F1オーストリアGP 決勝:完走11台の大波乱。ボッタス優勝、ノリス初表彰台
2020年のF1世界選手権 第1戦 オーストリアGPの決勝が7月5日(日)にシュピールベルクのレッドブル・リンクで行われ、メルセデスF1のバルテリ・ボッタスが優勝。ランド・ノリス(マクラーレン)が3位に入り、F1初表彰台を獲得した。
本来、3月にF1オーストラリアGPで開幕する予定だった2020年のF1世界選手権だが、マクラーレンのチームスタッフに新型コロナウイルスの感染者が出たことを受け、金曜フリー走行の数時間前に中止が決定。
その後、新型コロナウイルスは世界中で猛威を振るい、序盤10戦のキャンセルが決定。F1チームのファクトリーは強制的なシャットダウン期間が設けられ、数か月にわたってF1界は活動休止状態となっていたが、今週末にオーストリアでいよいよシーズンは再開。グランプリ週末は観客を入れないクローズドイベントとして開催された。
舞台となるのは豊かな自然に囲まれた風光明媚な「レッドブルリンク」。オーストリアにはレッドブルの本社があり、レッドブルとトロロッソの両チームにとってはホームグランプリとなり、特別なレース週末になる。全長の短いサーキットだが、高速コーナーにロングストレートが組み合わされ、パワーユニットへの負荷が高いコースとなる。
ピレリは、オーストリアにじC2(ハード/ホワイト)、C3(ミディアム/イエロー)、C4(ソフト/レッド)というコンパウンドが選択。レースではC2とC3のいずれか1セットを使用されなければならない。また、C4は予選Q3で使用しなければならない。今年は新型コロナウイルスの影響でドライバーのタイヤ選択制が廃止となり、2組のタイヤのハード、3組のミディアム、8組のソフトが配分される。
決勝前に波乱。レッドブル・レーシングが予選でのルイス・ハミルトン(メルセデスF1)のイエローフラッグ無視について新しい証拠映像とともに抗議。スチュワードはその証拠をもとに再検証した結果、ルイス・ハミルトンに3グリッド降格ペナルティを科すことを決定。その結果、スターティンググリッドに変更があり、フロントローにマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)、2列目にランド・ノリス(マクラーレン)、アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)が昇格。ルイス・ハミルトンは3列目5番グリッドからスタートすることになった。
27.6度、路面温度53.7度のドライコンディションで71周のレースはスタートした。
3度のセーフティカー、9台がリタイアする大波乱のレースを制したのはポールポジションからスタートしたバルテリ・ボッタス(メルセデスF1)。終盤にセンサーのトラブルによって無理をしない走行を強いられたが、上位勢ではただ一人その他のトラブルに巻き込まれることなく、ポール・トゥ・ウィンで今シーズン初戦で優勝を果たした。
チームメイトのルイス・ハミルトンは2位でフィニッシュしたものの、終盤のアレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)とのクラッシュで5秒加算ペナルティを科せられて4位に降格。
2位にはフェラーリF1のシャルル・ルクレール、そして、3位にはマクラーレンF1のランド・ノリスが入り、F1初表彰台を獲得した。
以下、ルイス・ハミルトン、カルロス・サインツ、セルジオ・ペレス、ピエール・ガスリー、エステバン・オコン、アントニオ・ジョビナッツィ、セバスチャン・ベッテルまでが入賞。デビュー戦となったニコラス・ラティフィは惜しくもポイントを逃した。
レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは11周目に突如スローダウン。ピットに入るが再び発進することができずリタイア。アレクサンダー・アルボンはルイス・ハミルトンとの接触によってマシンにダメージを負ってリタイア。アルファタウリ・ホンダF1のダニール・クビアトは終了間際にサスペンションが壊れてリタイアした。
【レース展開】
