レッドブルF1代表、メルセデスへの抗議は「嫌がらせをしたわけではない」
レッドブルF1のチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーが、2020年のF1世界選手権の開幕戦F1オーストリアGPの週末に行ったメルセデスへの抗議について振り返った。

レッドブル・ホンダは、F1オーストリアGPの金曜日にメルセデスF1が採用するDAS(デュアル・アクシス・ステアリング)システムの合法性について抗議。しかし、FIAはその抗議を棄却している。

「トト・ヴォルフ(メルセデスF1チームCEO)の『グローブは外された(“徹底的にやり合う” の意味)』は非常に興味深い発言だった」とクリスチャン・ホーナーは振り返る。

「なぜなら、お互いをリスペクトしていることが前提だが、ドライバー同士、チーム同士のライバル関係こそがF1の醍醐味で、様々な意味でグローブは常に外されている状態にあると私は思っているからだ」

「開幕戦の私たちの戦略は正しかった。一方、メルセデスは非常に速いマシンを用意していて、最後はレースに勝った…。メルセデスは最後のセーフティカー導入時の戦略をミスしたが逃げ切ったというのが私の見解だ。メルセデスのマシンは確かに速い。しかし、私たちが彼らと互角に渡り合えるマシンを手に入れることができれば、どちらのミスなのかが誰が見ても分かるようになる。次は彼らを上回りたいと思っている」

「DASシステムへの抗議についてだが、私たちはオーストラリアGP(オリジナルの開幕戦)からすでに疑問に思っていた。レースウィークエンドでの正式な抗議が明確な回答を得るための唯一の方法だった」

「私たちがメルセデスを困らせたいと思っていたなら、予選か決勝のあとに抗議していただろう。しかし、私たちは事前にトトと話をしていた。なぜなら、私たちに悪意はなかったからだ。レギュレーションの曖昧な部分を明確にしたいと思っていただけだ」

「私たちは、DASシステムはレースでのタイヤの温度を高めるセットアップツールなのではないかと思っていたが、抗議した理由は、曖昧な部分を明確にしてもらいたかったからだ。そして今、私たちは明確な回答を得ている。今シーズンにおいてDASシステムは合法だということが分かったので、このシステムから得られるゲインがパッケージにアドバンテージを与えると判断できれば、自分たちのDASシステムの開発を検討するだろう」

F1オーストリアGPの予選ではルイス・ハミルトンが予選中にイエローフラッグを無視した疑いがかけられた。当初、スチュワードはお咎めないとの判断を下したが、レッドブル・ホンダが提出した新たな証拠映像によって覆り、ハミルトンには決勝直前に3グリッド降格ペナルティが科せられている。

「ルイスのグリッド降格ペナルティについてだが、再審の要求があのタイミングになったのはまったくの偶然だ。レース直前だったのは故意ではない」とクリスチャン・ホーナーは語る。

「日曜日にF1側から360°映像が公開されて、土曜日には不可能だった角度から映像を確認できたので、新たに見つかった問題をFIAに伝えた。FIAもその角度からは確認していなかった。そして、映像を再確認したFIAがルールに抵触していると判断し、昨シーズンのメキシコGPのマックスと同じようにルイスにペナルティを科した」

「メルセデスに嫌がらせをしたわけではない。新しい証拠が手に入り、FIAに報告したのがあのタイミングだったというだけの話だ」

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / メルセデスF1