F1マシン列伝:ルノー R25 “フェラーリ政権に終止符”
ルノーの2005年F1マシン『R25』は、長きにわたるフェラーリ政権に終止符を打ち、ルノーに初のコンストラクターズタイトルをもたらした歴史的を変えた1台だ。

2000年にベネトンF1チームを買収したルノーは、2002年に「マイルドセブン・ルノーF1チーム」として17年ぶりにコンストラクターとして復帰。2005年までにコンストラクター部門でのタイトルを獲得するという目標を掲げた。

V10エンジン最終年となった2005年。ダウンフォースとコーナリングスピードを下げるためにフロントウィングを50mm持ち上げるという新しいルールが導入された。

テクニカルディレクターのボブ・ベル主導で開発されたルノー R25は当時のトレンドとなる空力コンセプトが盛り込まれた。フロントサスペンションのマウントにはVキールを開発。ノーズは細く絞り込まれ、フロントウイングは複雑な3D形状を採用。第4戦サンマリノGPではフロントウイングにアッパーエレメントが装着し、以降のトレンドとなった。

サイドポンツーンはよりタイトに絞り込まれた非常に美しい継続。冷却面で厳しくなるのを防ぐため、上面に放熱用のシャークルーバーが何本も刻まれたされた。

また、シーズン終盤には翌年に競争力を発揮する“マスダンパー”を投入。ノーズコーン内部に垂直におもりを吊り下げ、上下にバネを挟んだこのデバイスはコーナーリング中のフロントエンドの安定性を高めた。

前年まではフェラーリがコンストラクターズ選手権を6連覇(1999年から2004年)、ミエエル・シューマッハがドライバーズ選手権を5連覇(2000年から2004年)し、ダブルタイトル5連覇と圧倒的な強さをみせていた。

しかし、開幕戦GPはジャンカルロ・フィジケラがポール・トゥ・ウィンを達成。第2戦マレーシアGPではフェルナンド・アロンソがシーズン初勝利を挙げるとそこから3連勝。アロンソは第5戦スペインGPでも2位表彰台を獲得し、開幕5戦全てで表彰台を獲得してリードを広げる。

終盤はマクラーレンのキミ・ライコネンが追い上げをみせるが、フェルナンド・アロンソは第17戦ブラジルGPまでに17レース中13度の表彰台を獲得。スペイン人として初、そして当時F1史上最年少となる24歳58日でF1ワールドチャンピオンとなった。ルノーもコンストラクターとして1977年の初参戦以来初めてチャンピオンとなり、選手権2冠を達成。長く続いたフェラーリ/ミハエル・シューマッハ政権に終止符を打った。

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