クリスチャン・ホーナー、投資家と290億円規模の新F1チーム買収構想

同紙によると、ホーナーには複数の富裕層投資家から接触があり、「共同で新チームを立ち上げたい」という提案を受けているという。これにより、上位4チームを除くF1チームを丸ごと買収できるだけの資金力を得たとされる。
また、ホーナーはレッドブル時代のようなチーム代表職ではなく、オーナーとしてチームを統括する立場を望んでおり、フェラーリ移籍のうわさが浮上していたものの「イタリアでのフルタイム勤務は考えていない」とも伝えられている。
『The Times』は、ホーナーが契約上の制限期間を終える2026年4月以降にF1パドックへ復帰可能となると報道。FIA会長モハメド・ビン・スライエムおよびF1 CEOステファノ・ドメニカリも、その復帰を妨げる意向はないとし、同紙は「これまで以上に強力な立場でF1に戻ってくる可能性がある」と締めくくっている。
“テープゲート”は「旧体制の名残」
独『Auto Motor und Sport』誌のマイケル・シュミット記者は、レッドブルの“テープゲート”騒動(アメリカGPでメカニックがマクラーレンのグリッド用テープを剥がした行為)について、「ホーナー時代の残り香」と指摘した。
「このような行為に頼らなければならないのは残念だ」とシュミットは述べ、「ラウラン・メキースはそういう指示を出す人物ではない。彼はとてもスポーティーな性格だ。彼がレッドブルのメインチームに加わったのは最近だから、これはおそらく“昔の癖”だろう」と語った。
トト・ヴォルフ「彼はいずれ戻ってくる」
一方、メルセデスF1代表のトト・ヴォルフもホーナーの復帰を予想している。
「彼のような人物がチームを去れば、誰もが“いつ戻ってくるのか”と考えるものだ」とヴォルフは語った。
「世界の動きは速い。彼はいずれ戻ってくると思う。いつ、どこでかは分からないがね」
さらにヴォルフは、ホーナーがチーム内で大きすぎる存在になりすぎた可能性を示唆しつつ、自己省察の重要性を説いた。
「人は夜、自分の顔を鏡で見てこう言えるべきだ。“今日は少しバカだったかな?”とね。そういう自己反省こそが、レースに勝ってカメラに囲まれている時でも、地に足をつけていられる秘訣なんだ」
ホーナー復帰の現実味と“レッドブル後”の構図
ホーナーが2026年にF1へ復帰する可能性は、単なる憶測に留まらない。巨額の契約解除金によって経済的な余裕を得ており、オーナーシップを志向する姿勢は、かつてのチーム運営とは異なる新たな段階を示している。
加えて、FIAおよびF1上層部がその復帰を妨げる意志を持たないことは、政治的にも“復権”への障壁が低いことを意味する。
一方で、ミルトンキーンズでの“テープゲート”が示すように、レッドブル内部にはなおホーナー体制の影響が残る。ローラン・メキースによる再構築が進むなか、旧来の文化との決別がどこまで進むかは、チーム再生の試金石となりそうだ。
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