セルジオ・ペレス キャデラックF1準備でフェラーリSF-23をイモラでテスト

ペレスは今週末のF1メキシコシティGPに出場しており、木曜日に行われたチャリティ・サッカーイベントの後、来月実施される「旧型車テスト(TPC)」の詳細を語った。このセッションでは、キャデラックF1チームがフェラーリ製SF-23を使用し、初めて実走環境でのオペレーション確認を行う予定だ。
ペレスとチームメイトのバルテリ・ボッタスがキャデラックF1のラインアップを形成しており、チームはまだ自前のマシンを持たないため、このテストは貴重な実戦準備の場となる。
「11月にいくつかのテストセッションを予定している」とペレスは語った。
「チーム全体でメカニックやエンジニアと連携して作業できるので、とても有意義な時間になると思う。1月の初めに始まるテストプログラムに向けて、チームを100%の状態に仕上げる準備を進めていく」
イモラでの初テストと開発プログラムの意図
今回のテストでは、フェラーリSF-23を使用してキャデラックのエンジニアやオペレーションチームがピットワークやレース週末の手順を実地で練習する。これは2026年にキャデラックが自社マシンでテストを開始する前段階として、重要なシステムチェックとなる。
ペレスは「今はシミュレーター作業やフィジカル面の強化に集中しており、復帰に向けて万全の状態を整えている」と話した。
「自分の意見を聞いてくれて、サポートしてくれて、価値を認めてくれるチームがあるというのは、本当に素晴らしいことだ。それはドライバーにとって夢のような環境だ」
キャデラックとの協力関係はすでに本格化
ペレスのキャデラックとの協力はすでに進んでおり、最近は米シャーロットの本社を訪れた後、シルバーストンでもチームのエンジニアと面会し、シミュレーター走行やコクピット調整のフィードバックを行っている。
この段階でチームは、ピットストップ手順からガレージ内の通信に至るまで、レース週末のさまざまなオペレーションを繰り返しリハーサルしてきた。来月のイモラテストは、そうした準備の集大成となる。
分析:キャデラックF1の「現実化」へ踏み出す一歩
イモラでのテストは、キャデラックF1にとって初の実走プログラムとなり、単なる構想段階から“実戦準備”へと移行する節目となる。ペレスが述べたように、システムや人員の連携を早期に確立することは、新規参戦チームにとって極めて重要だ。
特にフェラーリの旧型マシンを使うTPCは、実際のマシンを用いた貴重な学習機会であり、2026年に向けての技術的・人的シナジー構築の第一歩といえる。ペレスにとっても、長年のF1経験を活かして新チームを導く役割が期待されており、「リスニング・カルチャー」を持つキャデラックF1の文化が彼の再出発を後押ししている。
イモラでの走行は、キャデラックF1が“構想”から“現実”へと歩み始める瞬間となりそうだ。
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