F1、クリスチャン・ホーナーの“12番目のチーム設立”計画に難色
レッドブル・レーシングの元代表クリスチャン・ホーナーが、元スタッフとの不正行為疑惑をめぐる法的紛争を終結させ、F1復帰への道を開いた。しかし、彼が模索しているとされる「12番目のF1チーム」構想に対し、F1関係者の多くは難色を示している。

オランダ紙『De Telegraaf』によると、この訴訟は数百万ユーロ規模の和解金によって取り下げられたという。昨年、ホーナーの解任につながった元スタッフの女性は現在キャデラックに移籍しており、両者の間に残っていた法的な障害は完全に解消された。

一方のホーナーはレッドブル離脱時に約1億ユーロ(約160億円)に近い退職金を受け取ったとされ、すでにあらゆる契約上の拘束から解放されている。

F1復帰のタイミングは2026年以降
今回の和解によって、ホーナーは2026年半ば以降に新たな活動を開始できるようになった。

スカイスポーツF1のマーティン・ブランドルは、シンガポールGPの際にホーナー本人と直接連絡を取ったと明かしている。

「彼は“F1こそが自分の人生であり、スキルと経験を最大限に生かせる場所だ”と話していた」とブランドルは語った。

「そして『何かを失う覚悟がある時しか戻らない』とも言っていた。」

狙うのは“チーム代表”ではなく“支配権”
報道によれば、ホーナーは単なるチーム代表としての復帰ではなく、経営的な支配権を求めているという。

メルセデスのトト・ウォルフのように、チーム株式を保有して経営に深く関与するポジションを理想としており、既存チームの買収や新チーム設立を模索しているとされる。

しかし、F1の現行10チーム体制を守りたい既存勢はこれに強く反発している。

ブランドルは「現在のチームやステークホルダーはFIAに圧力をかけ、12番目のチーム追加を認めないよう働きかけている」と述べ、ホーナーの構想が容易ではないことを示唆した。

F1勢力再編の火種となる可能性
ホーナーはレッドブルを率いて6度のコンストラクターズタイトルを獲得し、F1史上最も成功したチーム代表の一人とされる。そのリーダーシップと政治的手腕は、現在もF1パドック内で大きな影響力を持つ。

今回の和解により、彼が新たな形でF1に戻る可能性が現実味を帯びてきた。特に、元スタッフが移籍したGM傘下のキャデラック(アンドレッティ陣営)との関係を通じ、アメリカ系新チームへの関与が浮上する可能性もある。

ただし、F1は現在も新規参入に慎重であり、ホーナー主導の「第12チーム」が承認される見通しは立っていない。それでも、彼が再びF1の中心に戻る日が近いことは間違いない。

Source: GMM

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング