角田裕毅 レッドブルF1決定の舞台裏「直前で話が変わった」
角田裕毅は、2026年シーズンに向けてレッドブルが自身を起用しないと決めた判断について、直前になって変更された可能性があり、完全に不意を突かれたと明かした。

レッドブル・レーシングで22戦に出走した角田裕毅は、パフォーマンスやレースペースを巡ってチーム内で評価が揺れ動いていた。ヘルムート・マルコの見解では安定性に欠けるとされ、その結果、後任にはアイザック・ハジャーが選ばれた。

さらに角田裕毅は、レーシングブルズへの復帰も叶わなかった。リアム・ローソンがシートを維持し、F2からはアービッド・リンドブラッドが昇格したためだ。ただし角田裕毅は、2026年もレッドブル陣営に残り、両チームの公式リザーブドライバーを務めることになる。

そうした中で角田裕毅は、日本のDAZNの取材に対し、本来は2026年も起用されるはずだったと明かし、次のように語った。

「その知らせは、以前聞いていた話とは違っていたので、正直驚きました」

さらに、決定の経緯についても踏み込んでいる。

「カタールGPのレース後、僕に伝えられる少し前になって、判断が変更されたと聞いています」

これは事実なのか、それともシーズン終盤まで角田裕毅のモチベーションを保つための対応だったのか。その点については、近いうちにローラン・メキースが答えることになるかもしれない。

一方で25歳の角田裕毅は、シーズン途中でレッドブルの環境に加わることの難しさについても振り返り、マックス・フェルスタッペンのチームとのパフォーマンス差は、外から見えるほど大きくはなかったと説明した。

「僕のエンジニアチームはとても有能ですが、経験は十分とは言えず、時には助けが必要でした。ただ、それを常に求められる状況ではありませんでした」

角田裕毅は、ジャンピエロ・ランビアーゼについても高く評価している。

「これまで一緒に仕事をしてきた中でも、最も印象的なエンジニアのひとりです」

そのうえで、フェルスタッペンとランビアーゼの関係性について、次のように語った。

「彼は僕のシャシーも見ていますが、マックスが苦しんでいる時は、当然そちらが最優先になります。僕が走っていなかったFP1で、GPとマックスのやり取りを聞いていましたが、まったく別次元でした」

「すべてがどれだけ効率的に機能しているかが分かります。僕もあのレベルのコミュニケーションに到達したかった。何かを確認するのに誰かを挟まなければならない時点で、もう遅れを取ってしまいます」

レギュラーシートを失ったものの、角田裕毅は2026年の役割が、単なるリザーブやファクトリーでのシミュレーター作業にとどまらない可能性を強く示唆した。

「来年は、シミュレーターとリザーブの仕事だけに限定されない可能性があります」

さらに、詳細は明かさなかったものの、次のように続けている。

「いくつかのシナリオについて話は聞いています」

角田裕毅はまた、2025年シーズンを通じて、極めて競争の激しいグリッドの中で大きく成長できたとも語った。

「マックスとの差がコンマ2〜3秒でも、グリッドでは5〜7番手の差になることがあります。その状況では、自分を証明するのは簡単ではありません」

「それでも、今年は本当に多くのことを学びました。ドライビング面でも、人としても、大きく成長できたと思っています」

角田裕毅は、2026年に向けたトレーニングを始める前に、まずは休養を取る予定だという。そして、F1のシートを失った悔しさはありながらも、前向きな姿勢を強調した。

「僕はまだ25歳で、人生はこれからです。これは始まりに過ぎません」

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カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / レッドブル・レーシング