ポールポジションのバルテリ・ボッタスが好スタートを決めてリードを維持。1コーナーで何台か膨らむマシンがでたものの、接触はなく通過。1.ボッタス、2.フェルスタッペン、3.ノリス、4.アルボン、5.ハミルトン、6.ペレスの順でオープニングラップを終了。ボッタスは2秒のリードを築く。
3周目にアレクサンダー・アルボンが、4周目にはルイス・ハミルトンがランド・ノリスをオーバーテイク。メルセデスがレッドブル・ホンダを挟む形となる。
しばらくルイス・ハミルトンを抑えていたアレクサンダー・アルボンだが、9周目にハミルトンが攻略して3番手に浮上する。2番手のフェルスタッペンは約4秒先にいる。
11周目、マックス・フェルスタッペンがスローダウン。おそらく電気系の問題でアンチストールが入りっぱなしの状態となり、ピットでステアリングを変え、タイヤもハードタイヤに変更するも発進できず、レースをリタイアすることになった。
これでメルセデスの1-2体制となり、アレクサンダー・アルボンが3番手に続く。
19周目にはダニエル・リカルド(ルノー)、21周目にはランス・ストロール(レーシング・ポイント)がリタイアする。
25周目、ケビン・マグヌッセンがブレーキトラブルとみられる問題でコースオフしてストップ。これでセーフティカーが入り、ほぼ全てのマシンがピットインする。
31周目にレースは再開。1.ボッタス、2.ハミルトン、3.アルボン、4.ノリス、5.ペレス、6.ルクレールの順。8番手を走行していたベッテルがサインツに仕掛けて接触してスピン。15番手まで順位を落とす。
33周目、セルジオ・ペレスがランド・ノリスを抜いて4番手に浮上する。
メルセデスがエンジンのセンサーに懸念があり、無理ができないことをドライバーに伝える。3番手のアルボンまでは10秒以上の差がある。
51周目、ブレーキに問題を抱えていたロマン・グロージャンがピットに入りリタイア、ジョージ・ラッセルがコース上でストップしてリタイア。これで2回目のセーフティカーが入る。ここアルボン、ノリス、ルクレールがピットイン。ペレスがピットに入らなかったため、ソフトに好感したアルボンは4番手に順位を落とす。
55周目にレースは再開。アルボンがペレスの前にでるが、そのタイミングでキミ・ライコネンが右フロントタイヤが外れてリタイアし、3度目のセーフティカーが入る。一度はペレスに順位を戻したアルボンだが、セーフティカー中に再び前に出る。
61周目にレースは再開。アルボンはハミルトンを抜きにかかるが接触してスピン。最後尾に順位を落とす。この接触は審議対象となる。ルイス・ハミルトンに5秒加算ペナルティが科せられる。
66周目、シャルル・ルクレールがセルジオ・ペレスを抜いて3番手に浮上。セルジオ・ペレスにピットレーンのスピード違反で5秒加算ペナルティが科せられる。
69周目、ダメージを負ったアレクサンダー・アルボンがマシンを止めてリタイア。ダニール・クビアトがサスペンションが折れてクラッシュしてリタイアする。
4番手のランド・ノリスがルイス・ハミルトンの5秒以内でチェッカーを受け、バルテリ・ボッタス、シャルル・ルクレール、ランド・ノリスが表彰台を獲得した。
カテゴリー: F1 / F1レース結果 / F1オーストリアGP
本来、3月にF1オーストラリアGPで開幕する予定だった2020年のF1世界選手権だが、マクラーレンのチームスタッフに新型コロナウイルスの感染者が出たことを受け、金曜フリー走行の数時間前に中止が決定。
その後、新型コロナウイルスは世界中で猛威を振るい、序盤10戦のキャンセルが決定。F1チームのファクトリーは強制的なシャットダウン期間が設けられ、数か月にわたってF1界は活動休止状態となっていたが、今週末にオーストリアでいよいよシーズンは再開。グランプリ週末は観客を入れないクローズドイベントとして開催された。
舞台となるのは豊かな自然に囲まれた風光明媚な「レッドブルリンク」。オーストリアにはレッドブルの本社があり、レッドブルとトロロッソの両チームにとってはホームグランプリとなり、特別なレース週末になる。全長の短いサーキットだが、高速コーナーにロングストレートが組み合わされ、パワーユニットへの負荷が高いコースとなる。
