佐藤琢磨 「アンドレッティの青旗無視はまったく理解できない」
佐藤琢磨が、ダブルヘッダーで開催されたヒューストンでのレース週末を振り返った。
昨シーズン終盤に開催されたヒューストン市街地コースでの一戦は、今年は初夏の時期に日程が早められたものの、佐藤琢磨と、ここをホームグランドとするAJフォイト・レーシングにとっては、昨年とほとんど変わらない展開となった。すなわち、トップクラスの速さを示しながらも、運には徹底的に見放されたのである。
今回、佐藤琢磨はウェットレースで首位に立つと、後続を大きく引き離していったが、マルコ・アンドレッティの執拗なブロックに行く手を阻まれてしまう。この行為により、マルコ・アンドレッティには罰金と保護観察の処分が科せられることとなった。これに続くピットストップで2番手に後退したものの、優勝する可能性を大きく残していた佐藤琢磨は、周回遅れのミハイル・アレシンによってそのチャンスを奪われた。
ヒューストンでの佐藤琢磨は滑り出しから好調で、金曜日のフリープラクティスでは好タイムをマーク。続く予選でも最初のふたつのセグメントをトップで通過し、最終セグメントのファイアストン・ファスト6では昨年に続くポールポジションを獲得することが期待された。
「僕たちには昨年まとめあげた良好なベースセットアップがあって、予選に向けては強力なパッケージを手に入れていました」と佐藤琢磨はコメント。
「レースでのペースは期待したほどではありませんでしたが、それでも好調を保っていました。もっとも、今年はタイアが変わっていたので、昨年のセットアップをそのまま使えるわけではありません。けれども、市街地サーキットにはうまく対応することができました」
「今回はダブルヘッダーレースだったので、土曜日はいきなり予選を戦うことになります。最初と2番目のセグメントでは僕たちはトップに立っていました。予選の戦いはものすごく厳しいもので、非常に僅差でしたが、結果はとても勇気づけられるものでした。2年連続でポールポジションを獲得する自信がありました」
「でも、ファイアストン・ファイアストン6では期待したような結果を得られませんでした。週末を通じて使用できるレッドタイアは3セットだけです。もちろん、土曜日の予選で3セットを全部使うこともできますが、どのドライバーも日曜日のためにニュータイアを1セット残しておきたいと考えていました。このため土曜日は最初のセグメントでニュータイアを投入、2回目のセグメントで2セット目のニュータイアを使い、第3セグメントでは第2セグメントで使ったタイアをそのまま使用するという手法が一般的になっています。そうすれば、第3セグメントでもウォームアップされた状態のタイアを使うことができるからです」
残念ながら、第2セグメントで佐藤琢磨はタイアにフラットスポットを作ってしまったため、ファスト6では最初のセグメントで使用したタイアを履いた。ただし、これでは望ましい結果は得られなかった。
「タイムアタックでは十分なグリップ力を得られませんでした。ほぼ1秒の遅れをとっていました。タイアのヒートサイクルとなんらかの関係があったはずです」
スタート前に雨が降ったことは、佐藤琢磨にとっていいニュースだった。ウェットコンディションで、佐藤琢磨はこれまで手をつけられない速さを示してきたからだ。今回も佐藤琢磨はいつもどおりの速さを発揮。6番グリッドからスタートしていながら、5周目にはトップに躍り出ていた。スタートでルカ・フィリッピやジェイムズ・ヒンチクリフとホイールをぶつけあう接戦を繰り広げた佐藤琢磨は、オープニングラップでフィリッピとスコット・ディクソンを攻略して4番手に浮上。続いてヒンチクリフとエリオ・カストロネヴェスをパスして4周目に2番手となると、5周目にはシモン・パジェノーのインを鋭くついて首位に立ったのである。
「フロントロウを獲得できなかったのは残念でしたが、雨が降ったので、予選結果は関係なくなりました。僕たちはまったく新しいウェットタイアを履いていました。これはまだ誰も試したことがないものですが、僕は素早くスタートを切ることができました。僕はフィリッピとヒンチクリフの間をすり抜けようとしましたが、フィリッピがどんどんヒンチクリフに近づいてきたので、僕たちは接触することになります。2台が絡んできたために僕はスロットルオフを余儀なくされ、大きく遅れてしまいます。このときはどうしようもありませんでしたが、誰もダメージを負うことなく切り抜けられたのは不幸中の幸いでした」
