ハミルトン逆転優勝でメルセデスF1がコンストラクターズ7連覇を達成。ホンダF1勢はクビアトが4位入賞も3台がノーポイント / F1エミリア・ロマーニャGP 決勝
2020年のF1世界選手権 第13戦 F1エミリア・ロマーニャGPの決勝が11月1日(日)にイタリアのイモラ・サーキットで開催され、ルイス・ハミルトン(メルセデス)が優勝。メルセデスが7年連続となるコンストラクターズタイトルを確定させた。

以前にF1サンマリノGPの開催地だったイモラ・サーキットは、新型コロナウイルスによって2020年のF1世界選手権で改訂されたことによって、2006年以来14年ぶりに1回限りでF1カレンダーに戻ってきた。イタリアでのレースは今季3戦目。

古都ボローニャから30kmほど東南にあるイモラ・サーキットがオープンしたのは1952年。以来、チャレンジングなコーナーもある、高速かつコース幅の狭いサーキットとして名を知られ、F1サンマリノGPとF1イタリアGPの双方が行なわれてきた。1994年のアイルトン・セナ、ローランド・ラッツェンバーガーが命を落とした大事故をきっかけにコースは大幅な改修工事が行なわれて、中低速コーナーの多い、中速サーキットへと変貌した。

通常のグランプリは、金曜日に2回、土曜日に1回の計3回の90分のプラクティスセッションが行われるが、今回のF1エミリア・ロマーニャGPではフリー走行、予選、決勝を2日間で開催する2例の2デーフォーマットが採用された。

気温は18.7℃、路面温度は23.9℃のドライコンディションでレースは行われた。

優勝はメルセデスのルイス・ハミルトン。2番グリッドからスタートしたハミルトンはスタートで3番手まで順位を落とす。その後、前の2台がピットインした後、第1スティントを伸ばす戦略に出ていたハミルトンは、29周目のエステバン・オコン(ルノー)がリタイアしたタイミングで出てバーチャルセーフティカー期間中にピットインしてトップでコースに復帰。そこからはマックス・フェルスタッペンのリタイア、バルテリ・ボッタスがフロア損傷に悩まされてこともあり、快適にレースを展開。今季9勝目、通算93勝目を挙げた。2位にもバルテリ・ボッタスが続き、メルセデスが今季6回目のワンツー・フィニッシュ。7年連続となるコンストラクターズタイトルを確定させた。

3位表彰台はルノーのダニエル・リカルドが獲得。第11戦 F1アイフェルGPに続く、今季2度目の表彰台獲得となった。前回の表彰台時には“忘れていた”シュイーを披露。優勝したハミルトンも付き合った。

4位はアルファタウリ・ホンダF1のダニール・クビアトが入った。セーフティカーによるリスタートで7番手から4番手までジャンプアップを果たしたクビアトは表彰台まで0.821秒届かなかった。

5位はシャルル・ルクレール(フェラーリ)、6位はセルジオ・ペレス(レーシング・ポイント)、7位はカルロス・サインツ(マクラーレン)、8位はランド・ノリス(マクラーレン)、9位はキミ・ライコネン(アルファロメオ)、10位はアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)とマクラーレンとアルファロメオがダブル入賞を果たした。

ホンダF1エンジン勢にとっては残念なレースとなった。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは終盤まで2番手を走行していたが、51周目にタイヤがバーストしてリタイア。チームメイトのアレクサンダー・アルボンはセーフティカーのリスタートで5番手を走行中にスピンを喫して完走中最下位となる15位。アルファタウリ・ホンダF1のピエール・ガスリーは、マシントラブルによって9周目にリタイアした。

2020年 第13戦 F1エミリア・ロマーニャGP GP 決勝 結果・タイム

順位NoドライバーチームGAPINTPIT
144ルイス・ハミルトンメルセデスLAP632
277バルテリ・ボッタスメルセデス5.7835.7832
33ダニエル・リカルドルノー14.3208.5371
426ダニール・クビアトアルファタウリ・ホンダ15.1410.8212
516シャルル・ルクレールフェラーリ19.1113.9701
611セルジオ・ペレスレーシングポイント19.6520.5412
755カルロス・サインツマクラーレン20.2300.5782
84ランド・ノリスマクラーレン21.1310.9012
97キミ・ライコネンアルファロメオ22.2241.0931
1099アントニオ・ジョビナッツィアルファロメオ26.3984.1741
116ニコラス・ラティフィウィリアムズ27.1350.7371
128セバスチャン・ベッテルフェラーリ32.9353.7722
135ランス・ストロールレーシングポイント28.4531.3182
1418ロマン・グロージャンハース29.1630.7103
DNF23アレクサンダー・アルボンレッドブル・ホンダ57.28424.3492
DNF63ジョージ・ラッセルウィリアムズ  1
DNF33マックス・フェルスタッペンレッドブル・ホンダ  1
DNF20ケビン・マグヌッセンハース  2
DNF31エステバン・オコンルノー  1
DNF10ピエール・ガスリーアルファタウリ・ホンダ  1

