佐藤琢磨 インタビュー
スーパーアグリのF1撤退でF1のシートを失った佐藤琢磨。そんな琢磨にチャンスが訪れたのは9月。セバスチャン・ベッテルの後任ドライバーを検討し始めたトロ・ロッソから声がかかった。わずか3時間の走行だったが、ヘレスでのパフォーマンスは、再びバルセロナでテストをする機会を得るには十分だった。そして、バルセロナでは初日にトップタイム、2日目には2番手タイムを記録し、スピードを示した琢磨。バルセロナでの1日半にわたるテストを終え、スーパーアグリの撤退から現在の心境、そして2009年への思いを佐藤琢磨が語った。

琢磨、F1マシンをドライブしてからしばらく経っていましたね。再びF1のコックピットに戻ってこれて、どんな気持ちでしたか?
本当にハッピーだ。ここ6〜7ヵ月間、本当にF1カーをドライブしていなかったし、9月のトロ・ロッソとのテストでは雨によって短縮されて、午前中の3時間しか走行できなかった。でも、短い時間ではあったけど、クルマがどのように振る舞うか良い考えを与えてくれたので、今回のトロ・ロッソとの1日半のテストは、チームととても集中して作業できたし、とても楽しかった。

スーパーアグリの最後のレースとなったスペインGPから何をしていましたか?もう一度F1シートに乗ることを諦めませんでしたか?
決して諦めなかった。常に望んでいた。F1から引退することは考えなかったし、僕のマネージャーは僕がコックピットに戻る方法を探すために本当に懸命に働いてくれた。トロ・ロッソがチャンスを与えてくれたことには本当に感謝している。今、決定はチームしだいだ。テストは本当に興奮したし、2009年にF1に戻れることを期待している。

スーパーアグリの撤退をどう受け止めましたか? 土壇場までホワイトナイトが救ってくれるだろうという希望がありましたが・・・
僕たちが困難が状況にあることは常にわかっていたけど、終わるとは決して思っていなかった。僕は最初からチームと一緒にいたので、もちろん、悲しい瞬間だった。小さかったけど、とても競争力のあるチームだった。プライベートチームが生き残るのは難しくて、常に財政は危機的な状況だった。でも、本当に残念だったけど、全てのプロセスを受け入れなければならなかった。悲しい瞬間だったけど、今、パドックの中で他のチームと働くたくさんの元スーパーアグリチームのメンバーがいることは、僕たちが良い仕事をしていたことを示していると思う。そうでなければ、他のチームは彼らを雇わないだろうからね。

9月のトロ・ロッソのヘレステストの後、再び彼らのシートの1つを争うために招待されたのは、間違いなくポジティブな印象を残したということですよね・・・
当初、9月にトロ・ロッソでテストをする計画はなかったけど、チャンスはやってきた。F1に戻ることを望んでいる者として、常に準備ができていることが優先事項だった。僕の印象としては、相性は良かったと思う。そして、それが今回のテストに至らせたと思う。

チームは2つのコックピットを持っています。そして、それらを“争っている”3人のドライバー。シュートアウトをして、チャンスはどれくらいあると思いますか?
本当にわからないよ。でも、常にそれについて考えていないと言ったら嘘になる。F1のコックピットを争うことはプレッシャーだ。でも、本当にできることは、ベストなパフォーマンスをすることだ。エンジニアと密にコンタクトをとることを含め、最大限を提供しなければならないし、チャンスを最大限に生かさなければならない。再び彼らと会えることを本当に望んでいる。これ以上は僕にできることはないと思う。

あなたは3人の候補の中で、最も年上で、最も経験があります。それは有利になると思いますか?
チームがそのようなドライバーが欲しいかが重要だ。彼らが経験と良いレーシングスピードがある人を探しているなら、僕は100%以上を彼らに与えた。今は、彼らの決定を待たなければならない。

あなたはモンツァでの予想外の勝利で今年のF1界に衝撃を与え、トロ・ロッソがコンストラクターズチャンピオンシップでレッドブルレーシング、ウィリアムズ、ホンダの前の6位になることを助けたマシンをテストしました。きっと、それはあなたがドライブした最高のF1カーということになります・・・
僕は全てのメーカーとチームを尊重しているので、他のクルマを判断することは不適当だけど、間違いなく僕がこれまで運転した最高のクルマだ。そのスピードから容易にわかると思う。STR3を運転するのは本当に楽しかった。トロ・ロッソは大きなチームではないけど、シーズンの後半にパフォーマンス面で大きな飛躍を遂げた。今回のテストは、チームがどのように働いて、そのような大きなスケールでのレースをどのように可能にしたかを垣間見ることができた。

今回のテストを終え、あなたは来シーズンのために待機中です。あなたがトロ・ロッソのシートに座れるかどうかはいつわかりますか?
トロ・ロッソが決定を急いでいるとは思わないので、僕の予想では、年末か来年の初めになるだろうと思う。既に仕事はしたので、今は待つことしかできない。

もし逃したら、さらなるレースシングキャリアために“プランB”を考えていますか?
正直なところ、これまではない。僕は常にF1に戻る可能性を探していた。でも、完全にチャンスがゼロであるなら、他のレースカテゴリーを検討しなければならない。でも、そうなるまでは、プランBについて考えたくはない。

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カテゴリー: F1 / 佐藤琢磨 / トロロッソ / スーパーアグリ