サウバーF1代表ウィートリー FIAの裁定手順を擁護 ホーナーの批判に反論

これは、前職の同僚であるレッドブルF1代表クリスチャン・ホーナーが最近の裁定方針に苦言を呈したことを受けての発言である。
ウィートリーは、昨年まで18年間にわたってレッドブルF1に在籍したのち、今季よりサウバー(将来的にアウディへ移行)に加入。4月にチーム代表へ正式就任した。
サウバーは2025年シーズン序盤に苦戦を強いられていたが、スペインGPではニコ・ヒュルケンベルグが見事なレースペースを披露し、終盤にはルイス・ハミルトンをオーバーテイクして6位を獲得。その後、マックス・フェルスタッペンがジョージ・ラッセルとの接触で10秒加算ペナルティを受けたことで、ヒュルケンベルグは最終的に5位に繰り上がった。
この混乱のきっかけとなったリスタート直後のインシデントでは、ヒュルケンベルグがまさに間近でその一部始終を目撃していたはずだ。
ホーナーの「先読みしなければならない」発言に対して
フェルスタッペンがターン2でランオフエリアに飛び出した際、レッドブルF1のピットウォールはポジションを返すよう指示を出したが、最終的にこの判断は不要であったことが判明。スチュワードはこのケースに関してフェルスタッペン側の明確な違反はなかったと結論づけた。
これに対しホーナーは、チームがスチュワードの裁定を「先読み」せざるを得ない状況にあると批判。その点について問われたウィートリーは、FIAレースコントロールの判断には十分な理解が必要だと語った。
「スポーティングディレクターとして19年間にわたりFIAと協働してきた経験から、彼らがレースコントロールでどれほどのプレッシャーを受けているかを深く理解しようと努めてきた」とウィートリーは複数メディアに対して語った。
「特にスタート直後は一度に複数のインシデントが発生することもあり、必ずしもそれだけを見ているとは限らない。クリスチャン(・ホーナー)が何を問題にしたのか具体的には分からないが、私は自分たちのレースに集中していた」

「スチュワード制度は大きく進歩した」
フェルスタッペンにポジションを返すように指示したレッドブルの判断が最終的に誤りだったとはいえ、ウィートリーは「基本的にチーム側の判断で状況に応じた対応が可能だ」とし、ホーナーの主張に対して冷静に反論した。
「チームには常に、自分たちで判断して行動するオプションがある。F1チームは非常にプロフェッショナルであり、ピットレーンのどのチームもスチュワードからの助言をもとに状況を読んで決断していると思う」
「我々もターン1の件をしっかり分析した。もし少しでも疑念があったら違った対応をしていたかもしれないが、自信を持って判断できた」
そのうえでウィートリーは、FIAによる裁定制度の進歩を評価した。
「私は以前から、スチュワード制度は近年非常に進歩したと公言してきた。FIAはこの分野で本当に良い仕事をしていると思う。ただ、まだ発展途上の部分もある」
カテゴリー: F1 / ザウバーF1チーム / FIA(国際自動車連盟)