レッドブルF1、2022年以降は“無限ホンダ”エンジンを搭載?
レッドブルF1のチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーとモータースポーツアドバイザーのヘルムート・マルコが、現在、オーストリアでレッドブルのオーナーであるディトリッヒ・マテシッツと会っており、ホンダF1の知的財産権を買い取るための財政的な承認を得るために交渉していると報じられている。

ホンダが2021年シーズン限りでF1撤退を決めたことで、レッドブルは2020年から搭載するF1エンジンを探すという問題に直面することとなった。

オーナーであるディートリッヒ・マテシッツは、メルセデスとのパートナーシップを望んでいないとされ、フェラーリとも昨年の不正行為論争で関係がいいとは言えない。何よりチャンピオンシップ獲得を目指すレッドブルにとって、現在のフェラーリのF1エンジンは競争力に欠けている。メルセデスとフェラーリは2015年にレッドブルにエンジンがない状況になった際に供給を拒否している。

残るはルノーだが、かつてタイトルを4連覇したパートナーシップは喧嘩別れで終わっており、再び両者が健全な関係を築くのは難しいとの見方が強い。

そこで浮上しているのが、レッドブルがホンダF1の知的財産権を買い取り、ホンダが2021年まで開発したF1エンジンで参戦を継続するというもの。現在のレッドブルのシャシーはホンダのF1エンジンに完全に統合されており、論理的な解決策になる可能性があると考えられている。

その際には、過去にルノーのF1エンジンにタグホイヤーのバッチをつけて参戦したようにホンダの名前は伏せられるが、Missed Apex Podcast は、エンジンには“無限”のバッチが貼られるのではないかと推測している。

レッドブルは、エンジンのさらなる開発を担当するサードパーティを見つける必要があるが、無限を通してホンダとの協力を続けていくのではないかとの推論だ。無限は、ホンダのモータースポーツ用自動車エンジンの設計・開発を行っており、レッドブルは、SUPER GTとスーパーフォーミュラでチームMUGENをスポンサードしている。

過去に無限はホンダのF1第二期活動が終わる1992年にホンダがティレルに供給していたV10エンジンを無限とホンダの共同開発という形で参戦。ホンダエンジン「RA101E」をベースに無限エンジン「MF351H」を開発。2000年にホンダがF1に復帰するまで参戦していた。

ホンダF1のマネージングディレクターを務める山本雅史は「彼らが何らかの形で我々を必要とする場合、それがパワーユニットだけでなく、他のことであっても、ホンダは彼らと喜んで話をします」は語っている。

「形はどうあれ、アルファタウリとレッドブルの2021年以降のプログラムをサポートするということに関して、我々は喜んで協力します。ホンダとして両チームからたくさんのものをもらいました。将来、それを何らかの形で返したいと思っています」

会社としてF1撤退を発表した手前、ホンダとしては表立ってサポートすることはできないが、協力会社の無限を通してであれば、それは実現できるかもしれない。そして、それはF1参戦が期待される角田裕毅を含めたホンダの若手ドライバーとF1とを繋ぐ最後の架け橋になるかもしれない。

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / ホンダF1 / スクーデリア・アルファタウリ