メルセデスF1 スパで発覚のソフトウェア不具合は2台共通 ラッセル側で深刻化

不具合は、パワーユニットのエネルギー供給を制御するソフトウェアに関するものだった。
2台には同一のコードが搭載されていたが、アントネッリが比較的新しいパワーユニットを使用していた一方、ラッセルのユニットは走行距離が多く、ソフトウェアの問題と重なったことでエネルギー供給性能が大きく低下した。
シルバーストンでも兆候 スパで問題が顕在化
メルセデスの副テクニカルディレクターを務めるシモーネ・レスタは、チームが不具合を特定するまでに直面した技術的な難しさについて説明した。
「誰もが知っている通り、パワーユニットに関しては非常に複雑な新レギュレーションになっている」
「まだかなり初期の段階だ。ここまで10戦を終えただけで、学ぶべきことは数多くある。我々自身も、HPPの仲間たちとともに、今も多くのことを学んでいる」
「ソフトウェアにバグが見つかり、それに対応しなければならなかった。シルバーストンの時点ですでに兆候はあったが、スパでは問題がより明確になった」
スパ・フランコルシャンは、パワーユニットによるラップタイム差が特に大きくなりやすいサーキットのひとつである。長い全開区間を持つため、エネルギー供給の不足は最高速や加速性能に直接的な影響を及ぼす。
「スパはパワーによるラップタイム差が最も大きいサーキットのひとつだ。ブダペストを迎えるにあたり、ようやく問題を理解し、解決できたと考えている」
同じ不具合でもラッセルへの影響が大きかった理由
レスタは、2台に同じソフトウェアが搭載されていたことを認めた上で、パワーユニットの使用状況など、複数の要因がラッセルの苦戦を悪化させたと説明した。
「ソフトウェアはすべてのマシンで同じであり、この問題もすべてのマシンに存在していた。ただ、ジョージへの影響はキミよりも大きかった」
「直近数戦のパフォーマンスを比較する際には、キミがより新しいパワーユニットを使用していたことも考慮しなければならない。当然ながら、新しいパワーユニットは走行距離の多いユニットよりも常に少し性能が高い」
「今後数戦ではジョージ側にも新しいパワーユニットが投入されるため、この状況は変わってくる」
パワーユニットは使用距離が増えるにつれて性能や効率がわずかに低下する。今回のケースでは、ソフトウェアの不具合に加え、ラッセルとアントネッリのパワーユニット使用計画が異なる時期にあったことが、両者の差を拡大させた。
「つまり、さまざまな要素が少しずつ重なっていた。ソフトウェアの問題もあったが、キミとジョージのプログラムが異なる段階にあったことも関係している。最終結果を見る際には、それらすべてを合算して考える必要がある」

ラッセルの指摘が原因究明を後押し
スパではエネルギー供給不足によってラッセルの直線速度が低下し、オープニングラップのケメルストレートでルイス・ハミルトンとの接触につながった。ラッセルはこの事故によってレースをリタイアしている。
結果は厳しいものとなったが、メルセデスは、問題を詳細に分析し、エンジニアにフィードバックを続けたラッセルの役割を高く評価している。
「まずチームとして、我々に問題を提起し、集中すべき改善点を示してくれたジョージに本当に感謝している」
「彼は状況を理解し、問題点を我々に伝えるという点で非常に良い仕事をしてくれた。我々は最終的に解決策を特定し、このレースに向けて修正を施すことができた。チームのために取り組んでくれたジョージに感謝している」
「もちろん、彼も我々が問題の根本原因を突き止め、解決できたことを喜んでいる。良いチームワークだった。決して簡単な作業ではなかった」
「新レギュレーションの下では、まだ学ばなければならないことが数多くある。それでも、今回の対応は一歩前進だ」
メルセデスはハンガリーGPに向けてソフトウェアの修正を完了した。さらに今後はラッセル側にも新しいパワーユニットが投入される予定であり、チームは再び2台が同等の条件で戦えるようになると期待している。
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