース1より長い51周、タイヤ交換義務付けありのレース2が進行する。1周の隊列走行を終えると、今日は無事に全車正規グリッドに着き、シグナルオールレッドからブラックアウト。ここでホールショットを奪ったのは、ポールポジションの野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。
2番グリッドの石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)、4番グリッドのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、5番グリッドの国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)、6番グリッドのストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と続いた。
スタートに定評がある3番グリッドのジェームス・ロシター(KONDO RACING)は、クラッチをつないでも全く加速せず、6番手までポジションを落としている。また、9番グリッドのベルトラン・バゲット(NAKAJIMA RACING)も、エンジンストール。一旦ピットに押し戻されることとなり、最後尾までポジションを落とした。
レースはオープニングラップを終えようかというところで、早くも大きく動く。国本、No.20 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)、山本尚貴(TEAM 無限)、伊沢拓也(REAL RACING)、ウィリアム・ブラー(KONDO RACING)がピットイン。タイヤ交換を終えて、コースに戻る。
この時、関口雄飛はピット作業に時間が掛かり、ポジションダウン。国本、一貴、山本、伊沢、関口、ブラーの順でコースへと戻った。また、その翌周には、予選13番手からスタートしたアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)と中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)がピットイン。タイヤ交換を終えると、ロッテラーは一貴のすぐ前でコースに戻る。しかし、ロッテラーは、アウトラップのヘアピンで、一貴の先行を許した。
この時点で、トップ集団は野尻、石浦が接近戦を演じており、デ・オリベイラ、バンドーン、ロシター、ナレイン・カーティケヤン(SUNOCO TEAM LEMANS)が、それを追う展開。しかし、1周目でタイヤ交換をしたドライバーたちの方が、ラップペースが大幅に早く、国本や一貴は1分17秒台のタイムを連発。これに対して、トップ集団は18秒台真ん中から19秒台というラップタイム。それを見て、6番手を走っていたカーティケヤンは、6周を終えようかというところでピットに入ったが、戻った時には山本の前。アウトラップで山本にかわされたため、ピットインした中では5番手というポジションになってしまう。その後も、国本らのペースが速く、ピットのロスタイムを考えると10周過ぎにはすでにトップに出られる計算となっていた。
そのため、3番手を走行中、14周を終えようかというところでピットに入ったデ・オリベイラは、ロッテラーと山本の間、実質4番手でしかコースに戻れず、20周を終えようかというところでピットに入ったバンドーンは、実質7番手までドロップ。同じ周にピットに入ったロシターも、タイヤ交換作業に手間取り、大きくポジションを落とした。さらに、21周を終えようかというところでは、トップを走っていた野尻がピットに入ったが、コースに戻った時には、国本と一貴の先行を許してしまっていた。
これでトップに立ったのは石浦。石浦は前が空いたことでプッシュを開始。国本との差を広げ、ピットインのためのセーフティーマージンを築きたいところだった。しかし、国本とのタイム差は27秒台から動かない。2人のペースはほぼイーブン。その分、石浦がどのタイミングでピットに入るかに注目が集まる。そんな中、30周目の2コーナー立ち上がりで、カーティケヤンが縁石に乗ってスピン、コース上にストップしてしまった。
これを見て、石浦はピットイン。と同時に、コースにはセーフティーカーが導入される。石浦がピットロードを出た時には、国本と一貴が先行。さらに、コースに入ってすぐ、野尻も1コーナーで石浦の前に出た。しかし、すでにセーフティーカーは導入されており、コース全域がイエローフラッグ扱い。そのため、野尻が石浦を抜いたことに関しては検証が行われることになった。
