F1 レッドブル・レーシング ルノーF1 本田技研工業
ルノーF1は、レッドブル・レーシングに2019年のF1エンジン契約に関してF1の競技規則で定められた5月15日から最終期限を延長する意向はないと警告。レッドブル・レーシングは今後2週間でホンダとルノーのどちらかを決断しなければならない状況に追い込まれた。

レッドブル・レーシングは、先週末のF1アゼルバイジャンGPでホンダと2019年以降のF1エンジン契約について初めての正式な交渉を開始したが、決断までの時間は多くは残されていない。

現状のパワー出力という点ではルノーのF1パワーユニットはホンダを上回っているが、どちらもフェラーリとメルセデスに匹敵するには至っていない。

ホンダとルノーの両社は、6月のF1カナダGPでアップグレードの投入を予定しており、両方のエンジンが2019年にどれくらい競争力を発揮できるかが明確になるとみられている。しかし、レッドブル・レーシングは、それらのデータを分析して決断を下す余裕はなくなった。

F1の競技規則では、F1のパワーユニット製造者は来シーズンにどのチームにパワーユニットを供給するかについて5月15日以前までにFIA(国際自動車連盟)に通知する必要があると記されているが、全パワーユニット製造者とFIAの間で書面で合意されれば、その最終期限を延長することができる。

昨年はその抜け穴によって、マクラーレンはホンダからルノー、トロロッソはルノーからホンダへの変更するという決断を9月のF1シンガポールGPまで引き延ばすことができた。

しかし、ルノー・スポールF1のマネージングディレクターを務めるシリル・アビテブールは、今年は5月15日の最終期限を守らなければならないと述べた。

「我々はその最終期限を固辞しなければならない。理由は非常に単純だ。パーツを注文する必要がある」とシリル・アビテブールは ESPN にコメント。

「人々は昨年の非常に遅くに我々がカスタマーを変更した際に起こったことと混同する傾向にあるが、あれはカスタマーを交換しただけだった。なので、実際にはトロロッソのために製造していたエンジンをマクラーレンが使えるように配分することに決めただけであり、そのエンジンのためのパーツはすでには発注済みだった。これから我々は来年のための最大のリードタイムで発注しなければならない。3社なのか2社なのか? 我々は把握しなければならない」

「率直に言えば、我々はレッドブルとその問題について定期的に議論してきた。我々は困らせたいわけではない。戦略的なものは何もない。だが、シンプルに量を定義しなければならない。競技規則があるのはそのためだ。サプライヤーからカスタマーチームへの供給義務についてFIAと話し合い、純粋にそこがプロジェクトの期限なので、5月の最終期限で合意した」

「レッドブルはそれに対処しなければならないだろう」

また、シリル・アビテブールは、来年もマクラーレンへのカスタマーエンジンの供給については喜んで続けていくと述べた。

「1つのカスタマーがいることが重要だ。2つのカスタマーを失うことは望ましいことではないし、マクラーレンと契約を結んだのはそれが理由のひとつでもある。彼らとは2020年までの長期的な契約を結んでいる」

「我々はすでにマクラーレンとそれ以降に何が実現できるかについて話し合っている。一緒に素晴らしいことを達成できるという感情がそこにはあるからだ。だが、率直に言えば、2つのカスタマーから1つのカスタマーに移行することは問題ではない」

レッドブル・レーシングとルノーは、2010年から2013年までにドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルを4連覇した。しかし、2014年に新しいレギュレーションによってV6ターボハイブリッドが導入されて以降、ルノーのパワーユニットは競争力と信頼性に欠け、そのパートナーシップは悪化していった。

シリル・アビテブールは、レッドブル・レーシングとの最大の問題は、メルセデスとフェラーリというファクトリーチームに匹敵するワークスパートナーシップではなく、完全にカスタマーとサプライヤーという関係を貫いたことにあると考えている。

また、シリル・アビテブールは、ルノーのエンジニアがレーストラックに直接関与できなかったことで、結果としてライバルメーカーのメルセデスとフェラーリに匹敵するパワーモードの開発を逃すことになったと考えている。

「我々は2014年のレギュレーションの複雑さを理解し、評価することができなかったし、新しいレギュレーションによって一方がカスタマー、一方がサプライヤーというモデルが完全に崩壊したことを十分に理解することができなかった」

「メルセデスとフェラーリの2チームがそのアドバンテージを得たのはそれが理由だ。彼らは素晴らしチームであり、素晴らしい施設があり、良い人材を揃えている。それだけでなく、彼らは完全に統合されている」

「レッドブルもルノーもそのレベルの統合が必要なことを見極めることができなかった。それは我々が共に犯したミスであり、サポートし、特定し、対応し、修正することができなかった。我々は競争で運営することを望んでいたそのモデルに少しばかり自己満足していたかもいれない。それは適切な判断ではなかったし、新しいレギュレーションに最適、もしくは対応するものではなかった」

「サプライヤーとして自分たちを保ち、腕の届く距離で彼らをカスタマーとして保ち続けたことにより、レースとの密接な関わりと持つことができず、我々のエンジン拠点であるヴィリーを弱体化させたと思う。オイル燃焼や予選モードなどの議論は我々が考えもしなかったことだったが、それは我々とレッドブルとの仕事による直接的な結果だ。また、ワークスチームでなかったことにより、あるいは我々を完全なパートナーとみなしてくれるようなチームと関われなかったことによって、接点を失ってしまった直接的な結果だ」

「レース環境にいななかったことによって我々は不利な状況に陥った。そこはワークスチームとして再構築していることのひとつだ」

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カテゴリー: F1 / ルノーF1チーム / レッドブル・レーシング