「その後は次々とライバルたちをオーバーテイクできたので、最高の気分でした! とにかくオーバーテイク、オーバーテイク、オーバーテイクを繰り返し、5周目にはパジェノーに襲いかかります。大きく回り込む高速コーナーのターン5出口で、彼の走行ラインが大きくアウト側にふくらみました。このとき、ちょうど1台分スペースが残されていたので、僕はそこに滑り込み、ヘアピンコーナーのターン6で彼のインを突いたのです。ブレーキングではマシーンが左右に振られました。最高に楽しかったですよ!」
佐藤琢磨は26周目までトップを守り続けたが、この間、周回遅れになるのを懸命に避けようとしたアンドレッティに行く手を阻まれてしまう。
「ピットアウトしてきた彼は僕の直前でコースに復帰しました。その後、彼はずっと自分のラインを守り、僕を抑え続けました。これにはまったく理解できませんでした。ブルーフラッグがそこらじゅうで振られていました。もう、すべてのコーナーで振られていたほどですが、それでも10周にわたって僕に進路を譲らなかったのです! 僕は無線でチームに状況を知らせ、彼らはレースコントロールとコミュニケーションをとるべく、ありとあらゆることをしてくれました」
「レースコントロールは彼に警告を発しましたが、彼らはそれを無視したのです。マルコがようやく進路を譲ったのは、2度目のブラックフラッグが提示されてからのことでした。このとき、ヒンチクリフに対するマージンは、それまでの4秒強からコンマ数秒まで減っていました」
コースが乾き始めていたため、フルコーションが出された際に佐藤琢磨はピットインしてスリックタイアに交換。同じタイミングでヒンチクリフもピットストップを行ったが、カナダ人ドライバーは佐藤琢磨の前でコースに復帰していった。そして、彼にかわって佐藤琢磨の後方に迫ってきたのは、3番手のドライバーとは別の人物だった……。
「後ろを走っているミハイル・アレシンは周回遅れだったので、僕はヒンチクリフとのバトルに集中していました。ターン6でアレシンは僕のアウト側に飛び込んできましたが、そこで行き場を失い、僕と接触してしまいます。彼が何をしようとしていたのか、僕にはまったくわかりませんでした。そのコーナーでは、イン側からしかオーバーテイクできません。だから、どうしてそこに飛び込んでくるつもりになったのか、僕には見当もつきません。こうして僕のレース1は終わってしまいました。非常に落胆しました」
続いて行われたのはレース2の予選。ここで佐藤琢磨は10番グリッドを手に入れる。雨が降ってからグリップ不足に苦しむようになり、予選グループ内での順位は5番手となった。そして決勝のオープニングラップではカルロス・ムニョスをパスして9番手に浮上。ただし、この行為はただちにオフィシャルによって検証されることとなった。コロンビア人ドライバーはターン2のシケインでアウト側にはらみ、佐藤琢磨をコースの外側に押し出す格好となる。コースに戻った佐藤琢磨はいったんムニョスにポジションを譲ると、これに続くコーナーで再度、抜き返していたのだが、オフィシャルはもう一度ムニョスを先行させるよう、佐藤琢磨に指示したのだ。このとき、ムニョスはさらに順位を3つ落としていたので、彼を先行させるためには、その前を走るドライバーすべてに進路を譲らなければならない。しかも、ここで勢いを失ったため、さらに順位を落とすこととなった。
「これで15番手まで順位を落としたので、とてもフラストレーションを感じましたが、とにかく僕は戦い続けるしかありません。僕たちのペースはよかったし、レッドタイアもうまく使いこなすことができました。多くのドライバーがタイア交換のためにピットへ駆け込む姿を目にしましたが、僕たちはほとんど1スティントにわたって走り続けることができ、大きく順位を取り戻すことにつながりました。このスティントの終盤でスローパンクチャーが発生したため、僕は数ラップ早めにピットインすることになりましたが、運のいいことにこれは順位にほとんど影響を与えませんでした」