【レース展開】
トップ3はミディアム、それ以降の10番グリッドまではソフト。11番手以降では最後尾のジョビナッツィがソフトを選択した以外はミディアムを選択。

スタート:左側のグリッドのマシンが良いスタートを決め、ボッタスがトップをキープし、フェルスタッペンが2番手に浮上。後方ではストロールがオコンに接触してフロントウイングを破損。マグヌッセンがベッテルに接触されてスピンを喫する。ストロールはハードタイヤに交換する。
(1)ボッタス(2)フェルスタッペン(3)ハミルトン(4)リカルド(5)ガスリー(6)ルクレール(7)アルボン(8)クビアト(9)ノリス(10)サインツ

5周目を終えた時点でボッタスとフェルスタッペンとの差は1.4秒。ハミルトンが1秒差で続く。ハミルトンはタービュランス(乱気流)で追従するのが難しいと無線で訴えている。

9周目:ピエール・ガスリーが無線で『致命的なことがある』と指示を受け、ピットに入ってレースをリタイアする。ガスリーはデータに異常値を検出してスタート前のグリッド上でボディワークを開けてマシンをチェックしていたが、解決できなかったようだ。ロマン・グロージャンがハードに交換する(17→18)。

11周目:ジョビナッツィがミディアムに交換(16→17)。ボッタスがファステストを連発してフェルスタッペとの差は2秒差。ハミルトンが1.3秒差で追う。先頭3台は1分18秒台、4番手のリカルドは1分21秒台

13周目:ルクレール(5→13)、ノリス(9→14)、オコン(12→16)がハードタイヤに交換
14周目:リカルド(4→10)、アルボン(6→12)、クビアト(8→13)がハードタイヤに交換
17周目:サインツがハードに交換(5→10)
18周目:フェルスタッペンがハードに交換(2→3)
19周目:ボッタスがハードに交換(1→2) フェルスタッペンとの差は1秒

無線:チームからハミルトン『スティント伸ばすぞ』 ファステストラップを連発しだす

22周目:フェルスタッペンがボッタスのDRS圏内に入るもセクター1で離される展開

無線:チームからボッタス『右フロントのフロアにダメージ』
無線:チームからフェルスタッペン『モード8(チェージモード)』
無線:フェルスタッペンからチーム『チャージが遅い」

24周目:ハミルトンが1分17秒台に突入。フェルスタッペンとの差は27秒以上に広がる

無線:ハミルトンからチーム『もっと長く行ける』 前にはトラフィック

28周目:ペレスがハードに交換(4→7) リカルド、ルクレール、アルボンをオーバーカット
29周目:オコンがコース脇にマシンを停めてリタイア

30周目:バーチャルセーフティカー。ハミルトンがハードに交換(1→1)。ボッタスとの差は3.6秒
31周目:バーチャルセーフティカー解除

35周目:ラティフィがハードに交換(7→15)
トップのハミルトンは1分17秒台、ボッタスとフェルスタッペンは1分18秒台
(1)ハミルトン(2)ボッタス+6.8 (3)フェルスタッペン+0.6

無線:チーム→ボッタス『ダメージの空力影響が大きい』

40周目:ベッテルがハードに交換。ピットに13秒かかる(4→13)

43周目:フェルスタッペンがボッタスを抜いて2位に浮上。ハミルトンとの差は13秒

無線:マグヌッセン『シフトが頭痛がするくらい振動』

49周目:マグヌッセンがピットに入りリタイアリタイア
49周目:ライコネンがソフトに交換(4→12) 全車がピットインを終える
ハミルトンは1分17秒725、フェルスタッペンは1分17秒952.その差は13秒799

51周目:フェルスタッペンが右リアタイヤをパンクさせてリタイア。『何かが壊れた』
51周目:セーフティカー導入
52周目:ボッタス(2→2)、ペレス(3→7)クビアト(8→8)サインツ(9→9)
53周目:ハミルトン(1→1)、ベッテル(14→16)
53周目:ラッセルがクラッシュリタイア

(1)ハミルトン(2)ボッタス(3)リカルド(4)ルクレール(5)アルボン(6)ペレス(7)クビアト(8)サインツ(9)ノリス(10)

58周目:レース再開。クビアトが5番手に浮上。アルボンがスピンして最後尾に後退。

60周目:アルボンがピットに入りリタイア

チェッカー:ルイス・ハミルトンが今季9勝目、2位バルテリ・ボッタス、3位ダニエル・リカルドが今季2度目の表彰台



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カテゴリー: F1 / F1レース結果 / F1イタリアGP