ピレリは、オーストリアにじC2(ハード/ホワイト)、C3(ミディアム/イエロー)、C4(ソフト/レッド)というコンパウンドが選択。レースではC2とC3のいずれか1セットを使用されなければならない。また、C4は予選Q3で使用しなければならない。今年は新型コロナウイルスの影響でドライバーのタイヤ選択制が廃止となり、2組のタイヤのハード、3組のミディアム、8組のソフトが配分される。
決勝前に波乱。レッドブル・レーシングが予選でのルイス・ハミルトン(メルセデスF1)のイエローフラッグ無視について新しい証拠映像とともに抗議。スチュワードはその証拠をもとに再検証した結果、ルイス・ハミルトンに3グリッド降格ペナルティを科すことを決定。その結果、スターティンググリッドに変更があり、フロントローにマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)、2列目にランド・ノリス(マクラーレン)、アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)が昇格。ルイス・ハミルトンは3列目5番グリッドからスタートすることになった。
27.6度、路面温度53.7度のドライコンディションで71周のレースはスタートした。
3度のセーフティカー、9台がリタイアする大波乱のレースを制したのはポールポジションからスタートしたバルテリ・ボッタス(メルセデスF1)。終盤にセンサーのトラブルによって無理をしない走行を強いられたが、上位勢ではただ一人その他のトラブルに巻き込まれることなく、ポール・トゥ・ウィンで今シーズン初戦で優勝を果たした。
チームメイトのルイス・ハミルトンは2位でフィニッシュしたものの、終盤のアレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)とのクラッシュで5秒加算ペナルティを科せられて4位に降格。
2位にはフェラーリF1のシャルル・ルクレール、そして、3位にはマクラーレンF1のランド・ノリスが入り、F1初表彰台を獲得した。
以下、ルイス・ハミルトン、カルロス・サインツ、セルジオ・ペレス、ピエール・ガスリー、エステバン・オコン、アントニオ・ジョビナッツィ、セバスチャン・ベッテルまでが入賞。デビュー戦となったニコラス・ラティフィは惜しくもポイントを逃した。
レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは11周目に突如スローダウン。ピットに入るが再び発進することができずリタイア。アレクサンダー・アルボンはルイス・ハミルトンとの接触によってマシンにダメージを負ってリタイア。アルファタウリ・ホンダF1のダニール・クビアトは終了間際にサスペンションが壊れてリタイアした。
2020年 第1戦 F1オーストリアGP 結果
順位 | No | ドライバー | チーム | GAP | INT |
---|---|---|---|---|---|
1 | 77 | バルテリ・ボッタス | メルセデス | LAP | 71 |
2 | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 5.689 | 0.198 |
3 | 4 | ランド・ノリス | マクラーレン | 2.700 | 2.700 |
4 | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 5.491 | 2.791 |
5 | 55 | カルロス・サインツ | マクラーレン | 8.903 | 3.214 |
6 | 11 | セルジオ・ペレス | レーシングポイント | 15.092 | 6.189 |
7 | 10 | ピエール・ガスリー | アルファタウリ・ホンダ | 16.682 | 1.590 |
8 | 31 | エステバン・オコン | ルノー | 17.456 | 0.774 |
9 | 99 | アントニオ・ジョビナッツィ | アルファロメオ | 21.146 | 3.690 |
10 | 5 | セバスチャン・ベッテル | フェラーリ | 24.545 | 3.399 |
