スーパーアグリのF1撤退を発表した鈴木亜久里(画像)
スーパーアグリの戦いが幕を閉じた。都内で行われた記者会見で、鈴木亜久里は、「苦渋の決断」という言葉でスーパーアグリのF1からの撤退を発表した。

昨年から財政問題と戦い続けた鈴木亜久里。しかし、とうとうホンダが納得するスポンサーは現われなかった。ここ数ヶ月間、鈴木亜久里は、スーパーアグリを存続するために多くの重圧に耐えてきた。

「疲れ切ったね」と、鈴木亜久里は笑顔で語った。「僕には休憩が必要だ。ピラニア・クラブ(F1)に指を突っ込むと、また噛まれかねないからね・・・」と早期のF1復帰に関してはジョーク交じりで否定した。

マグマ・グループとの契約締結が目前だったスーパーアグリ。だが、今シーズンのスペインGP直前に、マグマ・グループからの「これ以上話をすることはない」という1行のFAXで、それは白紙となった。その後、ヴァイグル・グループがスーパーアグリ救済に名乗りをあげたが、時間は待ってはくれなかった。

「今日、莫大な予算が必要とされるF1を継続するのは、財政的に不可能だった。僕たちはヴァイグルと基本同意に達していたが、常に時間と戦っていた」

鈴木亜久里は、ホンダとブリヂストンに感謝の言葉を述べた。しかし、ここ最近スーパーアグリに関して様々な発言を振り替えしたホンダ・レーシングF1チームのニック・フライに関しては不快感をあらわにした。

「僕は、どうして突然ニック・フライがすべてについてコメントする必要があったか理解できない。ホンダは我々の後援者だった。でも、彼はホンダのCEOではない。僕はニック・フライに興味はないし、彼が何を話していたかもわからない」

また、スーパーアグリのドライバー、佐藤琢磨とアンソニー・デビッドソンに関する質問がなされると、涙で言葉を詰まらせた。

「ドライバーは素晴らしかった。チームがスタートしたとき、マシンは真っ直ぐ走ることさえできなかった。でも、琢磨は一度も不満を言わなかった。ドライバーとして、常にとてもポジティブだった。」

佐藤琢磨とアンソニー・デビッドソンの今後については、これから話をしていくという。

日本のモータースポーツファンの多くの夢をのせたスーパーアグリ。

「F1をやってよかった」

鈴木亜久里の爽やかな言葉とともに、スーパーアグリの2年と4カ月におよぶ戦いは幕を閉じた。


 


このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / スーパーアグリ