ルノーF1、フェルナンド・アロンソとの契約よりも先決な“F1継続”問題
フェルナンド・アロンソが2021年にルノーからF1復帰するというニュースが見出しを飾っているが、それもルノーがF1を継続することが前提となる。

セバスチャン・ベッテルのフェラーリF1離脱をきっかけに発生した移籍劇のなかでルノーはその連鎖反応の敗者となった。わずか48時間後にカルロス・サインツがセバスチャン・ベッテルの後任としてフェラーリに加入することが発表され、サインツが去ったマクラーレンは後任としてダニエル・リカルドと複数年契約を結んだ。

ルノーF1の初年度のパフォーマンスと今後の見通しは、ダニエル・リカルドに残留を納得させることができず、ルノーF1はエステバン・オコンのチームメイトを探さなければならなくなった。

そこですぐに名前が挙がったのが、2005年と2006年にルノーF1でタイトルを2連覇したフェルナンド・アロンソだ。報道ではすでに事前契約が結ばれたとも伝えられている。

だが、フェルナンド・アロンソのルノーF1への復帰は、新型コロナウイルス危機によってルノーがF1プログラムを継続するかどうかに依存している。

カルロス・ゴーンの汚職スキャンダル、2019年シーズンの期待外れな成績、2020年限りでのエンジンカスタマーがいなくなる状況、そして、最も直近ではブレーキバイアスシステムの不正行為など、ルノーにとって逆風が吹いており、F1からの撤退が噂がつきまとっている。

フランス政府はルノー・グループの15%の株主だが、最近、経済大臣のブルーノ・ルメアは、ルノーを支援するために50億ドル(約5386万円)の保証付きローンを検討していることを確認している。そのような状況では、F1のような活動は特にイメージという点であまり良い印象を与えることはないだろう。

F1は2021年から予算上限が導入され、2021年も今季シャシーを継続仕様することを決定。大幅なレギュレーション変更は2022年へと延期されたことで、突然のF1撤退は除外される可能性もあるが、2008年の前回の経済危機ではルノーを含め、ホンダ、BMW、トヨタといった主要な自動車メーカーが躊躇なく撤退を決断している。

来年で40歳になるフェルナンド・アロンソを復活させることもリスクがないわけではない。2018年にF1を離れたアロンソには2年のブランクがあり、またエステバン・オコンという野心的な若手ドライバーと組むことになる。フェラーリ、特にマクラーレン・ホンダ時代には競争力のないF1エンジンを痛烈に批判し、ブランドイメージを傷つけている。

2016年にワークスチームとして復活したルノーF1だが、トップ争いに返り咲くという5か年計画の最終年となる2020年もその見通しは明るくない。ここまでまだ表彰台にフランス国家は流れておらず、昨年はエンジンカスタマーのマクラーレンの後塵を拝してコンストラクターズ選手権5位に甘んじた。そのマクラーレンもルノーのF1エンジンに見切りをつけ、2021年からメルセデスへと変更。ルノーはエンジンカスタマーのいない唯一のエンジンメーカーとなる。

そのため、ルノーF1が表彰台や勝利を賭けて戦えるようになるには、少なくとも3年はかかると見られており、フェルナンド・アロンソが大人しくそのような挑戦を受け入れるとは考えがたい。

しかし、フェルナンド・アロンソ復帰というストーリーは、ルノーの取締役会にF1への投資継続を正当化させる最もセクシーなオプションになるかもしれない。

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / ルノー / フェルナンド・アロンソ