レッドブル・ホンダF1、2021年のフロア規定の変更は不利との下馬評
レッドブル・ホンダF1は、フロア面積を減少するレギュレーション変更によって2021年に向けてすでに不利な状況にあると予想されている。

新型コロナウイルスの影響を鑑みて、2021年は基本的には今年使用したシャシーがそのまま使用されることになっているが、FIA(国際自動車連盟)はマシンのパフォーマンスに重要な影響を与える可能性のあるいくつかの変更を加えた。

この変更は全く異なるタイプのマシンコンセプトを採用するメルセデスとレッドブル・ホンダとの戦いに影響を及ぼすと考えられている。

2021年の最大の変更はフロアにあり、ダウンフォースは約10%削減されるとされている。FIAはピレリタイヤへの負荷が増加することを考慮した安全のためにこの変更を決定した。

今シーズンまで、フロアは、シャシーの最も広いポイント(コックピット端)からリアタイヤまで直線に走っていた。近年、マシンのリアが細くなるにつれて、フロアの端は構造的に“役に立たない”ものになっていた。

しかし、それらがまだそこにあるという事実は、フロアが生成する可能性のある大量の下向きの圧力と関係している。フロアの傾斜角(レーキ)は、ディフューザーと連動して、マシンの下に負圧を発生させ、いわば地面を吸い込む。

だが、来シーズンからF1チームはコックピットから後輪まで床のこの部分を斜めにカットする必要がある。その場合、フロアは後輪でさらに10センチ内側になる。下の写真の緑色の三角形は、フロアのどの部分が消えるかを示している。

レッドブル・ホンダF1、2021年のフロア規定の変更は不利との下馬評

フロアを部分的に取り除くことに加えて、フロアの残りの部分のすべてのスロットと穴も禁止されている。それらも可能な限り多くの下向きの圧力を生成するためにそこに配置されていた。全体として、この変更によってマシンは1周あたり約0.5秒遅くなると推定されている。

これらの規定は全F1チームで同じだが、効果は決して同じではない。ほとんどのF1チームは異なるホイールベースを採用しており、フロアのサイズも異なる。またチーム間で“レーキ角”にも違いがある。

レッドブル・レーシングとメルセデスはその点で反対のコンセプトを採用している。メルセデスのホイールベースは長く、地面に対して比較的フラットだが、レッドブルは比較的ホイールベースが短く、過度に前傾している。言うまでもなく、フロアの一部を切り取っても、両方のチームに比例した影響はない。

現時点で、その効果が正確に何であるかは両チームの風洞のみでわかる。確かなことは、メルセデスはフロアのより大きな部分が消えることだ。彼らは主にフロア面積の増加に依存してダウンフォースを生成しているので、一見すると、このルールの変更によってより大きな打撃を受けると考えられる

しかし、レッドブル・レーシングは、ホイールベースが短いため、フロアのより大きな割合を失うことになる。さらに重要なことに“ハイレーキ”のコンセプトによって、レッドブルは1平方センチメートルあたりより多くの負圧を生成しているため、1平方センチメートルが消えるごとに、メルセデスよりも比較的多くの下向きの圧力が失われることになる。

もちろん、これらは単なる仮定であり、実際にそれがどれくらいの損失になるかを正確に知っているのはミルトンキーンズの風洞の空力スペシャリストだけだが、これらの仮設に基づけば、レッドブルの方が2021年に向けてすでに不利な立場にあると考えられている。

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / ホンダF1 / F1マシン