トヨタ:2021年 スーパーフォーミュラ 第2戦 鈴鹿 レポート
2021年 スーパーフォーミュラの第2戦が鈴鹿サーキットで行われ、4番手スタートの平川 亮(carenex TEAM IMPUL)が2位表彰台を獲得。関口 雄飛(carenex TEAM IMPUL)が4位。宮田 莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM'S)が6位、坪井 翔(P.MU/CERUMO・INGING)が7位、今大会代役参戦でスーパーフォーミュラ初出場となったジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM'S)が9位に入りポイント獲得を果たした。

スーパーフォーミュラの第2戦が4月24日(土)、25日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催された。

今大会は、FIA世界耐久選手権(WEC)出場のため中嶋一貴と小林可夢偉が欠場。また、サッシャ・フェネストラズも入国制限のため出場できず、代役としてジュリアーノ・アレジがKuo VANTELIN TEAM TOM'Sの36号車、小高 一斗がKCMGの7号車、中山 雄一がKONDO RACINGの4号車をドライブする。

前大会から3週間のインターバルで行われた今大会は、新型コロナウィルス感染症の影響で開幕が遅れた昨年を除き、例年スーパーフォーミュラの開幕戦として行われてきた鈴鹿での、2年ぶりの春開催となった。また、スーパーフォーミュラ・ライツに加えて二輪の全日本スーパーバイクも同一イベントで行われる"2&4"としても2年ぶりの開催となり、本格的なモータースポーツシーズンの到来を感じさせるイベントとなった。

イベント広場では発表されたばかりのGR 86に加え、GRスープラ、GRヤリスや、各メーカー車両、二輪車なども数多く展示され、天候に恵まれた鈴鹿サーキットに集まったモータースポーツファンの皆様の注目を集めていた。

予選
24日(土)午後3時10分より、ノックアウト方式の予選が行われた。フリー走行が行われた午前中に比べると、空にはやや雲がかかり、風が強くなってきたものの、気温21度、路面温度27度と過ごしやすいコンディションでアタックが繰り広げられた。

Q1は2グループに分けて実施し、それぞれ10分間のアタックで上位7台がQ2へと進出。A組では平川がトップタイムをマーク。今回代役として初めてスーパーフォーミュラの予選に挑んだアレジが2番手と好走を見せた。国本 雄資(KCMG)が4番手、坪井が5番手につけQ2へと進出。大嶋 和也(NTT Communications ROOKIE)は最後の最後にライバルに上回られ8番手。9番手の中山と共にQ1敗退となった。

B組ではチェッカーが振られたあと激しく順位が入れ替わるアタック合戦となったが、関口が2番手。山下 健太(KONDO RACING)が最後に6番手に飛びんだ。好走を見せながら最終コーナー付近で他の車両にひっかかりタイムをロスした宮田は7番手で辛うじてQ2へ進出。阪口 晴南(P.MU/CERUMO・INGING)は惜しくも8番手、小高が9番手でQ2進出はならなかった。

Q2では関口が1分36秒台に入れ4番手。アレジが5番手につけ、初のスーパーフォーミュラながらQ3進出。平川は6番手、宮田が8番手で続き、トヨタ勢は4台がQ3へと進むこととなった。坪井は11番手、国本が13番手、山下は14番手でグリッドが確定した。

午後4時を過ぎましたが、日差しが路面を照らすようになったQ3でも、各車終盤ぎりぎりのアタックで、チェッカー後にタイムが塗り替えられていく。Q2までのタイムを塗り替えた平川がトヨタ勢の最上位となる2列目4番手。宮田が6番手、関口とアレジが7,8番手で4列目から決勝レースのスタートを切ることとなった。

決勝
25日(日)も好天に恵まれた。風が強いものの晴れ渡った青空の下、気温23度、路面温度31度の好コンディションで、午後2時30分に30周で競われる決勝レースのスタートが切られた。

スタートでは3番手グリッドの車両が遅れ、好スタートを切った平川が3位、関口も7番手グリッドから5位へとポジションアップ。11番手スタートの坪井が7位へと大きく順位を上げた。

9周目、トップを走行していた車両がタイヤバーストによりリタイア。これで平川は2位へ。

翌10周目を終えたところで、義務づけられているタイヤ交換が可能となり、後続勢と4位につけていた関口がピットイン。

13周目に首位の車両がピットインしたため、これを追っていた平川は翌周ピットへ向かい、実質的に2位のポジションを守ったままコースへと復帰。これでピットインしていないのは宮田とアレジの2台のみとなった。

15周目、13番手スタートから3つポジションを上げ、10位を走行していた国本が右リアタイヤのトラブルに見舞われ高速130Rコーナーでスピンを喫し、タイヤバリアに激しくクラッシュ。国本は無事だったが、ポイント圏内から惜しくもレースを終えることとなってしまった。

このアクシデントによりセーフティカーが導入。このタイミングでピットへと向かった宮田とアレジは、それぞれ6位、11位と好位置でコースに復帰した。

19周を終えてセーフティカーが退去。残り11周でのスプリントレースとなった。各車のマージンが狭まったことで、各所でオーバーテイクシステムを使った見応えあるバトルが展開。2位の平川も自己ベストタイムを更新しながら首位を追った。

このスプリントバトルの中で好走を見せ、観客を沸かせたのは今大会がスーパーフォーミュラ初レースのアレジ。この大会ではスーパーフォーミュラ・ライツと両レースに出場という多忙なスケジュールをこなすアレジは、スタートで遅れたものの、11位での再スタート後は素晴らしい追い上げを見せ、25周目には山下とサイド・バイ・サイドのままS字を抜けていく競り合いを制し10位へ。その後、27周目にはオーバーテイクシステムを上手く使って9位へとポジションを上げて見せた。

最後まで多くのバトルが繰り広げられた好レースで、平川は最後トップとの差を1秒ほどにまで詰めましたが逆転はならず、2位でフィニッシュ。前戦富士に続くトヨタ勢最上位フィニッシュで、ドライバーズランキングでも2位に浮上した。

関口が4位。宮田が6位。坪井は後続からの猛追で、ほぼ並んだままチェッカーを受けたが、1000分の3秒差で守り切り7位。アレジは初のスーパーフォーミュラ戦で9位に入り、ポイント獲得を果たした。

carenex TEAM IMPUL 20号車 ドライバー 平川亮
久しぶりに表彰台に登れてよかったです。前回の富士もそうですが、自分たちのベストは尽くせたと思っています。前回はスタートを失敗したので今回はスタートを大事にする意識で臨み、大湯選手の前に出られました。その後ラッキーもあって2位に上がってからは、首位の野尻選手についていってチャンスがあれば抜きたかったのですが、風も強かったし、前に近づくとダウンフォースが抜けてしまう、その繰り返しで、前車と1秒以内には全然入れないままのフィニッシュでした。次戦のオートポリスも好きなサーキットです。去年は自分のミスもあり予選を失敗してしまったのですが、そこは何とか改善できるでしょうし、うまくやれれば勝てると思っているので楽しみです。

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / スーパーフォーミュラ