カーティケヤンのマシン回収が終わり、リスタートが切られたのは、34周終了時。残り17周のバトルが始まる。国本は上手い加速でトップをキープ、一貴、野尻、石浦、ロッテラー、デ・オリベイラがそれに続く。中でも、タイヤ交換をしたばかりの石浦は、野尻を攻略しようとヘアピンなどで激しく攻め立てるが、なかなかオーバーテイクまでには至らなかった。しかし、40周目に入ると、野尻にドライブスルーペナルティーの裁定が下される。野尻は41周を終えるところでピットインし、ペナルティーを消化したが、入賞圏外まで後退してしまった。一方、これで前が空いた石浦は、猛プッシュ。4秒余りに開いていた一貴との差をみるみる縮めて行く。45周を終えたところでは、コンマ4秒余りというところまで迫り、ヘアピンやレッドマンコーナーでオーバーテイクの機会をうかがった。しかし、一貴は絶妙なライン取りでこれをブロック。石浦に付け入る隙を与えない。ファイナルラップに入ると、一貴は残していた2発のオーバーテイクボタンを駆使して走り切った。
そして、1周を終えてのピットインから終始、安定したラップを刻んだ国本が嬉しいシリーズ戦初優勝。一貴が予選11番手からリカバリーして2位、石浦は残念ながら予選よりもひとつ落として3位でフィニッシュ。以下、ロッテラー、デ・オリベイラ、山本、バンドーン、伊沢までがポイントを獲得した。
シリーズランキングでは、国本がトップ。石浦が2位、ロッテラーが3位、関口が4位、バンドーンが5位、山本が6位、一貴が7位、デ・オリベイラが8位。相変わらず混沌としている。
国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)
「すごくうれしいです。去年も全然結果が出なかったし、今年も(チームメイトの)石浦(宏明)さんにリードされるのかなと不安なシーズンのスタートでした。シーズンはじめからうまく行ったし、つらいときもチームが支えてくれて、たくさんの方にも支えてもらい、チャンスをいただき、優勝できてホットしているし、うれしいです。今日のレースは5番手からスタートを切り、チームの作戦で1周目に入るということになりました。それが本当にうまくいったし、その後もいいペースで後ろを離すことができました。作戦も完璧だったし、レースペースもスゴク良くて、満足のいくレースになりました。また、自分が速く走るということよりも、昨日のレース1で5位からスタートした人を見て、何周目にどのくらいのギャップがあるかというデータを参考にして、前に出れる可能性がかなりあると思い、それに賭けることにしました。その後の自分もいいペースで走ることができたので、本当にすべてがうまくいったと思います。他のドライバーがピットに戻り、自分が2位になった時点でチームから今のポジションを教えてもらったんですが、石浦さんがどこにいるのかはわかりませんでした。なのでかなりプッシュして走っていたのですが、石浦さんがピットから出てくるまで、自分がトップに立ったということはわかりませんでした。また、セーフティカーが入ったのですが、あれはイヤですよね(苦笑)。ただただそういう心境でした。でも後ろの一貴選手とは徐々にギャップが開いていってたし、自分のほうがペースが速いということがわかっていたので、(再スタートでは)とりあえず気合いで1周目だけ行くしかないなと思いました。加速のポイントだけは気にしていました。いつも勝てるように努力してきましたが、今回は作戦がすごくうまくいったし、クルマも週末を通してすごく良かったし、自信を持って戦えたことが一番の勝因だと思います。これからもガンガン行きます」
カテゴリー: F1 / スーパーフォーミュラ
気温33℃、路面温度41℃というコンディションの下、午後3時にフォーメーションラップがスタートする。前日のレース1より長い51周、タイヤ交換義務付けありのレース2が進行する。1周の隊列走行を終えると、今日は無事に全車正規グリッドに着き、シグナルオールレッドからブラックアウト。ここでホールショットを奪ったのは、ポールポジションの野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。
2番グリッドの石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)、4番グリッドのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、5番グリッドの国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)、6番グリッドのストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と続いた。
