レッドブル・ホンダF1 予選分析:戦える体制。戦略の主導権争いが焦点 / F1トスカーナGP
レッドブル・ホンダF1は、F1トスカーナGPの予選でマックス・フェルスタッペンが3番手、アレクサンダー・アルボンが4番手と2列目を確保。フロントローのメルセデス勢にチームに対してどのような戦略を仕掛けられるかが鍵となる。

マシンの戦闘力はこれまでで最もメルセデスに近いパフォーマンスを発揮した。マックス・フェルスタッペンとルイス・ハミルトンとの差は0.365秒差となった。

区間ベストでは、セクター1がバルテリ・ボッタス、セクター2がルイス・ハミルトン、セクター3がマックス・フェルスタッペンとトップ3でそれぞれ得意分野が異なる結果となった。だが、DRSの計測区間があるセクター3でフェルスタッペンが速いことは、その後のホームストレートでのDRS区間でに有利となるだろう。

F1トスカーナGP 予選 区間タイム

トップ4とそれ以外のタイム差を考えれば、順当に進めば、メルセデスとレッドブル・ホンダの2チームによる戦いになることは明らかだろう。

オーバーテイクの難しいことが予想されるムジェロ・サーキットでは、どのチームも予選ポジションを重要視したはず。だが、今週末のメルセデスは意外にもしっかりとダウンフォースをつけたセットアップを採用している。これは決勝でのタイヤのことを考慮したと読み取ることができ、裏を返せば、そこが弱点と捉えていると考えられる。さらにオーバーテイクで苦戦を強いられる可能性もある。

一方のレッドブル・ホンダは、ローダウンフォースパッケージに失敗したモンツァとは異なり、ある程度のダウンフォースが必要なムジェロではバランスの取れた仕上がりとなっている。どちらのドライバーからもマシンの挙動について不満の声は聞こえてこない。十分に戦えるパッケージだと考えられる。

単一のICEモードとなり、オーバーテイクボタンが使えなくなったことで、スタートとオープニングラップで前に出られるかが重要なポイントのひとつとなる。

そして、今回はアレクサンダー・アルボンが4番手につけていることで、オープニングラップの結果次第だが、レッドブル・ホンダはチームとして戦略でメルセデスと戦うことが可能となる。

これまではメルセデスの2台対マックス・フェルスタッペンという構図だったため、アンダーカットを巡る駆け引きにはメルセデスに主導権があった。だが、今回、アレクサンダー・アルボンがいることで2台同士でのチーム戦略を採ることができる。そのため、アルボンがいかに4番手以上で戦いに絡み、チーム戦略の主導権を渡さないことが大きなポイントとなる。

スタートタイヤはソフトタイヤとなり。ソフト-ミディアム-ミディアムの2ストップになることが予想される。アレクサンダー・アルボンがメルセデスの1台の前に出て、ピットストップのタイミングに大胆な揺さぶりをかけるられれば理想的だ。フリー走行で明らかになった通り、インシデントが発生すれば、赤旗中断になる可能性は高く、レースにスパイスが加えられる可能性もある。

重要な局面でのポジションと戦えるタイヤを持っていられるかが勝負の分かればとなるだろう。

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / ホンダF1 / F1イタリアGP