11 | 88 | ニコラス・ラティフィ | ウィリアムズ | 31.650 | 7.105 |
26 | ダニール・クビアト | アルファタウリ・ホンダ | |||
23 | アレクサンダー・アルボン | レッドブル・ホンダ | |||
7 | キミ・ライコネン | アルファロメオ | |||
63 | ジョージ・ラッセル | ウィリアムズ | |||
8 | ロマン・グロージャン | ハース | |||
20 | ケビン・マグヌッセン | ハース | |||
18 | ランス・ストロール | レーシングポイント | |||
3 | ダニエル・リカルド | ルノー | |||
33 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル・ホンダ |
【レース展開】
ポールポジションのバルテリ・ボッタスが好スタートを決めてリードを維持。1コーナーで何台か膨らむマシンがでたものの、接触はなく通過。1.ボッタス、2.フェルスタッペン、3.ノリス、4.アルボン、5.ハミルトン、6.ペレスの順でオープニングラップを終了。ボッタスは2秒のリードを築く。
3周目にアレクサンダー・アルボンが、4周目にはルイス・ハミルトンがランド・ノリスをオーバーテイク。メルセデスがレッドブル・ホンダを挟む形となる。
しばらくルイス・ハミルトンを抑えていたアレクサンダー・アルボンだが、9周目にハミルトンが攻略して3番手に浮上する。2番手のフェルスタッペンは約4秒先にいる。
11周目、マックス・フェルスタッペンがスローダウン。おそらく電気系の問題でアンチストールが入りっぱなしの状態となり、ピットでステアリングを変え、タイヤもハードタイヤに変更するも発進できず、レースをリタイアすることになった。
これでメルセデスの1-2体制となり、アレクサンダー・アルボンが3番手に続く。
19周目にはダニエル・リカルド(ルノー)、21周目にはランス・ストロール(レーシング・ポイント)がリタイアする。
25周目、ケビン・マグヌッセンがブレーキトラブルとみられる問題でコースオフしてストップ。これでセーフティカーが入り、ほぼ全てのマシンがピットインする。
31周目にレースは再開。1.ボッタス、2.ハミルトン、3.アルボン、4.ノリス、5.ペレス、6.ルクレールの順。8番手を走行していたベッテルがサインツに仕掛けて接触してスピン。15番手まで順位を落とす。
33周目、セルジオ・ペレスがランド・ノリスを抜いて4番手に浮上する。
メルセデスがエンジンのセンサーに懸念があり、無理ができないことをドライバーに伝える。3番手のアルボンまでは10秒以上の差がある。
51周目、ブレーキに問題を抱えていたロマン・グロージャンがピットに入りリタイア、ジョージ・ラッセルがコース上でストップしてリタイア。これで2回目のセーフティカーが入る。ここアルボン、ノリス、ルクレールがピットイン。ペレスがピットに入らなかったため、ソフトに好感したアルボンは4番手に順位を落とす。
55周目にレースは再開。アルボンがペレスの前にでるが、そのタイミングでキミ・ライコネンが右フロントタイヤが外れてリタイアし、3度目のセーフティカーが入る。一度はペレスに順位を戻したアルボンだが、セーフティカー中に再び前に出る。
61周目にレースは再開。アルボンはハミルトンを抜きにかかるが接触してスピン。最後尾に順位を落とす。この接触は審議対象となる。ルイス・ハミルトンに5秒加算ペナルティが科せられる。
66周目、シャルル・ルクレールがセルジオ・ペレスを抜いて3番手に浮上。セルジオ・ペレスにピットレーンのスピード違反で5秒加算ペナルティが科せられる。
69周目、ダメージを負ったアレクサンダー・アルボンがマシンを止めてリタイア。ダニール・クビアトがサスペンションが折れてクラッシュしてリタイアする。
4番手のランド・ノリスがルイス・ハミルトンの5秒以内でチェッカーを受け、バルテリ・ボッタス、シャルル・ルクレール、ランド・ノリスが表彰台を獲得した。
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