セルジオ・ペレス 損傷したF1マシンで走行継続にレッドブルの陰謀論
セルジオ・ペレスがF1カナダGPで損傷したマシンで走行を続けた件について、F1ジャーナリストのウィル・バクストンはレッドブル・レーシングの陰謀説を唱えたが、おそらく怒ったレッドブルファンからの批判の嵐のせいだろうが、のちにXの投稿を削除した。

F1TVやDrive to Surviveでおなじみのウィル・バクストンはツイートで、リアウィングが壊れたRB20をがわざと停車させなかったことに対するセルジオ・ペレスの処罰に反応した。

ウィル・バクストンによると、このペナルティ(バルセロナの3グリッド降格ペナルティと2万5000ユーロの罰金)はあまりにも軽すぎるという。このイギリス人ジャーナリストはまた、この事件を2008年のクラッシュゲートになぞらえた。2008年のクラッシュゲートではネルソン・ピケJr.の故意のクラッシュがルノーのチームメイト、フェルナンド・アロンソの勝利を助けた。

カナダGPの終盤、セルジオ・ペレスがターン6でRB20をウォールにぶつけた後、間違いなくミラーを見た。リアウイングがマシンから外れ、残りのレースを運転するのは不可能だったはずだ。だが、レッドブルの指示に従い、カーボンの破片がマシンから落ち、高速で追い越していくライバルたちに危険を及ぼす中、彼はカタツムリのような速度で車をピットに戻した。

レッドブルはセーフティカーの状況を望んでおらず、トップを走るマックス・フェルスタッペンに悪影響が及ぶことは望んでいなかったため、ペレスはRB20を「ホーム」に持ち帰らなければならなかった。

レッドブルは意図的にリスクを負った
その日のうちに、レッドブルは後者をスチュワードに認めた。規則では、マシンは健全で、他のドライバーに危険を及ぼさないことが定められている。レッドブルが、コース上で良好な状態ではないマシンを走らせたのは初めてではないが、通常は(重い)ペナルティにはならない。

しかし、このケースは事情は異なっていた。チームは、他のドライバーが被害を受ける可能性を回避するために、故意に規則に違反した(つまり、壊れたマシンをコースに残した)ことを認めた

レッドブルがこの点を指摘したのは極めて公平だが、賢明だっただろうか? 後の報告書によると、コミッショナーたちはこれにまったく満足していなかったという。レッドブルが黙って、マシンを修理できる見込みがあると彼らに伝えていたら、軽い処罰で済んだだろうか?

ペレスは別の解決策を選ぶこともできた
ペレスはなんとかマシンのエンジンをかけ続けた。セーフティカーを避けるため(そうすべきだった)にフェンスの後ろにマシンを停めることができる最初のポイントまで、落ち着いて走り続けるという選択肢もあった。どのサーキットにもそのような場所がある。もしペレスがそうしていれば、セーフティカーは出動せず、また彼はスチュワードをいら立たせることもなかっただろう。つまり、総合的に見て、レッドブルとペレスにペナルティが科せられたのは正当である。

しかし、ウィル・バクストンは、2008年のシンガポールGPを例に挙げ、ペナルティは甘すぎると感じた。それは、ネルソン・ピケJr.がルノーをわざと壁に衝突させ、チームメイトのフェルナンド・アロンソに有利に働かせたときのことだった。アロンソは最終的にレースに勝利した。

2024年カナダと2008年シンガポールは、もちろん、まったく次元の違うものだ。1つは故意の衝突であり、もう1つは故意に損傷したまま走行している。唯一議論できるのは、どちらもレースに影響を与えようとしたということだ。しかし、ペレスの場合、ピケの場合とはまったく次元が違う。

レッドブルとペレスへのペナルティは完全に説明がつくが、バルセロナでのグリッド3つ降格と高額の罰金は十分すぎるほどだ。おそらくバクストンもこれに気付いて投稿を削除したのだろう。



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カテゴリー: F1 / セルジオ・ペレス / レッドブル・レーシング