アルピーヌF1の苦境で輝くピエール・ガスリー「僕が引っ張る」

元チームメイトのエステバン・オコンがハースへ移籍したことで、エンストン拠点のチームでは自動的にガスリーがナンバーワンドライバーとなった。ガスリーは当初ジャック・ドゥーハンと組んでいたが、オーストラリア人ルーキーはヨーロッパラウンドの開幕からフランコ・コラピントに交代となった。
アルピーヌは中団上位チームとしての地位を維持するのに苦戦し、現在はコンストラクターズ選手権の最下位に沈んでいる。これまでの20ポイントはすべてガスリーが稼いだもので、低調なA525を駆りながら過小評価されがちな活躍を見せている。
ガスリーはRacingNews365とのインタビューで、この新しい役割への取り組み方を語り、チーム内でより大きな影響力を持てていることに満足していると述べた。
「そうだね、もっと多くのことに気付くようになったと思う」と彼は語った。「僕はずっと速さを持っていた。でも、そこには一貫性が必要で、チームが機能しなければならない。チームのために働く必要があるけど、同時にチームも自分のために働いてくれなければならない。お互いにこうした考え方を持てば、チームからも自分自身からも、パッケージからもより多くを引き出すことができる」
「だから、チーム内でより多くの責任やリーダーシップを担えることに満足している。ジャックやフランコと組むことで僕により大きな重責がのしかかっているけど、それは僕にとって好ましいし、チーム全体も僕が最大限のパフォーマンスを発揮できる方向に進んでいる」
これまでのところ、ガスリーは両チームメイトに対して優位に立ち、アルピーヌを支えている。

アルピーヌへの信頼と長期的プロジェクト
ガスリーはアルピーヌに加入した際、当時はチームがオコン中心に回っているように見えたため、なぜレッドブル傘下チームのシートを離れたのか疑問視する声もあった。しかし、オコンの離脱後はガスリーに焦点が移りつつあり、強固な関係を築いている。
「チームとのやり取りの仕方には満足している」と彼は語った。
「僕はとても競争心が強いし、もちろんマシンのパフォーマンスを考えればフラストレーションが溜まる時もある。F1で15位や10位争いをするためにいるわけじゃないからね。でも最終的には、僕はチームと長期的なプロジェクトを進めているんだ。僕はこのプロジェクトを信じているし、我々がどこに向かっているのかも理解している。多くの良い変化が起きている。確かに今はあまり快適な段階ではないけど、僕たちはより強くなって戻ってくると確信している」
ガスリーは最近、「もし2026年に本当に戦えるマシンが手に入るなら、今シーズン残りすべてのレースで最下位になっても構わない」とまで語っている。
29歳の彼は、今年の困難な状況から目標を再設定していることを改めて強調し、来年以降に向けての手応えを口にした。
「我々が今取り組んでいること、我々が疑問を投げかけて変えていること、それらは将来的に必ず成果をもたらすと思っている。今あるのはバルセロナ以来使っているマシンだ。そこから突然奇跡を起こせるわけじゃないし、この戦略を2026年に向けて採ると決めた時からわかっていたことなんだ」
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