佐藤琢磨はトップ10まで追い上げると、予定していた最後のピットストップを終えたときには6番手へと浮上していた。
「とてもいい状況でした。何人かのドライバーは異なるレース戦略を選択していましたが、まずまずの成績を収められると期待していました」
ここで再び、因縁のアンドレッティと出くわすこととなる。
「マルコは僕をオーバーテイクすると決めると、ターン4で僕のインサイドに飛び込んできました。彼は僕のボディサイドに接触してきましたが、今回ばかりは運良くウォールと衝突せずに済みました。ただし、タイアにはマーブルやほこりがついてしまいました」
「この後、マシーンの状態が完全ではないように思われたので、僕は念のためピットストップを行うことにしました。このとき、僕たちは最後となるピットストップを行いましたが、残念なことにチームは給油リグをつなぐのに手間取り、およそ10秒を失ってしまいます。僕は全力で追い上げを図りましたが、あるとき深く縁石に乗りすぎたせいでマシーンが浮き上がってしまい、ウォールにヒットし、リタイアを余儀なくされました」
つまり、スピードという面では多くの手応えを掴んだことになる。そしてインディカーの一団は続いて北に進路をとり、1週間後に開催されるポコノ・レースウェイでの一戦に挑むことになる。
「ポジティブに感じられることもいくつかありました。しかも、チームの本拠地と極めて近い場所でレースが開催されたため、メカニックたちやその家族とお会いできたことも嬉しかったです。ABCサプライからも多くの方々が応援に駆けつけてくれ、AJフォイト・レーシングはたくさんの方々から声援を送っていただきました。本当に素晴らしい週末でしたが、僕たちの期待する成績だけは手に入れることができませんでした」
「僕たちはミルウォーキーでテストを行っており、ポコノのベースセットアップも良好な仕上がりを見せています。ミルウォーキーとはだいぶコースの特性が異なりますが、セットアップの考え方は活用することができるので、来週末はいい結果が残せると期待しています」
カテゴリー: F1 / 佐藤琢磨 / インディカー
昨シーズン終盤に開催されたヒューストン市街地コースでの一戦は、今年は初夏の時期に日程が早められたものの、佐藤琢磨と、ここをホームグランドとするAJフォイト・レーシングにとっては、昨年とほとんど変わらない展開となった。すなわち、トップクラスの速さを示しながらも、運には徹底的に見放されたのである。
今回、佐藤琢磨はウェットレースで首位に立つと、後続を大きく引き離していったが、マルコ・アンドレッティの執拗なブロックに行く手を阻まれてしまう。この行為により、マルコ・アンドレッティには罰金と保護観察の処分が科せられることとなった。これに続くピットストップで2番手に後退したものの、優勝する可能性を大きく残していた佐藤琢磨は、周回遅れのミハイル・アレシンによってそのチャンスを奪われた。
ヒューストンでの佐藤琢磨は滑り出しから好調で、金曜日のフリープラクティスでは好タイムをマーク。続く予選でも最初のふたつのセグメントをトップで通過し、最終セグメントのファイアストン・ファスト6では昨年に続くポールポジションを獲得することが期待された。
「僕たちには昨年まとめあげた良好なベースセットアップがあって、予選に向けては強力なパッケージを手に入れていました」と佐藤琢磨はコメント。
「レースでのペースは期待したほどではありませんでしたが、それでも好調を保っていました。もっとも、今年はタイアが変わっていたので、昨年のセットアップをそのまま使えるわけではありません。けれども、市街地サーキットにはうまく対応することができました」
「今回はダブルヘッダーレースだったので、土曜日はいきなり予選を戦うことになります。最初と2番目のセグメントでは僕たちはトップに立っていました。予選の戦いはものすごく厳しいもので、非常に僅差でしたが、結果はとても勇気づけられるものでした。2年連続でポールポジションを獲得する自信がありました」
