2020年 F1ベルギーGP 決勝:ピレリ タイヤ戦略解説
ピレリが、2020年のF1世界選手権 第7戦 F1ベルギーGP 決勝でのタイヤ戦略を振り返った。

メルセデスのルイス・ハミルトンが、ポール・トゥ・ウインでベルギーGPを制しました。ハミルトンは、セーフティカー導入周回中の11周目にイエロー・ミディアムからホワイト・ハードへ交換する1ストップ戦略を採った。表彰台のドライバーたちは、皆おなじ戦略を実行した。

セーフティカーが戦略に大きな影響を及ぼした。2名を除く全ドライバーが、セーフティカー導入周回中にピットストップを行った。レッドブルのアレクサンダー・アルボンは、ハードではなくミディアムタイヤへ交換した。

セーフティカー導入周回中にピットストップを行わなかったのは、アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーとレーシングポイントのセルジオ・ペレスだった。ガスリーは、ただひとりスタート時にハードタイヤを装着していた。12番グリッドからスタートしたガスリーは、26周目にミディアムへ交換する戦略で8位を獲得した。ペレスは、18周目にレッド・ソフトへ交換し、ポイント圏内でフィニッシュした。

トップ4の順位は、スターティンググリッドの順位とおなじだった。また、トップ10中の8名が、セーフティカー導入周回中にピットストップを行った1ストッパーだった。

2ストッパーは、フェラーリのシャルル・ルクレール、ウイリアムズのニコラス・ラティフィ、ハースのケビン・マグヌッセンの3名のみだった。

雨の予報もあったが、スタートからフィニッシュまでドライコンディションが継続した。

■各コンパウンドのパフォーマンス
【ハード C2】
アルボン、ガスリー、ルクレール、ラティフィ、マグヌッセン以外のドライバーがファイナルスティントで使用した。セーフティカー導入周回中にハードへ交換した大半のドライバーが33周のスティントを走行した。このなかで、ルノーのダニエル・リカルドは、ファイナルラップでファステストラップを記録した。

【ミディアム C3】
予選Q2をミディアムで通過したトップ3のドライバーを始めとして、多くのドライバーがミディアムでスタートした。アルボンは、ミディアムで33周を走行した。

【ソフト C4】
セルジオ・ペレスが、長いオープニングスティントをソフトで走行した。ペレスは、セーフティカー導入周回中にピットストップを行わなかった。昨年持ち込まれなかったこのコンパウンドは、一貫した走行性能を示した。

マリオ・イゾラ(ピレリ カーレーシング責任者)
「セーフティカーが大半のドライバーに影響を及ぼしたレースとなり、彼らは、想定よりも長いファイナルスティントをハードで走行することを強いられました。これによって、特にレース終盤、非常に厳しいトラック上でのタイヤマネジメントが不可欠となりました。しかしながら、ドライバーたちはタイヤを完璧にマネージしました。また、異なる戦略的アプローチを採ったドライバーも見られました。ピエール・ガスリーは、ハード~ミディアムと繋ぐユニークな戦略で素晴らしいペースを示しました。セルジオ・ペレスは、ガスリー同様セーフティカー導入周回中にピットストップを行わない独自の戦略にトライしました。全3種類のコンパウンドは、重要な役割を演じ、シーズン中屈指のタイヤに厳しいサーキットである、ここスパのコンディションに良く適応していました」

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カテゴリー: F1 / ピレリ / F1ベルギーGP