スタートに定評がある3番グリッドのジェームス・ロシター(KONDO RACING)は、クラッチをつないでも全く加速せず、6番手までポジションを落としている。また、9番グリッドのベルトラン・バゲット(NAKAJIMA RACING)も、エンジンストール。一旦ピットに押し戻されることとなり、最後尾までポジションを落とした。
レースはオープニングラップを終えようかというところで、早くも大きく動く。国本、No.20 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)、山本尚貴(TEAM 無限)、伊沢拓也(REAL RACING)、ウィリアム・ブラー(KONDO RACING)がピットイン。タイヤ交換を終えて、コースに戻る。
この時、関口雄飛はピット作業に時間が掛かり、ポジションダウン。国本、一貴、山本、伊沢、関口、ブラーの順でコースへと戻った。また、その翌周には、予選13番手からスタートしたアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)と中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)がピットイン。タイヤ交換を終えると、ロッテラーは一貴のすぐ前でコースに戻る。しかし、ロッテラーは、アウトラップのヘアピンで、一貴の先行を許した。
この時点で、トップ集団は野尻、石浦が接近戦を演じており、デ・オリベイラ、バンドーン、ロシター、ナレイン・カーティケヤン(SUNOCO TEAM LEMANS)が、それを追う展開。しかし、1周目でタイヤ交換をしたドライバーたちの方が、ラップペースが大幅に早く、国本や一貴は1分17秒台のタイムを連発。これに対して、トップ集団は18秒台真ん中から19秒台というラップタイム。それを見て、6番手を走っていたカーティケヤンは、6周を終えようかというところでピットに入ったが、戻った時には山本の前。アウトラップで山本にかわされたため、ピットインした中では5番手というポジションになってしまう。その後も、国本らのペースが速く、ピットのロスタイムを考えると10周過ぎにはすでにトップに出られる計算となっていた。
そのため、3番手を走行中、14周を終えようかというところでピットに入ったデ・オリベイラは、ロッテラーと山本の間、実質4番手でしかコースに戻れず、20周を終えようかというところでピットに入ったバンドーンは、実質7番手までドロップ。同じ周にピットに入ったロシターも、タイヤ交換作業に手間取り、大きくポジションを落とした。さらに、21周を終えようかというところでは、トップを走っていた野尻がピットに入ったが、コースに戻った時には、国本と一貴の先行を許してしまっていた。
これでトップに立ったのは石浦。石浦は前が空いたことでプッシュを開始。国本との差を広げ、ピットインのためのセーフティーマージンを築きたいところだった。しかし、国本とのタイム差は27秒台から動かない。2人のペースはほぼイーブン。その分、石浦がどのタイミングでピットに入るかに注目が集まる。そんな中、30周目の2コーナー立ち上がりで、カーティケヤンが縁石に乗ってスピン、コース上にストップしてしまった。
これを見て、石浦はピットイン。と同時に、コースにはセーフティーカーが導入される。石浦がピットロードを出た時には、国本と一貴が先行。さらに、コースに入ってすぐ、野尻も1コーナーで石浦の前に出た。しかし、すでにセーフティーカーは導入されており、コース全域がイエローフラッグ扱い。そのため、野尻が石浦を抜いたことに関しては検証が行われることになった。
カーティケヤンのマシン回収が終わり、リスタートが切られたのは、34周終了時。残り17周のバトルが始まる。国本は上手い加速でトップをキープ、一貴、野尻、石浦、ロッテラー、デ・オリベイラがそれに続く。中でも、タイヤ交換をしたばかりの石浦は、野尻を攻略しようとヘアピンなどで激しく攻め立てるが、なかなかオーバーテイクまでには至らなかった。しかし、40周目に入ると、野尻にドライブスルーペナルティーの裁定が下される。野尻は41周を終えるところでピットインし、ペナルティーを消化したが、入賞圏外まで後退してしまった。一方、これで前が空いた石浦は、猛プッシュ。4秒余りに開いていた一貴との差をみるみる縮めて行く。45周を終えたところでは、コンマ4秒余りというところまで迫り、ヘアピンやレッドマンコーナーでオーバーテイクの機会をうかがった。しかし、一貴は絶妙なライン取りでこれをブロック。石浦に付け入る隙を与えない。ファイナルラップに入ると、一貴は残していた2発のオーバーテイクボタンを駆使して走り切った。
