F1スペインGP予選レポ:マクラーレンがフロントロー独占 角田裕毅はQ1敗退
マクラーレンが週末を通じて好調を維持する中、2025年F1第9戦スペインGPの予選がバルセロナで行われた。オスカー・ピアストリが最終Q3でランド・ノリスとの接戦を制し、今季4回目のポールポジションを獲得。マクラーレンはフロントローを独占する結果となった。

一方、レッドブル・レーシングの角田裕毅は不調から脱出できず、Q1最下位に沈む波乱の展開。

母国レースとなったカルロス・サインツもQ1で姿を消すなど、スペイン勢にとっては厳しい予選日となった。セッションごとの詳細を以下で振り返る。

Q1:ピアストリが最速、サインツと角田裕毅が敗退
バルセロナのカタルーニャ・サーキットで3回のプラクティスセッションを経て、予選セッションに注目が集まった。金曜と土曜の走行ではマクラーレン勢が一貫して速さを見せていたが、ライバルたちが逆転の糸口を見出すことはできるのかが焦点となった。

Q1開始時点の気温は29度、路面温度は48度という蒸し暑いコンディション。グリーンライト点灯後もしばらくピットで様子を見るチームが多かったが、数分後に一斉にマシンがコースインした。

全20台がソフトタイヤでタイム計測を終えると、フリー走行3回目でトップだったオスカー・ピアストリが1分12秒551で再び最速。フェルスタッペンにコンマ2秒の差をつけ、ノリスはさらに0.001秒差で3番手に続いた。

スペインGP 予選 カルロス・サインツJr.サインツ、母国GPで悔しいQ1敗退

一方、初回アタック終了時点で脱落圏内にいたのはヒュルケンベルグ、オコン、サインツ、角田裕毅、ボルトレト。ストロールとローソンも14、15番手でギリギリの位置にいた。

セッション終盤にはピットレーンに列ができたが、先頭のコラピントがマシンの不調を訴え、後続が彼を追い越していくという混乱も発生。

残り時間わずかでのアタック合戦では、ボルトレトが見事にトップ10へ浮上。ローソンもタイム更新に成功し、さらにベアマンとストロールも挽回して脱落圏を脱出した。

これによりヒュルケンベルグは16番手でQ2進出を逃し、オコンも17番手で敗退。母国レースのサインツは18番手に終わり、ファンの前で無念のQ1敗退。コラピントはピットから再出走できず19番手、そして角田裕毅は改善できず最下位の20番手で予選を終えた。

Q1敗退:ヒュルケンベルグ、オコン、サインツ、コラピント、角田裕毅

スペインGP 予選 角田裕毅角田裕毅、20番手で最下位に終わる

Q2:ピアストリが再びトップ、アルボンは僅差でQ3届かず
続くQ2でもペースの高い展開が続き、多くのドライバーが早めにソフトタイヤでコースへ。まずフェルスタッペンが暫定トップに立つも、ノリスが3テンポ速いタイムでそれを上回った。

しかし、そこに再びピアストリが登場。1分11秒998という圧巻のタイムでノリスを0.058秒上回り、再びセッション最速を記録。序盤で脱落圏内にいたのはボルトレト、ローソン、アルボン、ストロール、ベアマン。

「必要ならキミにトウをあげるよ」と無線で語った4番手のラッセルは、メルセデスの僚友アントネッリ(9番手)をQ3に送り込むために支援する意向を示した。

終盤にはアントネッリが再度コースに出る一方、上位5台は動かず。残りのドライバーたちはQ3進出をかけてラストアタックへ。

ストロールとローソンはタイムを更新できず脱落。ハジャーは6番手へ躍進し面目躍如。一方、ボルトレトは12番手、ベアマンは15番手で予選終了。

ウィリアムズのアルボンは惜しくも0.03秒差でQ3を逃し11番手。チェッカーフラッグを受けた直後には、前を走っていたベアマン(ハース)について「第3セクターでわざと遅く走った」と不満をぶつけていた。

Q2敗退:アルボン、ボルトレト、ローソン、ストロール、ベアマン

スペインGP 予選 オリバー・ベアマンベアマン、Q2敗退で15番手に沈む

Q3:ノリスとの接戦を制し、ピアストリがポール獲得
予選最終セッションは10台によるポールポジション争い。最初のアタックでピアストリが1分11秒836をマークし、早速ペースを見せつけた。

その後、ラッセルとフェルスタッペンはタイム更新ならず。だがノリスが続き、1分11秒819を叩き出して暫定ポールを奪取。0.017秒という僅差での逆転劇となった。

3番手につけたラッセルは「我々は保守的すぎた」とコメント。フェルスタッペンは4番手、ルクレールが5番手で続いた。

なお、ノリスがピアストリのスリップストリームを得た形でタイムを出したことがリプレイで判明。無線で「ノリスがフィニッシュ後に前に出るぞ」と伝えられたピアストリは「ちゃっかりしてるね」とクールに反応した。

アロンソは他車とは異なり、セッション中盤にタイム計測を済ませファンの歓声を浴びる。残り時間で再びマシンが動き出す中、注目はノリスを上回る者が現れるかどうか。

その答えは「イエス」だった。ピアストリが1分11秒546の驚異的なタイムを叩き出し、ポールを奪還。ノリスは2回目のアタックでわずかにミスがあり、最終的に0.209秒差の2番手に終わった。

3番手と4番手にはフェルスタッペンとラッセルが同一タイムで並んだが、先にタイムを出したフェルスタッペンが上位に。5番手にハミルトン(フェラーリ)、以下アントネッリ、ルクレール、ガスリー、ハジャー、アロンソがトップ10を形成した。

スペインGP 予選 オスカー・ピアストリピアストリ、ノリスとの接戦を制しポール獲得

ピアストリのコメント:
「とても嬉しい。週末を通じていい流れだ。スタートは少し苦しんだけど、昨夜いくつか進歩があって、今日はクルマの感触がとても良かった。いいラップも重ねられたと思うし、チームに感謝している。12か月前は最悪の状態だったから、こうして完全に巻き返せたのは素晴らしい結果だ」

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カテゴリー: F1 / F1レース結果 / F1スペインGP