レッドブルF1の“ハイレーキ・コンセプト”最強神話が崩壊?
レッドブル・ホンダF1は、昨年よりもメルセデスに遅れをとっていることが明らかになり、新たなライバルとしてレーシング・ポイントが浮上。“ハイレーキ・コンセプト最強神話”が崩壊しようとしている。

レッドブル・レーシングは、エイドリアン・ニューウェイが生み出した“ハイレーキ・コンセプト”を極限まで突き詰めてきた。マシンが大きく前傾姿勢をとることで理論的にマシン全体がディフューザーの役割を果たし、ダウンフォースを高める。

しかし、マシン下部の空気が漏れると、ドライバーがリアのグリップを突然失うリスクが大きくなる。RB16が“予測不可能”な挙動がこれに当てはまるかどうは推測するしかできないが、これまでレッドブルのコンセプイトをコピーしてきたライバルもそのリスクには気付いている。

レッドブル・レーシングは“シャシーは最強だが、エンジンが駄目”というのが例年の言い訳だった。逆にメルセデスは“シャシーは駄目だが、エンジンは最強”と言われてきた。

しかし、フェラーリのF1エンジンがメルセデスを追い越し、ルノーとホンダが追いついた。そして、メルセデスが非常に良いクルマを作っていることを多くの人々が知ることになった。

レッドブルを唯一コピーしなかったメルセデスは、タイトルを6連覇する過程でシャシーに磨きをかけ、今やコーナーでも抜群の安定性をみせるようになっている。

今やグリッドの多くのマシンが極端なレーキ角をつけることを避け、メルセデスの低重心コンセプトに移行している。

昨年のメルセデスW10をもとに設計されたレーシング・ポイントが速さを見せていることについて「異なるコンセプトでの彼らのパフォーマンスを見れば、そこに開発の余地はあるかもしれない」とF1イギリスGPに先立った会見で語った。

レーシング・ポイントのテクニカルディレクターを務めるアンディ・グリーンは、現在のF1レギュレーションではハイレーキ時代を過ぎ去ったと考えている。それが2019年のメルセデスのコンセプトをコピーした理由のひとつでもある。

ハイレーキ・コンセプトについてアンディ・グリーンは「単純にタイヤはダウンフォースに追いつくことができない。ピレリはダウンフォースに応じてタイヤを膨らませている」とコメント。

「これにより、後方を高くしたときにタイヤの接触圧を一定に保つのがますます難しくなっている。ダウンフォースをわずかに少なくした方が、バランスの取れたマシンにできる」

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / ホンダF1 / F1マシン