そして、1周を終えてのピットインから終始、安定したラップを刻んだ国本が嬉しいシリーズ戦初優勝。一貴が予選11番手からリカバリーして2位、石浦は残念ながら予選よりもひとつ落として3位でフィニッシュ。以下、ロッテラー、デ・オリベイラ、山本、バンドーン、伊沢までがポイントを獲得した。
シリーズランキングでは、国本がトップ。石浦が2位、ロッテラーが3位、関口が4位、バンドーンが5位、山本が6位、一貴が7位、デ・オリベイラが8位。相変わらず混沌としている。
順位. | No. | ドライバー | チーム |
---|---|---|---|
1 | 2 | 国本 雄資 | P.MU/CERUMO・INGING |
2 | 37 | 中嶋 一貴 | VANTELIN TEAM TOM’S |
3 | 1 | 石浦 宏明 | P.MU/CERUMO・INGING |
4 | 36 | アンドレ・ロッテラー | VANTELIN KOWA TOM’S |
5 | 19 | J.P.デ・オリベイラ | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL |
6 | 16 | 山本 尚貴 | TEAM 無限 |
7 | 41 | ストフェル・バンドーン | DOCOMO DANDELION |
8 | 11 | 伊沢 拓也 | REAL RACING |
9 | 20 | 関口 雄飛 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL |
10 | 3 | ジェームス・ロシター | KONDO RACING |
11 | 10 | 塚越 広大 | REAL RACING |
12 | 64 | 中嶋 大祐 | NAKAJIMA RACING |
13 | 18 | 中山 雄一 | KCMG |
14 | 34 | 小暮 卓史 | DRAGO CORSE |
15 | 4 | ウィリアム・ブラー | KONDO RACING |
16 | 40 | 野尻 智紀 | DOCOMO DANDELION |
17 | 8 | 小林 可夢偉 | SUNOCO Team LeMans |
18 | 65 | ベルトラン・バゲット | NAKAJIMA RACING |
以上完走 | |||
7 | ナレイン・カーティケヤン | SUNOCO Team LeMans |
国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)
「すごくうれしいです。去年も全然結果が出なかったし、今年も(チームメイトの)石浦(宏明)さんにリードされるのかなと不安なシーズンのスタートでした。シーズンはじめからうまく行ったし、つらいときもチームが支えてくれて、たくさんの方にも支えてもらい、チャンスをいただき、優勝できてホットしているし、うれしいです。今日のレースは5番手からスタートを切り、チームの作戦で1周目に入るということになりました。それが本当にうまくいったし、その後もいいペースで後ろを離すことができました。作戦も完璧だったし、レースペースもスゴク良くて、満足のいくレースになりました。また、自分が速く走るということよりも、昨日のレース1で5位からスタートした人を見て、何周目にどのくらいのギャップがあるかというデータを参考にして、前に出れる可能性がかなりあると思い、それに賭けることにしました。その後の自分もいいペースで走ることができたので、本当にすべてがうまくいったと思います。他のドライバーがピットに戻り、自分が2位になった時点でチームから今のポジションを教えてもらったんですが、石浦さんがどこにいるのかはわかりませんでした。なのでかなりプッシュして走っていたのですが、石浦さんがピットから出てくるまで、自分がトップに立ったということはわかりませんでした。また、セーフティカーが入ったのですが、あれはイヤですよね(苦笑)。ただただそういう心境でした。でも後ろの一貴選手とは徐々にギャップが開いていってたし、自分のほうがペースが速いということがわかっていたので、(再スタートでは)とりあえず気合いで1周目だけ行くしかないなと思いました。加速のポイントだけは気にしていました。いつも勝てるように努力してきましたが、今回は作戦がすごくうまくいったし、クルマも週末を通してすごく良かったし、自信を持って戦えたことが一番の勝因だと思います。これからもガンガン行きます」
カテゴリー: F1 / スーパーフォーミュラ