「でも、ファイアストン・ファイアストン6では期待したような結果を得られませんでした。週末を通じて使用できるレッドタイアは3セットだけです。もちろん、土曜日の予選で3セットを全部使うこともできますが、どのドライバーも日曜日のためにニュータイアを1セット残しておきたいと考えていました。このため土曜日は最初のセグメントでニュータイアを投入、2回目のセグメントで2セット目のニュータイアを使い、第3セグメントでは第2セグメントで使ったタイアをそのまま使用するという手法が一般的になっています。そうすれば、第3セグメントでもウォームアップされた状態のタイアを使うことができるからです」
残念ながら、第2セグメントで佐藤琢磨はタイアにフラットスポットを作ってしまったため、ファスト6では最初のセグメントで使用したタイアを履いた。ただし、これでは望ましい結果は得られなかった。
「タイムアタックでは十分なグリップ力を得られませんでした。ほぼ1秒の遅れをとっていました。タイアのヒートサイクルとなんらかの関係があったはずです」
スタート前に雨が降ったことは、佐藤琢磨にとっていいニュースだった。ウェットコンディションで、佐藤琢磨はこれまで手をつけられない速さを示してきたからだ。今回も佐藤琢磨はいつもどおりの速さを発揮。6番グリッドからスタートしていながら、5周目にはトップに躍り出ていた。スタートでルカ・フィリッピやジェイムズ・ヒンチクリフとホイールをぶつけあう接戦を繰り広げた佐藤琢磨は、オープニングラップでフィリッピとスコット・ディクソンを攻略して4番手に浮上。続いてヒンチクリフとエリオ・カストロネヴェスをパスして4周目に2番手となると、5周目にはシモン・パジェノーのインを鋭くついて首位に立ったのである。
「フロントロウを獲得できなかったのは残念でしたが、雨が降ったので、予選結果は関係なくなりました。僕たちはまったく新しいウェットタイアを履いていました。これはまだ誰も試したことがないものですが、僕は素早くスタートを切ることができました。僕はフィリッピとヒンチクリフの間をすり抜けようとしましたが、フィリッピがどんどんヒンチクリフに近づいてきたので、僕たちは接触することになります。2台が絡んできたために僕はスロットルオフを余儀なくされ、大きく遅れてしまいます。このときはどうしようもありませんでしたが、誰もダメージを負うことなく切り抜けられたのは不幸中の幸いでした」
「その後は次々とライバルたちをオーバーテイクできたので、最高の気分でした! とにかくオーバーテイク、オーバーテイク、オーバーテイクを繰り返し、5周目にはパジェノーに襲いかかります。大きく回り込む高速コーナーのターン5出口で、彼の走行ラインが大きくアウト側にふくらみました。このとき、ちょうど1台分スペースが残されていたので、僕はそこに滑り込み、ヘアピンコーナーのターン6で彼のインを突いたのです。ブレーキングではマシーンが左右に振られました。最高に楽しかったですよ!」
佐藤琢磨は26周目までトップを守り続けたが、この間、周回遅れになるのを懸命に避けようとしたアンドレッティに行く手を阻まれてしまう。
「ピットアウトしてきた彼は僕の直前でコースに復帰しました。その後、彼はずっと自分のラインを守り、僕を抑え続けました。これにはまったく理解できませんでした。ブルーフラッグがそこらじゅうで振られていました。もう、すべてのコーナーで振られていたほどですが、それでも10周にわたって僕に進路を譲らなかったのです! 僕は無線でチームに状況を知らせ、彼らはレースコントロールとコミュニケーションをとるべく、ありとあらゆることをしてくれました」
「レースコントロールは彼に警告を発しましたが、彼らはそれを無視したのです。マルコがようやく進路を譲ったのは、2度目のブラックフラッグが提示されてからのことでした。このとき、ヒンチクリフに対するマージンは、それまでの4秒強からコンマ数秒まで減っていました」
コースが乾き始めていたため、フルコーションが出された際に佐藤琢磨はピットインしてスリックタイアに交換。同じタイミングでヒンチクリフもピットストップを行ったが、カナダ人ドライバーは佐藤琢磨の前でコースに復帰していった。そして、彼にかわって佐藤琢磨の後方に迫ってきたのは、3番手のドライバーとは別の人物だった……。
