F1スペインGPで新フロントウイング規制が導入 チーム代表たちの見解は?

これにより、空力パフォーマンスが重要なバルセロナ・カタルーニャ・サーキットで勢力図が変動する可能性がある。すでに一部のチームが規制に先行して対応したとされる一方で、技術的な余地を使い切っていたチームにはパフォーマンス低下の懸念もある。では、この新ルールが実際にどのような影響を与えるのか。F1モナコGP終了後、主要6チームの代表や技術責任者が見解を語った。
アンドレア・ステラ(マクラーレン)
「自分で“リンゴ、ナシ、モモ”の話なんて持ち出したからには、もうちょっと準備しておくべきだったかもね。モナコは“モモ”だった。バルセロナではフェラーリがどこまでやれるか、すごく興味がある。これから先のサーキットの中には、サウジアラビアやイモラと同じカテゴリに入るシルバーストンのようなところもあって、レッドブルが強くなると思う。一方で低速コーナーが多いカナダでは、マクラーレンが強いはずだ。バルセロナはその中間にあたる感じで、フェラーリはターン3、4、12で非常に速かったから、きっと速いと思うよ」

フレデリック・バスール(フェラーリ)
「新しいフロントウイング規制は、全チームにとってバルセロナが重要な転機になる。我々はかなり以前からこの件に取り組んできた。この規制変更は勢力図に大きな影響を及ぼす可能性がある。なぜなら、各チームがどう影響を受けるのか、まだ誰にも分からないからだ。我々は規則に従い、よりうまく機能させられるよう集中していく」
クリスチャン・ホーナー(レッドブル)
「これが(他のエリアに)どう影響するかはまだ分からない。大きな変更であることは間違いないから、何らかの影響はあるはずだ。ただし各チームは事前に対応しているはずなので、中立に収まるかもしれないし、タイヤのデグラデーション(劣化)に影響が出るかもしれない。いずれにせよ、楽になることはないね」

トト・ヴォルフ(メルセデス)
「見た限りでは、フェラーリはフレキシウイングの中でもかなり保守的だった。この規制変更が勢力図に何か影響を与えるかどうかは分からないが、新たな興味の対象になるのは確かだ」
アンディ・コーウェル(アストンマーティン)
「我々はフロントウイングを一部変更している。金曜日に走って、どういう挙動になるか見てみるよ。そして、他チームにもどんな影響が出たのか、頭を上げて観察するかもしれない」
ジョナサン・ウィートリー(ザウバー)
「この件については、もう長いこと話されてきたと思う。昨年、そして今年の序盤にも、一部のチームがこれで大きなアドバンテージを得ていた。でもF1のチームは皆非常に賢いから、その優位性の喪失をどうにか補おうとしてくるはず。バルセロナはエアロ重視のサーキットだから、予選が終わるころにははっきりと見えてくるだろうね」

各チームのコメントからは、新フロントウイング規制に対する温度差が浮き彫りとなった。先を見据えて早期対応を進めてきたチームもあれば、影響の大きさを見極めようとする姿勢のチームもある。とはいえ、バルセロナのような空力依存度の高いサーキットでは、この変更が性能差として表面化する可能性が高く、週末のパフォーマンスは今後の勢力図を占う試金石となる。スペインGPのフリー走行と予選は、各チームがどこまで順応し、どれほどの影響を受けているのかを映し出すことになるだろう。
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