オスカー・ピアストリ F1オーストリアGP決勝「全力は尽くしたが届かなかった」

前戦カナダGPで接触があったマクラーレンの2人だが、今回のレースではレッドブル・リンクで何度も緊迫したバトルを繰り広げ、ピアストリは予選でのイエローフラッグに悔しさをにじませながら、決勝では挽回に燃えていた。
グリッド3番手からスタートしたピアストリは、すぐさまポジションを上げる。スタート直後にシャルル・ルクレールがノリスに仕掛けたものの失敗に終わると、その隙を突いてフェラーリをかわし、チームメイトへの長い攻撃を開始した。
オーストラリア出身のピアストリは徐々に距離を詰めていき、11周目にはターン1でノリスが小さなミスをしたのを見逃さず、ついに一瞬だけ首位に浮上した。しかし、ノリスもすぐに反撃し、ターン4ではサイド・バイ・サイドの接戦の末、再びトップの座を奪い返した。
レース後、ピアストリはこのバトルを「激しかった」と振り返り、次のように語った。
「観てる側にとって面白かったなら良かったけど、マシンの中では本当に大変だった。全力を尽くした」
「一瞬前に出たときにもう少しうまくやれたと思うけど、いいバトルだった。ギリギリの場面もあったし、限界を少し超えたところもあったけど、いいレースだった」
その「ギリギリの」瞬間のひとつが20周目に起きた。ピアストリがオーバーテイクを仕掛ける途中でブレーキをロックさせ、ノリスのマシンのリアにぶつかりそうになる場面があった。接触は回避され、ノリスはその直後にピットイン。一方のピアストリは4周引っ張ってからタイヤ交換を行った。

ピアストリは後半スティントでタイヤの新しさを武器にするつもりだったが、ピットストップに時間がかかり、ノリスより6秒遅れてコースに復帰。その後差を詰めたものの、周回遅れの処理に手間取り、DRS圏内に戻ることはできなかった。
優勝こそ逃したものの、ピアストリは内容に満足しており、次のように語った。
「これが僕たちがやるべきことだ。レースして、勝ちをかけて戦う。それが今日できた。惜しかったけど、届かなかった」
「チームには感謝してる。あれだけバトルしながら、あれだけのペースを保てたのは本当にすごい。今のクルマにはとても感謝してる」
また、今回のようなレース展開を予想していたかと問われると、こう答えた。
「そうなるかもしれないとは思ってた。昨日の予選はイエローフラッグで運がなかったけど、今週末のペース自体は良かったと思う」
「DRS圏内にいられたときはすごくいい感触だった。でも最初のピットストップのあとにそこから外れると、また差を詰めるのは大変だった。いくつか見直して、もっとできたことがなかったか確認したい」
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