「後ろを走っているミハイル・アレシンは周回遅れだったので、僕はヒンチクリフとのバトルに集中していました。ターン6でアレシンは僕のアウト側に飛び込んできましたが、そこで行き場を失い、僕と接触してしまいます。彼が何をしようとしていたのか、僕にはまったくわかりませんでした。そのコーナーでは、イン側からしかオーバーテイクできません。だから、どうしてそこに飛び込んでくるつもりになったのか、僕には見当もつきません。こうして僕のレース1は終わってしまいました。非常に落胆しました」
続いて行われたのはレース2の予選。ここで佐藤琢磨は10番グリッドを手に入れる。雨が降ってからグリップ不足に苦しむようになり、予選グループ内での順位は5番手となった。そして決勝のオープニングラップではカルロス・ムニョスをパスして9番手に浮上。ただし、この行為はただちにオフィシャルによって検証されることとなった。コロンビア人ドライバーはターン2のシケインでアウト側にはらみ、佐藤琢磨をコースの外側に押し出す格好となる。コースに戻った佐藤琢磨はいったんムニョスにポジションを譲ると、これに続くコーナーで再度、抜き返していたのだが、オフィシャルはもう一度ムニョスを先行させるよう、佐藤琢磨に指示したのだ。このとき、ムニョスはさらに順位を3つ落としていたので、彼を先行させるためには、その前を走るドライバーすべてに進路を譲らなければならない。しかも、ここで勢いを失ったため、さらに順位を落とすこととなった。
「これで15番手まで順位を落としたので、とてもフラストレーションを感じましたが、とにかく僕は戦い続けるしかありません。僕たちのペースはよかったし、レッドタイアもうまく使いこなすことができました。多くのドライバーがタイア交換のためにピットへ駆け込む姿を目にしましたが、僕たちはほとんど1スティントにわたって走り続けることができ、大きく順位を取り戻すことにつながりました。このスティントの終盤でスローパンクチャーが発生したため、僕は数ラップ早めにピットインすることになりましたが、運のいいことにこれは順位にほとんど影響を与えませんでした」
佐藤琢磨はトップ10まで追い上げると、予定していた最後のピットストップを終えたときには6番手へと浮上していた。
「とてもいい状況でした。何人かのドライバーは異なるレース戦略を選択していましたが、まずまずの成績を収められると期待していました」
ここで再び、因縁のアンドレッティと出くわすこととなる。
「マルコは僕をオーバーテイクすると決めると、ターン4で僕のインサイドに飛び込んできました。彼は僕のボディサイドに接触してきましたが、今回ばかりは運良くウォールと衝突せずに済みました。ただし、タイアにはマーブルやほこりがついてしまいました」
「この後、マシーンの状態が完全ではないように思われたので、僕は念のためピットストップを行うことにしました。このとき、僕たちは最後となるピットストップを行いましたが、残念なことにチームは給油リグをつなぐのに手間取り、およそ10秒を失ってしまいます。僕は全力で追い上げを図りましたが、あるとき深く縁石に乗りすぎたせいでマシーンが浮き上がってしまい、ウォールにヒットし、リタイアを余儀なくされました」
つまり、スピードという面では多くの手応えを掴んだことになる。そしてインディカーの一団は続いて北に進路をとり、1週間後に開催されるポコノ・レースウェイでの一戦に挑むことになる。
「ポジティブに感じられることもいくつかありました。しかも、チームの本拠地と極めて近い場所でレースが開催されたため、メカニックたちやその家族とお会いできたことも嬉しかったです。ABCサプライからも多くの方々が応援に駆けつけてくれ、AJフォイト・レーシングはたくさんの方々から声援を送っていただきました。本当に素晴らしい週末でしたが、僕たちの期待する成績だけは手に入れることができませんでした」
「僕たちはミルウォーキーでテストを行っており、ポコノのベースセットアップも良好な仕上がりを見せています。ミルウォーキーとはだいぶコースの特性が異なりますが、セットアップの考え方は活用することができるので、来週末はいい結果が残せると期待しています」
カテゴリー: F1 / 佐藤琢磨 / インディカー